KANTAKE Blog
  • Home
  • 治療
  • 癌予防
  • 社会考察
  • 映画
  • 人物
  • 芸術
  • LIFE
  • Profile

ゲノム塩基編集を用いた画期的治療が行なわれる

癌予防
2022.12.13

イギリスの老舗メディアBBCが、画期的な治療法のニュースを配信しました。引用する形になります。私もT細胞リンパ腫を患い、治療している身です。こういったニュースは心ときめきますが、実験的な治療法ですので、標準治療になるかは不透明です。よくわかない部分が多い。

癌がコードのエラーだと考えれば、編集して直してやればよい。塩基を書き換えた?どう書き換えたのだろう?

ノーベル賞にもなった、CRISPR-Cas9(クリスパーキャス9)のゲノム編集が行なわているのだろうと思われますが、詳細はわかりません。コードエラーを修正すれば、病気が治る原理は、理解できますが、書き換えた遺伝子が身体にどう行き渡り、影響をおよぼすのか?DNAを組み替えることに抵抗なんてない。生きることが最優先です。「血液のがん」の研究は、他のがんにも応用できると考えれているため、研究が進んでいますが、実験的な段階から抜け出さないのが実感です。

CRISPR-Cas9はもともと、ファージ感染に対する細菌の免疫システムを明らかにする研究の中で生まれました。CRISPRとは「Clustered regularly interspaced short palindromic repeats」の略で、細菌のDNAにある繰り返し配列のことです。1987年に石野良純博士(九州大学教授)らが発見しましたが、当時は大腸菌のもつ酵素の機能に関する論文の中で補足程度に述べるにとどまり、長らく注目されることはありませんでした。

その後、CRISPRリピート近傍にヌクレアーゼなどの酵素をコードする遺伝子群が存在することが明らかになり、その酵素はCas(CRISPR-associated)と呼ばれることになりました。

そして、ジェニファー・ダウドナ博士(カリフォルニア大学バークレー校教授)とエマニュエル・シャルパンティエ博士(フンボルト大学名誉教授)が、化膿性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)において、CRISPRを含むRNAとCas9が外敵であるファージのDNAを切断する免疫システムであることを明らかにしました。

 

がんが「消失」「塩基編集」を用いた画期的治療で(イギリス)

ジェイムズ・ギャラガー

Alyssa
画像説明,アリッサさん

不治のがんを患っていた10代の少女が、画期的な治療を受けたところ体内のがんが消失したという。英ロンドンの病院が明らかにした。

イギリス・レスターに住むアリッサさん(13)は昨年5月、T細胞急性リンパ性白血病と診断された。

T細胞とは本来ならば、人体にとって脅威となるものを特定して破壊する、人体を守る存在だ。しかし、アリッサさんの場合、そのT細胞が暴走していた。

これまでに化学療法や骨髄移植などあらゆる治療法が試されたが、いずれも効果はなかった。しかし今回、ほんの数年前までは考えられなかったことが、遺伝学の驚異的な進歩によって可能になった。

グレート・オーモンド・ストリート病院の医師と科学者からなる大規模なチームは、わずか6年前に発明された「塩基編集」と呼ばれる生物工学の技術を使い、アリッサさんを治療した。

治療から6カ月が経過し、がんは検出されなくなったが、再発に備えて経過観察が続いている。

この実験的治療法がなければ、アリッサさんのためにできることといえば、可能な限り快適に過ごせるようにすることしか残っていなかった

「私は最終的に、息を引き取っていたと思う」とアリッサさんは言う。母親のキオナさんは昨年の今頃は「これが娘と過ごす最後のクリスマスになるのかと考え」、クリスマスが来るのが怖くてたまらなかったと振り返った。1月に娘が13歳の誕生日を迎えると「ただただ泣いていた」と話した。

Alyssa before treatment

画像説明,化学療法を受ける前のアリッサさん

画像提供,FAMILY PHOTO

Alyssa

画像説明,治療で髪の毛を失うならとヘアドネーションを決意したという

画像提供,FAMILY PHOTO

「塩基編集」

塩基とは、生命をつかさどる言語だ。私たちの遺伝コードを構成する塩基はアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)の4種。アルファベットの文字が一定の並び方をすると、意味を持つ言葉となるように、DNAに含まれる何十億もの塩基は人体の取扱説明書を紡いでいる。

