エリザベス・ホームズ 「世紀の詐欺」セラノス創業者

人物

血液一滴ですべてがわかる。

血液検査のスタートアップ企業であるセラノス社とその創業者であるエリザベス・ホームズは、医療検査と診断に革命をもたらすとして称賛の的になった。しかし、同社の技術に対する疑惑が指摘され、連邦政府による調査が行われた後、ホームズは裁判の被告人になった。

シリコンバレー最大のスキャンダルと言われます。

シリコンバレーのユニコーン企業を率いる数少ない女性の一人であり、高く評価されていた。彼女は憧れていたスティーブ・ジョブズを彷彿とさせるように黒いタートルネックを身にまとい、休暇を取らないことが多かった。

スティーブ・ジョブズを意識して、常に黒のタートルネックのセーターを着用している。このためセラノス社の室内温度は、18度前後に設定されていた。

彼女の特徴である深みのある声も注目を集めたが、これは元セラノスの従業員の中には、ホームズが男性優位のスタートアップの世界にうまく溶け込むために作り上げたものではないかと考える人もいた。

アメリカの場合は、医療費が高額でそれを払えないことが個人破産の一番の要因なので、そうした背景から、安価で簡単に検査ができるというセラノスの技術も大きな魅力だった。

アメリカでは血液検査は独立の検査ラボで行われ、内容によって異なるが平均で1500ドル(約15万円)もかかる。保険でカバーされることが多いが、保険の内容によっては自己負担になる。検査ラボは大手2社が寡占状態である。

アメリカのGDPの17%もが医療費に費やされており、大きな社会問題になっている。医療コストを大幅に下げる技術や仕組みは、「世界を救う」ともてはやされた。

セラノスは、多くの採血量を必要とする従来の血液検査とは異なり、少量の血液でさまざまな健康状態を検査する方法を開発した。従来の血液検査に比べて、より安く、より速く、より正確であることも標榜されていた。ホームズは「エジソンマシン」と呼ばれる同社の技術によって、「誰もがすぐに別れを告げる必要のない世界」が実現すると述べた。ピーク時のセラノス社の評価額は90億ドルに上った。

2015年8月、アメリカ食品医薬品局(FDA)の調査官がセラノス社を訪れ、施設の検査を要求した。同じ頃、アメリカ保健福祉省のメディケア・メディケイド・サービス・センターは、セラノスの検査に重大な誤りがあることを発見し、同社が数十人の患者に疑わしい検査結果を提供したと述べている。

その2カ月後、ウォール・ストリート・ジャーナルのジョン・カレイロウは衝撃的な調査結果を発表した。それによると、セラノス社が提供している240種類の検査のうち、同社の「エジソンマシン」で実施されたのは15種類のみで、その他の検査は従来の血液検査機で行われたという。

アメリカ証券取引委員会(SEC)もセラノスの調査を開始し、2016年7月、ホームズは検査業界に関わることを2年間禁止された。同年末、セラノスは研究所とウェルネスセンターを閉鎖した。ホームズは2018年6月、司法省が彼女を詐欺罪と共謀罪で起訴した日に、セラノスのCEOを辞任した。

セラノス社は、複数の著名人を投資家や取締役として起用していた。巨額投資をしていた人物には、ニューズ・コーポレーションのルパート・マードック会長、トランプ政権の教育長官ベッツィ・デヴォス、ウォルマート創業家のウォルトン家のメンバーなどがいる。

役員には、ジョージ・シュルツ元国務長官、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官、ウィリアム・ペリー元国防長官、ジェームズ・マティス元国防長官、ウェルズ・ファーゴの元CEOであるリチャード・コヴァチェヴィッチなどが名を連ねていた。

ヘンリー・アルフレッド・キッシンジャー: Henry Alfred Kissinger 1923年5月27日生まれの100歳です。名前貸しでしょうね。悪名高い国務長官。

マードック氏、1億2500万ドル相当のセラノス株を1ドルで売却へ

ルパート・マードック氏が、苦境に立つ血液検査スタートアップ、セラノスの株式1億2500万ドル(約139億円)相当わずか1ドルで売却したとウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。

