価値の低いダイヤモンドを息の掛かった鑑定会社で偽装し、高額で売りつけ逃げ切ったと言われる詐欺事件。ローンを手配する信販会社もグルだった。泣き寝入りした男性は10万人とも言われる。信販会社はクオーク(現・セディナ)住友銀行系で非常に悪質で、弁護団と対峙することになる。
色っぽい女性が声かけする商法は、クリスチャン・ラッセンの絵画商法に受け継がれて、しばらく存在した。高額な絵を売る女性を“エウリアン”と呼んでいある。
1967年設立。かつて横浜・元町にあったダイヤモンドの販売会社。並びに同社が全国にチェーン展開していたダイヤモンドの販売店。
各地のショッピングビルの中でも人通りが多い場所に出店し、カウンター内の店員(主として女性)が「お客様~すみませ~ん」と通行人(主として男性)に呼びかけ、立ち止まった通行人に安物のダイヤモンドを、あたかも高級ダイヤモンドであるかのように説明し高額で販売していたとされる。
また、モニター制度と称して普段から装着することで知名度を高めてもらおうと、特別価格での販売と称して販売していたこともあった。販売に活かすため、積極的にクイズ等の視聴者参加型テレビ番組の賞品を提供することで全国的知名度を高め、購買者に信頼感を与えた。特に、テレビ朝日の『100万円クイズハンター』や、フジテレビの『志村けんのだいじょうぶだぁ』における商品提供は大変有名だった。
販売にあたっては、購入の決断を促すために、一定期間後に販売価格で買い戻すという特約をつけていたが、そのような特約が成り立つためには価格相場が上がることが前提であるにもかかわらず、実際には販売当時の不況などの影響もあって下がり続けていた。
ココ山岡の鑑定書は独自のものであり、世間相場の鑑定とは大きな開きがあった、特約は当初機能していたが、やがて売上よりも買い戻しが上回り債務超過に陥る。このため1997年1月9日に自己破産を申し立て、翌日に破産宣告が下り、全店閉鎖。
消費者の手元には、価値の低いダイヤモンドしか残らず、加えて人によっては多額のローンも残るという事態を引き起こした。会社は経営難であることを認識しながら、買い戻し特約付でダイヤモンド販売を行なっていたことが詐欺罪にあたるとして、捜査を受けた。
2000年に清算手続きが始まった
一審(横浜地方裁判所)
- 本間夏樹(元副会長)、懲役五年六ヶ月(控訴せず判決確定)
- 森下展男(元社長)(詐欺罪と特別背任罪)、懲役二年実刑(控訴)
- 原義邦(関連会社社長)、懲役三年実刑(控訴)
二審(東京高等裁判所)
- 森下展男(元社長)懲役一年六ヶ月実刑(上告)
- 原義邦(関連会社社長)、懲役三年実刑(上告)
三審(最高裁第3小法廷)
- 原義邦(関連会社社長)、懲役3年実刑(確定)
森下を減刑した理由を、裁判長原田國男は「被告に実権はなく、特別背任の刑事責任はほかの被告より相当軽い」とした。
「お客さまぁ、お客さまぁ」デパートを歩くたびに、大声で呼び止められ、振り向くとカウンター越しに、若い女性店員が微笑みかける。たいていは「アンケートに協力をお願いします~」という接触の仕方をとる。ターゲットは、20代の独身男性だった。
横浜市の本社にあった、この宝飾品販売会社の強引な商法で被害を受けたとして、各地で提訴があった。多くの購入者が「たまたま声をかけられ、「5年後に販売価格で買い戻すから貯金になる」と説明された。長時間の説得に根負けしローンを組んだ」と口をそろえる。いつか結婚したいとは思う。指輪を買っておくのはそう悪い選択ではない。しかし、突然の破産で、多くの若者たちが「貯金」を反故にされた。
ダイヤモンドの鑑定書は、トンネル会社を通って発行されているので卸値の5~6倍になっている。それほど品質の良いものではないのに高く評価されていた。鑑定書は法的になにもない。民間の鑑定会社が発行しており、御徒町あたりの甘い鑑定会社にはマージンを受け取る、といわれている。
利潤によっては動かされるのでは、鑑定書は何にもならない。アメリカには国家試験あり、信頼性がある。しかし、消費者にとっては『信頼できる会社』という感じを受け、疑うことはない。
流通ルートは安く手に入れ、高く売る。ダイヤのグレードあげ値段をつり上げていた。輸入業者から仕入れ、最初に鑑定会社にBランクと評価される。
しかし、もう一度、鑑定会社ではCランクで評価される、仕方なく輸入業者はCランクで貴金属卸業者に売る。そして貴金属会社からココ山岡へ行く、Aランクとして売る。もちろんココ山岡と貴金属卸会社、鑑定会社はつながっており、買い叩いて、Cランクで仕入れAランクで売る。
輸入業者は損をするが、ココ山岡は全国展開だからおいしい相手である。「からくりは知らなかった」というが、2度も鑑定するのはおかしいとは思っても、なにかいえる立場ではなかった。
信販会社はココ山岡の商法知っておきながら借金を付け回した。信販会社は破綻を知りながら積極的な販売を知っていたという疑いも。
