以前は、工場で働く人たちの駅で夕方になると無人でした。最近は工場跡にマンションが建設されており、利用者が多いみたいです。
何よりの変化は「匂い」です。
街全体に独特の匂いが発生させていましたね。味の素が発生させていたと思っていましたが、大師線を挟んで三楽酒造(メルシャン)と日鉄鋼管の工場も、かつてはありました。現在はヨーカドー、ヤマダ電機・ブックオフの入る施設、マンションになっています。
匂いはアルコールを製造していた三楽酒造(メルシャン)だったのかな?子供のころは「味の素」だと思っていましたし、周囲もそう思っていました。
その鈴木町という地名、実は創業者・鈴木三郎助の名前に由来しています。ここが「味の素」の工場用地となったのは1913年のこと。創業当時の工場は神奈川県逗子市にありましたが、製品に確かな需要を感じていた鈴木三郎助は、大きな河川が近く、なだらかで運送の利便さに恵まれた土地で大規模な生産設備の建設。わずか1年後となる1914年9月1日には操業を開始します。そして1917年、味の素グループの前身となる「株式会社鈴木商店」を設立しました。
川崎工場は、1923年の関東大震災によって一度は崩壊したものの、二代目鈴木三郎助の機転と努力によって再建し、翌年には操業を再開。創業者の名前にちなみ、この地が「鈴木町」と呼ばれるようになりました。
「鈴木商店」という名前で勘違いしてしたが、日本の財閥だった「鈴木商店」とは無関係です。関西でした。こちらのほうは、大正6年には当時の日本のGNPの1割に匹敵する現在の価値で50兆円を売り上げる総合商社でした。現在でも双日、豊年製油(現・J-オイルミルズ)、神戸製鋼所など鈴木商店の流を汲む会社が日本の大手産業企業となっています。破綻してほとんどが対立の三井財閥に吸収されますが、間接的に「鈴木商店」の破綻が昭和恐慌を引き起こし、戦争に向かった、と思っていたので、あまりいい印象がありませんでした。
鈴木町駅の目の前にあるのに、次の駅の名前なのは、どうしてなんでしょうね。当時の社長・鈴木敏文と関係があるのかな。日鉄鋼管の旧工場跡地です。1998年から営業「首都圏最大級の鮮魚売場」が売り文句だったと記憶しています。
開店当時はすごかったです。駐車場に入るのに渋滞ができてましたから。残念ながら現在は、食品売り場以外は閑散として「閉店するのかな、いつなくなるんだろう?」と心配されています。2階はテナントが撤退して、ベンチが並べられている状態。ヨーカドーはどうしちゃったんでしょうね。
少し港町方面に歩くと。水門が見えます。歴史建造物の川崎河港水門です。
多摩川は、古くから水運に利用されてきました。川崎においても、第一次世界大戦のによる好景気の中で、足りなくなった工場用地の拡大を図るため、運河・港湾計画が立てられました。川崎河港水門は、この計画の一環として将来の発展に備えるべく、当時、多摩川改修事務所長であった内務技師金森誠之の設計により、大正15(1926)年11月に着工され、1年半後の昭和3(1928)年3月に完成しました。
この河港水門は、2本のタワーと、タワーをつなぐ梁、そしてゲートによって構成されています。タワー頭頂部には、籠に溢れんばかりに盛られた、当時の川崎の名産品であった梨・葡萄や桃をあしらった巨大な飾りが施され、また、現在は残っていませんが、タワーをつなぐ梁の側面には、レリーフ状のエジプト形式の舟が描かれており、当時の金額で54万円を掛けて造られました。
その後、運河・港湾計画は、現在の川崎区を対角線に横切る大運河計画となって昭和10(1935)年11月に運河幅員33~40mの都市計画事業として内務省の認可を得ましたが、道路のような建築制限がないため、計画予定地内に工場や社宅が建てられ、また、戦時体制へ突入など、社会情勢の変化から昭和18(1943)年3月に廃止され、幻の大運河計画となりました。川崎河港水門は、平成10年(1998)度に、国の登録文化財(建造物)に登録されています。
2015年に事件があった場所です。13歳の中学1年生の少年が殺害された上に遺体を遺棄され、事件から1週間後に少年3名が殺人の疑いで逮捕された少年犯罪でしたね。「処刑スタイルで首を刺して殺害」というセンセーショナルな事件でしたから、連日、マスコミ報道がありました。
ここは昔から問題が起こるところでした。小学生が水遊びをしていて、流されて亡くなった事故があったことから、注意喚起があった記憶があります。それ以来、心霊的な話もできてましたね。
事件があってから、だいぶ手が加えられたようです。ホームレスの姿も見えなくなりましたし、健康的にジョギングや散歩をされている人がたくさんいます。
味の素の工場は巨大です川崎大師→鈴木町→港町の広範囲ですが、京急大師線は短区間電車です。歩くと30分くらいですね。3キロ程度です。
コメント