「塩基編集」とはDNAを切らずに特定の塩基を編集し、遺伝的指令を変える技術だ。同病院のチームはこの技術を使って、アリッサさんのがん化したT細胞を特定して破壊することができる、新種のT細胞を作り出した。

グレート・オーモンド・ストリート病院のチームは、ドナーから提供された健康なT細胞の改変に取りかかった。

  • まず、T細胞がアリッサさんの体を攻撃しないよう、人体への脅威となるものを標的とするT細胞の仕組みを無効にした
  • 次に、すべてのT細胞に含まれる「CD7」と呼ばれるマーカー(特定のたんぱく質)を取り除いた
  • 化学療法によって細胞が破壊されないようにした

編集の最終段階では、CD7マーカーを含むT細胞を特定し、がん性のものも含めて、アリッサさんの体内にあるすべてのT細胞を破壊するよう指示した。健康なT細胞からCD7を取り除いたのは、破壊する必要のないT細胞まで攻撃させないためだった。

この治療法がうまく機能すれば、アリッサさんの免疫系(T細胞を含む)は2回目の骨髄移植で再構築されることになる。

base editing
Presentational white space

この治療法について初めて説明を受けたとき、母キオナさんは「そんなことができるの?」と驚いた。最終的に、画期的な治療法を受けると決めたのはアリッサさん本人だった。数百万の改変された細胞を体内に入れる治療は、今年5月に始まった。

Alyssa getting treatment

画像説明,グレート・オーモンド・ストリート病院で治療を受けるアリッサさん(5月)

画像提供,GREAT ORMOND STREET HOSPITAL

「初めての試み」

「(アリッサさんは)この技術を使った治療を受けた初めての患者だ」と、グレート・オーモンド・ストリート病院のメンバーで英ユニヴァーシティ・コレッジ・ロンドン(UCL)教授のワシーム・カシム氏は述べた。

そして、この遺伝子操作は「急速に進歩している科学分野」だとし、様々な病気に対して「非常に大きな可能性」を秘めているとした。

Waseem Qasim

画像説明,塩基編集療法の開発チームのメンバー、ワシーム・カシム教授

アリッサさんは、今回の臨床試験で塩基編集を用いた治療を受ける10人のうちの1人だった。

治療を始めた当初、塩基編集したT細胞はがん性のT細胞と健康なT細胞の両方を攻撃していたため、T細胞の減少から免疫が後退していたアリッサさんは感染症にかかりやすい状態だった。

しかし、1カ月がたつと寛解状態となった。免疫システムを再生させるため、2度目の骨髄移植が行われた。入院は16週間続いた。雑菌を持ち込む可能性があるため、学校に通うきょうだいとは面会できずにいた。

3カ月後の健診で再びがんの兆候が見つかり一時は心配されたが、直近2回の検査では異常はなかった。

アリッサさんは「どんな些細なことにも感謝するようになった。いまここにいることに、ただただ感謝している」と話した。

「信じられない。こんな機会を得られて、本当に素晴らしい。すごく感謝しているし、将来ほかの子どもたちを助けてくれると思う」

Alyssa

アリッサさんはクリスマスを楽しみにしている。おばの結婚式でブライズメイドになったり、自転車に乗ったり、学校に戻ったり、「普通のことをする」のが楽しみだという。

母キオナさんは、「予想していなかった今年1年を過ごすことができて、娘が家に戻って3カ月も一緒にいられて、それだけでもプレゼントのようなもの」だと喜んでいる。

父ジェイムズさんは、「娘のことが本当に誇らしくて、うまく言葉にできないほどだ。どれだけ大変な思いをしてきたか思うと、それなのにどんなときにも元気いっぱいで生命力に満ちていたことを思うと、本当に素晴らしい」と話した。

「始まったばかり」

白血病を患う子供のほとんどは、標準治療で回復する。しかし、この塩基編集治療が効果をもたらす患者は年に10数人はいるとみられている。

グレート・オーモンド・ストリート病院骨髄移植科のロバート・キエサ博士は、「非常にエキサイティングな出来事だ。間違いなく、医学の新分野だ。がんと戦うために免疫系を方向転換させられるというのは、非常に興味深い」と述べた。

