ジニー・ロメッティ Ginny Rometty IBM CEO

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ジニー・ロメッティは、米Fortune誌が選ぶ「ビジネス界で最もパワフルな女性」の一人として長年ランクインしている。叩き上げのCEO。

ロメッティはノースウエスタン大学でコンピューター・サイエンスと電気工学を学んだ。システムエンジニアとして1981年にIBMに入社。92年にIBMが社内でコンサルティング事業を立ち上げた際の創設メンバーでもある。頭角を現したのは大型買収の成功によるところが大きい。IBMが2002年に会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)のコンサルティング部門を買収した際、事業統合までをリーダーとして仕切った。

報酬パッケージ3300万ドル(約36億2300万円)CEO報酬としてはただでさえ巨額だが、それが5年前の就任以降に売上高が減り続け、株主トータルリターンを0.1%に満たない会社にしているCEOの報酬額となれば批判もある。反転の兆しはあるものの、クラウドや人工知能(AI)といった成長分野がけん引する収益構造には移行できていない。5年半続く減収でCEOへの風当たりも強まっている。

アメリカ経済をけん引してきたこの巨大企業を率い、不採算部門の売却や業務の効率化(契約書を30ページから4ページに削減など)の大胆な業務改革を行うと同時に、積年の宿敵であるアップル社と組み、i-OSでのソフトウェア開発などに乗り出しています。

北欧系の血をひくすらりとした長身にブロンド、碧眼。若い頃には人目をひく美女だったと推察しますが、アップルのティム・クックCEOをして「恐ろしく頭がいい」と言わしめた頭脳とずば抜けたコミニケーション力で「ガラスの天井」をはねのけてきたと言われています。「ガラスの天井」資質・実績があっても女性やマイノリティを一定の職位以上には昇進させようとしない組織内の障壁のことを言います。

大きな買収案件としては「Red Hat」がある。2018年10月Linuxデュストリビューター大手の米Red Hatを約3.7兆円で買収する、取引は2019年下半期に完了の見込み。

IBMは1990年代に、ダウンサイジングの流れが起き、主力がメインフレームだったため「時代遅れ、過去の遺物」「滅びゆく恐竜」と呼ばれていた。業績は急速に悪化し、1992年49億7000万ドルの巨額損失を出す。年度の損失額としてはアメリカ史上最悪だった。

以来、ハードからソフトに転換を進めた。水平分業モデルのマイクロソフト、インテル、サン・マイクロシステムズ、オラクルなどが好調であったため、PC事業部 (IBM PC Company) やプリンター事業部など、IBM分社化が進められた。IBMは伝統的に終身雇用であったが、これを転換、世界に40万人いた社員を22万人までリストラを行う。

1993年にルイス・ガースナーがCEOに就任。不採算部門を売却、官僚主義を一層し、ネットワークEビジネスの会社に転換する。「選択と集中」によるコア事業への集中、非コア事業の売却が続き、現在はクラウドコンピューティングにシフトしている。

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