山口組最高幹部ETCカード使用で逮捕される

社会考察

暴力団が逮捕されたニュースに暴力的な出来事以外にもたくさんありますが、これほどしょうもないとこで、逮捕されるとは本人も思わなかったかも知れません。

スーパーマーケットのポイントカードをつくって逮捕される。しかも2020年のことです。さらに73歳のヤクザがポイントカード?

「3代目司興業の町永拓彌・副組長の逮捕容疑は名古屋市にあるスーパーで暴力団員であることを隠し、ポイントカードを申し込んだというものです。会員カードの約款には“反社会的勢力の排除”の条項があり、暴力団員や反社会的勢力はカードを作ることができない前提でした」

町永副組長はそういった事実を知らなかったとの供述をしているとされる。ポイントカードを作る時にわざわざ約款に細かく目を通す人は少ないだろうから、この供述にはそれなりに説得力があるようにも思われる。

名古屋は山口組弘道会の拠点です。ちょっとしたことでも警察は引っ掛かりを見つけようとしているということでしょうけど、そもそもヤクザがポイントを貯める?生活がカツカツという話はよく聞きますが、情けない逮捕でヤクザの歴史に残るかも知れません。

銀行口座、クレジットカード、ETCカードなども作ることができません。どうやって生活してる?近い人もしくは身内を使っているのでしょうけど、それも警察の逮捕できる要因となっています。もはや車の運転するだけでも捕まるかも知れません。

2023年2月2日の産経新聞

  • ETC不正利用容疑で 山口組直系組長3人ら計11人逮捕

    他人名義のETCカードを使って阪神高速を走行したとして、大阪府警捜査4課は2日、電子計算機使用詐欺の疑いで、いずれも特定抗争指定暴力団山口組直系団体で秋良連合会会長の金東力(とうりき)(66)、極粋会会長の森尾昇(65)、章友会会長の松岡錠司(55)の3容疑者を含む男女11人を逮捕した。いずれも認否を明らかにしていない。

    逮捕容疑は共謀し昨年11~12月、それぞれ親族や内妻のETCカードを不正に使用し、阪神高速を走行し、正規の通行料金との差額をだまし取ったとしている。

    同課によると、暴力団組員はETCカードを所持できないが、金容疑者は弟名義のETCカードを使用。カードの履歴では、昨年1~11月に983回にわたって不正に使用していた。愛知県などで開催された山口組の行事に向かう際に利用したとみられ、同課は余罪を調べる。

6代目傘下の2次団体・秋良連合会、極粋会などいずれも世間を賑わしたことのある暴力団事務所です。主流派の弘道会ではありませんが、最高幹部が逮捕されています。

極粋会は、島田紳助引退で有名になりました。紳助さんと関わったとされる組長は、山口組の内部の揉め事で、失脚しています。

秋良連合会は、前身は太田守正・組長が率いた太田会と呼ばれていました。2008年に後藤忠政・組長の処遇問題で執行部を批判し、除籍引退となった。それを引き継いだ暴力団です。2007年に西麻布事件(住吉会・小林会幹部射殺事件)を起こしています。

章友会もよく任侠映画で題材にされます。殺しの柳川組の系譜で「柳川組四天王」の一人、石田章六が率いた組織です。

いずれも過去には、恐れられ武闘派として名が通った組織でしたが、組長が家族のETCカードを使って逮捕されるという時代の流れです。抗争をいつまでもやっているため、自ら首を絞めている形です。

ただこの逮捕は、不起訴となります。

自己破産などをすると信用履歴が回復するまで、クレジットカードが取得できません。ETCカードはクレジットカードに紐づけされていますので、そのための救済措置として「ETCパーソナルカード」があります。前払い制のデポジットカードです。

警察としては、制度の悪用として逮捕したのでしょうけど、カード発行会社に事前問い合わせをして、暴力団ということがわかっても問題ないという説明を受けていました。不起訴になろうと関係がないようです。山口組を狙い撃ちしているようですし、どんなつまらないことでも警察は身柄を抑えるぞ!という意思表示です。

路駐しているだけでも山口組は狙い撃ちをされています。

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