2015年には180店舗まで増えたヨーカドー。
現在125店舗ありますが、地方店を中心に新たに14店舗を閉店し、さらに3年で30店舗閉鎖し93店舗体制になることを発表しました。
株主からの利益の薄い百貨店、GMS形態のヨーカドーを切り離して、コンビニや食品スーパーに特化することを求められていした。市場からの圧力です。
のらりくらり交わしてきた感じですが、やっと動き出すた感じです。しかし相変わらずのグズグズ経営は変わらないようです。さっさとファンドなりに売却をすればいいはずなのですが。不採算店舗を閉鎖してからの売却かな。どちらにしろ西武・そごう百貨店と同じ道をたどるようです。
残った店舗も食品売り場以外は、不動産運営会社に売却、権利譲渡などして、食品に特化するようです。祖業であるアパレル部門も捨てる決断したことから、生活雑貨、文具・玩具、自転車、寝具、ドラックストアなども切り離すでしょう。
食品に関しても少し甘えがあったと思います。コンビニと連携できるプライベートブランド「セブンプレミアム」はいいとして、ナショナルブランドは競合他社より価格訴求で負けています。以前は高品質で、値ごろ感がありましたが、季節商品にしても価格差以上の付加価値はありません。野菜一つとっても消費者は敏感ですし、高いレベルの目利きができます。
そもそも、祖業がアパレルです。アパレルの高い利益率で食品も競争をしてきました。食品だけで見ると子会社であるヨークマートのほうが圧倒的に優れ、人材も揃っています。
鈴木敏文元会長がクーデターまがいの形で追い出されてから凋落が激しいですが、内紛はお家芸です。グズグズしているうちに、食品スーパーとしても立ち行かなくなり、ファンドに売られると予想しています。
22年2月期通期連結決算では、営業収益は8兆7497億円。小売業界ではイオンを突き放し10兆円も視野にはいってきています。ただこれは、海外のコンビニ事業が好調なためで、国内のヨーカドー、ファミレスのデニーズなどはトントンの状態です。
国内のコンビニ事業も頭打ちになっていますし、SNSでは「お弁当の底上げ」問題など批判的な感情が渦巻いています。消費者に愛さなければ、どんな企業でも先が見えてきます。
コンビニにおいてあるATM、セブン銀行もいまのところ好調ですが、他の銀行がコストの掛かるATM設置の受け皿になっているにすぎません。ATMの数などキャッシュレス時代では優位性は問われないかと。イオン銀行など後発のネット銀行より利便性は劣っています。そもそも電子マネー「ナナコ」と組合せても、商圏が狭すぎて勝負になりません。
外国人労働者の送金にはいいかも知れませんが、これも新しい金融、Pay Forexや口座が必要がないマネーグラムなどに置き換わっています。時間の問題でしょう。
2021年5月に買収した米国のコンビニSpeedwayが業績に大きく寄与しています。百貨店の売却、ヨーカドーの縮小、アパレルからの撤退は、これまでの総合小売業を目指す方針からコンビニ事業を中心に据えた戦略に転換することを決めたといえます。
従業員にとっては、それがいいかも知れませんよ。賃金も上がるでしょうし。
ヨーカドーで働いてたことがあるので、真っ黒に日焼けしたサーファーの紳士服売場の社員との会話を思い出します。彼がいうには「中国でアパレル製造工場を立ち上げたけど、ユニクロに売却してる」うまくやれば品質では劣らないのだから、と悔しがっていました。
確かに一時期、ユニクロ的な商品が並んでいた事があったんですけどね。アディタス、ナイキなどのスポーツ系、メジャーブランドならいいんですが、昔あったようなブランドに頼るようになります。ケントとかですね。
衣料品は祖業ですし、利益を上げきた成功体験もあります。なかなか諦めきれなかったようですが、追い込まれてからやっと決断に至ったようです。
が、この構造改革は何度も失敗をしている。西武・そうご百貨店のように、どうにもならなくなってから手放すことになりかねない。西武・そごうは3000億の借入があり、これ以上、支援はできない所まで来て、売却となっている。
ヨーカドーも駄目だと思っています。資産的価値があるうちに売却するべきだと思うのですが・・
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