入院は、3週間の予定です。
最初は入院で抗がん剤治療が始まります。
入院は2週間から3週間が一般的で、多剤併用化学治療というものです。3種類の抗がん剤を点滴するわけですが、エンドキサン、アドリアシン、オンコビンとプレドニンというステロイド(飲み薬)です。悪性リンパ腫のCHOP療法と言われるものです。
点滴は3時間半ぐらいですが、うち生理食塩水が2時間あります。プレドニンは投薬が終わってからも計5日間服用します。身体に抗癌剤が入ったら変化があるのかと思いましたが、変化はありませんでした。ひどい苦しみや吐き気を想像していたんですけどね。
入院2日目に、抗癌剤治療が始まります。
3種類の薬を点滴で入れるわけですが、朝夕食時にプレドニンという薬を飲みます。副作用を抑えるステロイドという説明だったんですが、これが苦くて、気分が悪くなります。胃がむかむかしてきて、薄っすらと吐き気がする感じです。横になっている以外ありません。
普段の採血では看護師がしてくれますが、内科の先生がします。血管にしっかり入っていないと炎症を起こすようで、血管外漏っていっていたかな。かなり念入りに左手の手の首のあたりに針を指しました。私は血管が見つけにくいらしく、看護師が採血するときもベテランの人以外は、うまく行かず手の甲から採血をします。痛いんですよね。
看護師さんもビニールの防護服のようなものを着ています。目にも透明のサングラスのようなものかけています。「曝露予防」と言っていました。3種類ありますから、点滴パックを取り替えるときなど、万が一の予防策なんでしょうが、物々しい感じです。
「ものすごい気持ち悪くなるのかな」と不安を感じますが、「だるく」なるだけでした。後からわかりますが、効果のない抗がん剤は、腎臓を傷めるだけで意味がありません。のちの治療で、はっきりと効果がある薬と巡り合います、その時は自分の身体にある癌がはっきりとわかります。吐き気が収まわらず、のたうち回ります。
このときの嘔吐は一度だけありました。次の日に病院内のコンビニに行った帰りのエレベーターの中で、胃が爆発しそうになり、汗が吹き出し、立ってられないくらいの寒気です。副作用を抑えるプレドニンというステロイドが、血糖値などを上昇させるようです。結構な量のステロイド(100g)なんです。寒気がするくらい気分が悪くなりましたが、それもすぐに治り、気をつけるようになってからはなくなりました。
最初、入院1日目に行った骨髄検査の影響で頭が痛いのかな?と思いましたが、退院して外来で受けたときも、鈍い頭痛が少しの時間あったので、やはり抗がん剤の点滴で頭痛がするようです。
骨髄検査は痛かったです。後でわかりましたが、経験がないスタッフだったようです。担当の先生も、外部の血液内科と連絡を取り合って治療を進めている状態ですし、数人のインターンの女性に抑えてられてしたんですが、うまくいかず、手術室から外科医が指導してやっている状態でした。ベッドで丸くなって静かにするしかありません。
3日目以降は、ひたすらおとなしく寝ているだけです。プレドニンも5日目で終わると、なんの問題もない感じですが、7日目から白血球が下がり始めます。これがいったん下がって上昇するまでは退院できません。私の場合、1300/µLまで下がりました。白血球がこの状態だと、通常、無害化できる細菌でも感染してしまうため、危険です。さらに3000/µLないと次の治療ができません。よくわかりませんが、プレドニンを内服している5日間はしゃっくりが止まらないこともあります。
白血球を上昇させるためのノイトロジン注射を3回うけました。皮膚の表面を打つような注射で少し痛いけど、骨髄検査に比べたら、痛みとも感じません。体感としてはなんともないので、病院内をウロウロしていたのですが、フロア以外あまり出歩くことを禁じられ、じっとしているほかありません。テレビはつまらないので、スマホのラジオと本を読むしかありません。
10日目を過ぎると、髪の毛が抜け出してきます。病院内のシャワーを浴びて、それに気が付きました。薄毛で悩む男性もいますが、それとは無縁だったため、尋常じゃない抜け方に、かなりのショックでした。
あまりの抜け方に、諦めもつきます。ごまかせるかな、なんとかなるかな?っていう感じでもありません。スキンヘッドになるしかないレベルだったので、病院にいる間は、ニットキャップをかぶり、退院してからバリカンを購入してスキンヘッドにしました。
精神的に辛いかったかな。口の周りの腫れも残り、耳の下辺りの腫れもあるため、これで髪がないとまるで妖怪です。退院して、感じたことですが、やはり入院は非常に体力が落ちます。動いてないせいもありますし、4人部屋だったため、長時間寝ているようで、疲れは溜まっている感じました。家に帰って2~3日は熟睡して、少しずつ体を動かす感じでした。
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