KONICA MINOLTA(コニカミノルタ)がちょっと心配、大丈夫か?
最終赤字が4期連続、買収した米企業が主因。2023年3月期決算で巨額損失を計上、1031億円の最終赤字に陥った。最終赤字は4期連続となる。
2020年30億円、2021年152億円、2022年261億円と年々拡大、1000億を超えてしまった。これで済んで反転攻勢できればいいのですが、そうは行かないようで、やばい感じです。
連続赤字を受けて、当初10円を予定していた期末配当は見送り。責任を取って大幸利允・社長兼CEOは4月から1年間、役員報酬を30%カット。山名昌衛会長も3カ月間、同じく30%削減する。
主力の事務機市場は衰退して傾向、海外企業の買収に活路を求めてきたました。2017年に3件の買収をしている。
官民ファンドの産業革新機構(INCJ)と共同で2017年、約900億円を投じて米国の遺伝子検査会社アンブリー・ジェネティクス社を買収したが、これがうまくいっていない。収益は上がらず、のれん代や無形資産の減損処理で1035億円のようした。
検査の低価格化に対応できなくなり、米医療業界の構造変化に対応できなかった。産業革新機構(INCJ)と共同買収、4割を保有している。コニカミノルタに売る権利(プットオプション)が設定されている。権利行使をした場合、コニカミノルタ側の損失が拡大する可能性がある。
Invicro LLC(インヴィクロ社)社は、プレシジョン・メディシン(精密医療)、創薬支援企業です。医療画像やデジタル病理分野において、複雑な生体情報を数値解析することで、バイオマーカー探索・設定の支援に関する豊富な実績を有する、医薬品開発支援業務受託機関です。
イメージング技術を用いた、がん腫瘍部の検出技術やアルツハイマー病の病理画像解析技術を有し、製薬企業にとって付加価値の高い創薬支援、治験・診断支援を、バイオマーカーを軸にして⼀気通貫に提供できるのが強み。
パイオニアとの協業のOLED照明は、パイオニアが香港の投資ファンドに買収されたことにより、合弁を解消、単独の子会社になっている。
2016年の買収で案件では、独・MOBOTIX(モボティクス)を手に入れているが、こちらも赤字。減損孫つは1166億円にのぼっている。
MOBOTIXは、ネットワーク監視カメラとビデオマネジメントソフトウェアのメーカー。監視用ビデオシステムは、カメラ本体で画像処理を行う分散処理型を採用することにより、サーバー容量を低減でき、トータルでのコスト効率が高いことが特徴です。
うまくいっている買収案件がない。コンサルの目利きが下手なのか?コニカミノルタ自体も事務機器から次の食い扶持、成長戦略がはっきりしていないところにも問題があるかも知れません。
2015年くらいに海外M&Aがブームになります。
コンサルや投資銀行が煽る感じ、怪しさも感じないこともありませんでしたが、衰退していく業界にとっては、海外に活路を見出すのは自然の流れで、致し方ない部分もあったかと思います。
この2015年くらいに海外M&Aは、うまくはいっていない。代表的なのは日本郵政による豪物流会社「トール・ホールディングス」を買収。国際物流に活路を求めたが、当初見込んだ利益を上げられず、わずか2年で大規模な減損処理を迫られた。買収額6200億円、減損が4000億円。現在も子会社だが、売却先を探しているといわれる。
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