関係者によると、セラノスがマードック氏の株式を1ドルで買い戻した。同紙は、マードック氏がセラノスへの投資を損失として計上し、数百万ドルを節税するとの見方を示している。

一時はヘルス分野のスタートアップとして高い注目を集めたものの、プロダクトの精度に対する疑念で信用が落ちたセラノスにとって、今回の株式売買は新たな課題。マードック氏はセラノスの問題を最初に報道したウォール・ストリート・ジャーナルの親会社ニューズ・コーポレーションの会長を務めている。

マードック氏によるセラノス株の売却は、マードック氏が合意しなかった新しい株式制度をセラノスの取締役会が承認した後のことだという。新制度の下、セラノスは同社に対して訴訟を起こさないと約束した投資家にのみ、追加の株式分配を行う計画だ。これらの株式はセラノスのCEOで創業者のエリザベス・ホームズから直接与えられるという。

セラノスのディレクター、ダニエル・ワーメンホーブン氏はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、ホームズ氏を「無私無欲で、セラノスの成功に対するコミットメントを反映した品位がある」と称し、同氏保有の株式を手放す今回の決断を評価した。「新しい制度下で彼女の持ち株率が下がれば、セラノスに対するコントロールも低下するだろう」

ただ、マードック氏は、新たに株を受け取るよりも、保有する株式の売却を選択したとウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。

2018年3月、証券取引委員会と詐欺罪に関する訴訟で和解。ホームズはセラノスの支配権を放棄した上で株式の大半を返還し50万ドルの罰金を支払ったほか、ホームズが保有するセラノス株1,900万株の放棄、今後10年の間、上場企業の役員や取締役への就任を禁じる内容となっている。

2022年1月3日にはカリフォルニア州サンノゼの裁判所の陪審は、投資家に対する詐欺罪と通信詐欺罪3件の計4件について有罪評決を出した。裁判所は禁錮11年3月の判決を言い渡した。

映画になりそうな展開。なるでしょうね。

2003年、スタンフォード大学の化学工学科の2年生の時に大学を中退しての企業だから、19歳の女の子。医療ベンチャーだから「社会に貢献」したいとか、崇高な気持ちがあったに違いないでしょう。

「指先から、わずかな血液で200種類以上の血液検査を迅速で、安価に出来る医療ベンチャー企業」。近未来のSF映画っぽくて、現実離れしてないんでしょうね。社会に貢献できて、革新的な企業に投資できる。うまく行けば、テスラみたいに膨大な株式利益を上げることも可能である。

そう思った人々は、こぞって投資します。2014年6月、380億円を調達、時価総額は9000億円になった。

株式の過半を所有する彼女は「自力でビリオネアになった最年少の女性」として話題になった。だが翌年にフォーチュンは資産価値0とし「世界で最も期待はずれの指導者たち」の筆頭に。

セラノスの元COOのラメシュ・バルワニとの恋愛関係も実に、映画的です。泥沼の法廷闘争かな?と思われましたが、あっけなく判決がくだされます。

ホームズの弁護団は、メンタルな部分と、恋人だったCOOバルワニニ責任を押し付ける戦略を取りたかったようです。性的虐待を主張しだしました、しかし、バルワニは「断固として」否定している。

面白い展開ですね。

弁護団はさらに、彼女がセラノスの技術を売り込む際に用いた不当なマーケティング手法が、投資を確保するために製品を誇張するスタートアップの一般的な慣行に沿ったものだったと主張する。

こんなのシリコンバレーでは、当たり前だ。何が問題?という主張です。たしかにスタートアップには大風呂敷を広げて、実現がしなかった、失敗企業の大半です。

裁判の焦点は「陪審員たちがホームズが自分のやっていたことを知っていたと信じるかどうかだ」。裁判をより複雑にしているのは、最も重要な証拠になり得たはずの、セラノスのラボの検査情報が入ったデータベースが消えたこと。セラノスは、2018年7月にデータベースのコピーを政府に渡したが、その後、データベースを格納していたサーバを解体し、データベースを削除していた。

なにかの隠蔽工作が働いたのかもしれません。現役の政界の大物の関与を表面化恐れたのでしょうか?

