中国EC「SHEIN」失速?後発「Temu」煽られる

社会考察

2022年6月に日本で展開を始め、マスコミなどに大きく取り上げられた中国アパレル「SHEIN(シーイン)」が失速?今のところ、具体的な数字はでてきませんが、明らかに後発の中国企業の驚異に怯えているようです。

後発「Temu(ティームー)」の存在感に、主戦場の米国で争い激化の模様。ターゲットなる購買層が全く同じのため、将来的に衝突する市場争奪戦の前哨戦といわれています。

厚かましいことに、著作権やコンプラをあまり気にしない会社だったはずですが、ライバルに関して訴訟を起こしてます。

2022年12月、米国イリノイ州北部地区連邦地方裁判所にTemuを提訴した。Temuが起用したインフルエンサーがSNSでのプロモーションでSHEINに対して「虚偽や欺瞞に満ちた言葉」を発したほか、SHEINになりすました偽のアカウントを使ってTemuアプリをダウンロードするよう消費者を誘導した、と主張している。

違いはありますが、中国のサプライチェーンを活用し大量の商品を低価格で販売する形態です。市場の取り合いが始まるのは時間の問題と思われいましたが、まずは法廷からのようです。

TikTokなどSNSではTemuとSHEINを比較する投稿がよく見られます。あくまでもユーザーが、SHEINをけなして、Temuを持ち上げ、これからこちらを購入するようなことを繰り返す。過激なステルスマーケティングだが、米国では規制されています。こちらも中国企業らしく法律は守る気はないようです。

顧客からの評判も芳しくありません。未配達の荷物、不可解な請求、間違った注文、無反応な顧客サービスと言ったレビューも多く、未発達さを露呈しています。

SHEINは、中国国内では「知らない」人も多く、海外向けのバッタ屋とも言われます。余剰商品や在庫を若者向けに、少し加工して大量に売り捌くわけですが、既存のサプライチェーンを利用しています。このへんが「バッタ屋」とよばれる所以ですが、Temuは自前で整えていると言われます。

柔軟性の高いサプライチェーンで極限まで効率を高め、現在はマーケットプレイスモデルも試みている。Temuは直営モデルを採用して自社でサプライチェーンを管理し、SHEINの従業員を直接引き抜いたことさえある。

  • サプライチェーン(Supply Chain)とは、商品がエンドユーザーに届くまでのモノの流れを指します。 日本語では「供給連鎖」という意味です。 商品製造に必要な原材料の仕入れや商品の在庫管理、配送から販売まで、1つの鎖としてつながっていることを表した言葉です。

    マーケットプレイス型のビジネスモデルというのは、例えば楽天市場やYahooショッピングのように、売り手と買い手をつなぐ場を提供するモデルになります。 一般的には売り手と買い手の数が増えれば増えるほど、場としての重力が大きくなり、ネットワーク外部性が働きやすくなります。

実店舗を持たず、ECサイトのみアパレルですが、米国やヨーロッパを中心に150以上の国と地域においてロードゲットビジネス社によって販売されているブランドです。

すでにZARA、H&M、UNIQLOのSPA3強に肉薄する、リアルショップを持たないD2Cブランドと言える存在。人気の理由は、SPA3強をしのぐ安さ、速さ、バラエティの豊富さ。毎日6000点以上の新作を投入していると言われる。

ロードゲットビジネス社は、シンガポールに本拠があり、クリス・シュー(許仰天)が中国で2008年に創業した南京希音電子商務が創設したブランド。元々はウェブマーケティング事業を行っており、2012年に海外向け越境ECブランド「Shelnside(シーインサイド)」を始めた。2014年に「SHEIN」と改称してから驚異的ともいえる成長をしている。

2022年に売上高が227億㌦(約3兆円)となり、H&MとZaraの年間売上高を足した数字を上回った。流通取引総額(GMV)は約 300億㌦(約3兆9000億円)、利益は7億㌦(約900億円)で4年連続黒字を達成した。

Temuは、2022年9月に米国でサービスを開始する。SHEINにはまだライバルとはいえず、1日の売上高は700万㌦(約9億円)で落ち着いており、2022年1月の売上高は約2億㌦(約260億円)だった。SHEINの1/10の規模です。

しかし注目度、成長期待値は高く、2022年9月から2023年1月上旬まで、米国で最も頻繁にダウンロードされたアプリとなる。アマゾン、ウォルマート、それに中国の競合アプリであるSHEINを抜いたというのは、かなり大きな出来事。

SHEINの売上高の約1/4を米国で稼いでいる。今のところ影響は微々だが、資金調達やIPOの動向が伝えられている。フィナンシャル・タイムズの報道では、SHEINの評価額はピーク時の1000億㌦(約13兆円)から640億㌦(約8兆4000億円)に下落した。SHEINは今年米国でIPOを実施すると報道されているが、同社は当面IPOの計画はないとしている。

どちらかというと「Wish」に似ているかな。安いけど問題がありそうな感じです。

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