しかしこの技術は、基盤編集で可能なことのごく一部に過ぎない。

米ハーヴァード大学ブロード研究所で塩基編集を発明したチームの1人、デイヴィッド・リュウ博士は、この技術が発明されてからわずか6年で人間が治療を受けられるようになったのは「信じられないようなこと」だと語った。

「塩基編集治療への応用は始まったばかり」だとし、「ヒト遺伝子編集を用いた治療の時代の一員であることに、謙虚な気持ちでいる」と述べた。

塩基編集をめぐっては、鎌状赤血球症や高コレステロール、血液疾患のベータサラセミアなどを対象にすでに臨床試験が始まっている。

 

癌予防
スポンサーリンク
スポンサーリンク
X Facebook はてブ LINE コピー
スポンサーリンク
kantake

関連記事

癌予防

【にんにく】免疫を高める最強食材。

にんにくのがん予防効果は、今や世界中で知られるようになりましたが、その先駆けとなったのは1990年にアメリカ国立がん研究所(NCI)が発表した「デザイナーフーズ・プログラム」でした。これは、「がんを食事で防ぐ」という目的のためにアメリカ政府が進めた国家プロジェクトで、55〜69歳までの女性、約4万人を対象に5年間にわたって追跡調査を行い「がんの発生と食品の影響」を解析したものです。
癌予防

認知症の原因?アムロジピン(降圧剤)の危険性

認知症には血圧と深く関係があると言われいます。これは以前から言われてきたことで、最近、認知症との関係性が指摘する報道がされています。医療関係者は「関連性を示すデータはない」と決まり文句をいい、今までの医療を見直そうとはしない傾向も確かです。そりゃそうです、製薬会社との関係性やお金が絡んでくる問題ですから。
癌予防

「ツナ」と「シーチキン」老化防止の栄養食材

「ツナ」と「シーチキン」の違いとは?「シーチキン」は、はごろもフーズ株式会社が製造し、販売している缶詰の商品名です。登録商標担っているため、他の企業は使用できませんが、中身は一緒「ツナ」です。チキンとありますが、食感が似ているためだけで、チキンがはいっているわけではありません。
癌予防

人参 抗発がん作用・免疫賦活作用を高める食材

抗発ガン作用や免疫賦活作用があることは確かです。大腸がんに特に効果があるようなことが、言われてますが、はっきりとは立証されてはいないようです。がん以外に、血圧を下げる効果や美肌の効果もあるようです。身体に取り入れて悪いものじゃありませんので、普段の生活習慣にどうでしょう。
癌予防

スウィッチェル リンゴ酢が苦手な人が飲めるかも

美容系の飲み物です。私の場合、骨髄移植をしていますので、後遺症の改善として飲みはじました。肌の調子と手足の冷えには効果が体感できます。ダイエット効果があると思われますので、いかがでしょう。コーラより遥かに健康的で、にいいですね。
癌予防

不整脈の原因?カフェインの過剰摂取

コーヒー、カフェインと不整脈の関係はよく解っていません。関係はあるとは昔からいわれていますが、コーヒーの研究は時代によって変化します。身体に良くない飲料の時代を経て、現在は健康食品のような扱いをされることもあります。
スポンサーリンク
【ドトール】ミラノサンドの季節メニューを堪能
【松屋】肉うどん。定着するメニューになる?

コメント

コメントをどうぞ コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

email confirm*

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

ホーム
癌予防
スポンサーリンク

カテゴリー

  • LIFE
  • 人物
  • 映画
  • 治療
  • 癌予防
  • 社会考察
  • 芸術

アーカイブ

スポンサーリンク
KANTAKE Blog
  • HOME
  • Privacy policy
  • Contact
© 2019 KANTAKE Blog.
    • Home
    • 治療
    • 癌予防
    • 社会考察
    • 映画
    • 人物
    • 芸術
    • LIFE
    • Profile
  • ホーム
  • トップ
タイトルとURLをコピーしました