社員の自殺

開発部門には、そもそもありもしない技術を「なんとしてでも作れ」という無理なプレッシャーがかかる。まじめな従業員が社内で異議申し立てをしても幹部は聞く耳をもたず、「訴訟」や「盗聴」などいろいろな脅迫手段を駆使して、情報を外に漏らさないように締め付けた。辞めさせられたり、良心の呵責に苛まれて自発的に辞めたり、自殺者も出るほどで離職率は異常に高かった。

セラノスの元主任科学者イアン・ギボンズが自殺しています。彼はエジソンの血液検査結果に欠陥があることに気づいていました。

セラノス取締役であるチャニング・ロバートソンが生物学者に欠点を指摘されると、イアンは解雇されたと言われています。すぐに再雇用されたが、降格をさせられました。責任を押し付けられた形になります。「特許」「知的財産」の絡みで、被告として弁護士はイアンを召喚され、自殺に追い込まれたと言われています。

権威と実績をもつ、ある年齢以上の男性がこぞって彼女を信じていきます。

彼女は、引き込まれるような大きな目の、なかなか見栄えのする女性である。最初は家族のつながりのある人から始まり、どんどん有名人の人脈を広げていき、会社の取締役にはヘンリー・キッシンジャー元国務長官など錚々たる大物が並び、ウォルマートの創業家やメディアの大物ルパート・マードックなどといった大物投資家を集めていった。

そして、「世界を救う」という目的に貢献したい多くの人の善意と、「シリコンバレーで大成功した初の女性創業者」というスターが欲しいという地元やメディアの期待が上昇気流となって彼女を持ち上げた。

セラノスの「事業パートナー」として、血液検査を店頭で提供することになっていた大手ドラッグストア・チェーンのウォールグリーンズは、「世界を救う」という理想と、自分が引けばライバルに権利を取られるという恐怖の両方に絡め取られ、セラノスのやり方はいろいろとおかしかったにもかかわらず、「途中で交渉を打ち切る」という勇気が出なかったという。

こういう勢いがついてしまうと、それに疑問をはさむ人は「悲観論者」「イノベーションを阻害する勢力」として切り捨てられてしまい、止めることがますます難しくなる。

 

自分が犯罪を犯している、悪いことをしている、今でも思っていない可能性があります。

最初は、志あったんでしょうけど、技術的な壁にあたって、嘘を付き始めるとどうにも、ならなくなった典型かもしれません。

社会病理的な傾向を持っている可能性があると分析されています。 社会病質者は良心のない人。社会病理的な傾向を持っている。そうした傾向の1つは病理学的な嘘です。スタンフォードを中退してすぐに小さな嘘をつき始めた女性かと。

嘘を言うのに慣れている人、嘘はずっと大きくなり、最終的には嘘と現実の境界線がぼやけてしまう。

操作的で不誠実で、共感に欠け、良心が弱い。それらの暗い特性は、しばしば共感と誠実を装った形で表面的な魅力で覆い隠されます。

日本のSTAP細胞の事件と共通する

日本でもSTAP細胞の事件がありましたが、共通点が多い事件です。どちらかといえば、お金より名声を求め他側面の強い事件ですが、似たような経緯を送っている。

エリザベスも小保方さんも非常に努力家とされていた。大学時代の恩師や指導教官にとても気に入られ、褒め称えられた。プレゼン上手で、周囲の人を即座に魅了するカリスマ性があった。また周辺状況として、組織が極端な秘密主義であったことや、「シンプルさ」も挙げられる。

いずれも事態が大きく動き、真実が明らかになりそうな局面で、人がなくなっているのも共通している。セラノス社員の一人が鬱状態に陥り亡くなる。STAP細胞事件でも、小保方さんを研究の最終段階で指導していた笹井芳樹氏が亡くなっています。

こちらの本から参考にしました。

 

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