信販会社のなかにはココ山岡の経営状況を知って撤退した信販会社もある、しかし、その後に新しい信販会社が参入してきた。この信販会社はココ山岡がバブル期の資産運営に仲を深めていったところ、消費者のローンの9割を広めるようになった。
何か恨があったと疑いもある、破綻を知りながら参入、販売を強めていった。買い取り保証はあくまでも、ココ山岡と消費者の契約なので関係ない。という信販会社の言い分である。輸入業者、鑑定会社、貴金属卸業者、ココ山岡、残った資産を身内だけでわけて倒産している。計画倒産の疑いも。消費者には信販会社のローンだけが残る。住友銀行系の信販会社と言われる。
アンケートを装った強引な勧誘
商売という印象を与えずに声をかけていた。アンケートといって誘って、声かけ役の若い女性が強引に誘いこむ、走って追いかけてくるケースも。
具体的商談は行わず、コミュニュケーションをとる、安心感を与える、友達感覚、鏡を使い商品をつけさせ、さりげなく話の主導権を移し、主任クラスに。
ダイヤモンドの美しさを徹底敵に畳み込む。買い得感を増長させる。褒めちぎる。横に座りつけた商品をとらせない。(高い値段設定)値段を提示し、渋い顔したら、決して無理は言わず、客の味方になりきる。
打ち合わせしている素振りを見せ『値下げできるかどうか、店長に聞いて見るわ』と店長が出てくる、特別な品を見せてしまったかのように、特別な印象を与える。『あなただけ特別この値段で』と客が買える値段を提示する。
最初から「この値段で売る」つもりの値段である。販売たちと一緒に友達のように喜ぶ、客に変わって値引き交渉する。反応を見ながら、話しを進め、見栄があるから断りにくい状況づくりを行う。
キャッチセールスまがいの商法
色気を使ってでも買わせなさい。色気を使ってマニュアルまである。男にはこういう話、話し方をしなさい。内部の勧誘マニュアルが存在する。
買った人にとっては、5年後に買った額で買い戻す、と言うのは重要な条件だった。『将来の結婚のために』をうたい文句に。いずれは結婚するのだし、買い戻すのであれば貯金だと思って買ってしまう。
多少借金したと思って、買う気が無かったのに100万の買い物をしている。結婚相談などカウンセリングを行ってからやる。男性には、結婚を話をだし言葉はいらない。結婚を考えいるように話す。「日を改めて食事でもどうですか?」と盛んにスキンシップ攻勢、胸元を見せ触らせる。薄着の女性によるキャッチセールスまがい商法、スカートが丈を短く、キャバクラ状態だった。
買い戻し特約。5年後に販売価格で買い戻す。
右肩上がりのときは成り立つが、ねずみ講紛いである。宝飾であるから、それ事態は生産価値があるわけではない、ゆえに客を永遠に増え続けるか、客が預けた5年間で何らかの方法(投資など)で利益を上げるか、仕入値の低いダイヤをごまかして高く売って利益を得るしかない。
どっちにしても危ないシステムであったことは確かである。100%の買戻しはココ山岡だけだが、次に買うときはその額に上乗せするケースも多く、下取りさせ、また買わせる。
1993年にバブル崩壊で、立ち行かなくなっていることは分かっている。それが1996年までやっている。
信販会社は手を引いているところもあり、計画倒産では?
組織ぐるみではない、個別の問題(強引な販売も含めて)と、ヒステリックな報道と否定している。商品はお客の手にわたっているので、被害者という言い方は当たってない。と主張しているが、商売道徳的にはかなり怪しい。
売買契約は成り立つのだが、「買戻し特約」がなされないのであれば、契約不履行なのであるが、信販会社との契約はまた別になっている。
ココ山岡がつぶれても信販会社との契約は生きている。商品のダイヤは客の手に渡っているのであるから法律的には何の問題もない。買った側は聞かされていた価値よりも劣なダイヤが手元に残り、ローンを払い続けることになる。「買い戻し特約」を前提に買ったのであるから支払う義務はない、と訴訟を起している。
「宝石を目の前にしてアンケート?」引っかかるほうが間抜けなのである、断ればいいじゃない、と言われればそうなのであるが、若くてきれいな女性にセクシーな服装でちやほやされて、触られ、結婚の話しなどを触れられたら、なかなか断れるものでもない。
特にふだん女性と接する機会もない男であれば簡単であろう。女性の方も1~2回のデートなら営業感覚であるかもしれない。
例え、相手がいなくて結婚ができなくても買い戻し特約であるならば、貯金の感覚であるかもしれない。ダイヤなのであるから資産価値があるという意識もある。経営者や幹部社員は、贅をつくした作りの建物、広大な土地など所有していたという。
計画倒産という疑いが持ち上がっても仕方がない。幹部に限らず、かなりずさんな経営をしていたという噂が、スキャンダラスな内容と含めて週刊誌などをにぎわせていた。負債額600億円とこの年の倒産では目立つほうではなかったが、道徳を欠いた販売方法と、ローンを抱えた被害者がたくさんいたことから、マスコミで注目を集めた。
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