アルツハイマー治療薬 エーザイが開発 承認へ

社会考察

日本の製薬会社エーザイがアルツハイマーの治療薬「レカネマブ」発売する。発売には米FDA(食品医薬品局)承認が必要で、世界に先駆けてクリアした。「アリセプト」以来、26年間、新薬は開発されてきたが、不毛だったアルツハイマー病治療薬にようやく新薬が誕生する。

の神経細胞が壊れるメカニズムの一つとして、「アミロイドβ」というタンパク質が、脳にたまることが考えられているのですが、このメカニズムに働きかける薬が「レカネマブ」です。 これはアミロイドβにくっつく抗体でできていて、アミロイドβを取り除くことで、アルツハイマー病の発症・進行を抑え、症状の悪化を防ごうという薬。

完全に治るというわけではなく、進行を遅らせるというもの、27%の進行抑制効果がみられた。

  • 「アリセプト」もエーザイが開発している。エーザイに勤めていた杉本八郎が、母の認知症を契機に開発を行う。会社から2度も認知症薬の開発を中止するよう厳命を受けたにもかかわらず、拒否し、5年以上の歳月をかけて、認知症薬アリセプトの創製に結びつけた。杉本八郎は高卒でエーザイに入社、6つある研究室の一つ、脳神経部門を任されていた。

    特許切れによりジェネリック医薬品にシェアを奪われたエーザイは、会社を支える新商品の開発を目指し新興企業のバイオジェンに協力してアデュカヌマブ、レカネマブの開発に成功している。

    「アリセプト」(1996年、米国で承認)が、エーザイが一気にグローバル化する。

今回できた「レカネマブ」は「アリセプト」のような対症療法薬とは違う。病気の進行に直接働きかける薬「疾患修飾薬」。これは画期的で、巨大製薬会社でも作ることができなかった。

世界的な予測によると3千6百万人もの人が認知症を患い、その40%は高所得国に暮らす。 OECD諸国全体では60歳以上の5.5%が認知症を発症している。

製薬会社にとっては巨大な市場であるし、メガファーマーと呼ばれる巨大製薬会社は、莫大な資金を投入してきたが、承認をクリアできる効果のある製品は作ることができなかった。

エーザイは、メガファーマーとよばれる世界の製薬会社でありません。規模では10分の1にも満たないが、小規模ながら研究開発能力はずば抜けている。

エーザイは肌荒れのときに飲む「チョコラBB 」などので一般にも馴染み深い製薬会社です。

現職は内藤晴夫CEO(最高経営責任者)。創業者一族がトップにつく同族会社であるが、内藤圭の持ち物ではない。内藤家の持ち株比率は、内藤記念科学振興財団を含めても1.5%。

家系的には晴夫の長女の婿であるアイバン・チャンが常務執行役におり、晴夫の息子の景介が2018年に幹部になり、2019年2月現在は理事職となった。他に親戚の内藤輝夫がいる。経営に関しては、同族会社では珍しく、社長以外に取締役と執行役を兼務するものは存在せず、取締役も過半数以上が社外の専門家(弁護士、教授など)となっており、完全に社長の意図だけでは経営できないようになっている。

創業者は、内藤豊次(初代社長:故人)、現社長、内藤晴夫の祖父にあたる。内藤豊次が、旧:東京田辺製薬(現:田辺三菱製薬)を57歳で退職し起業。

創業当初は、ビタミンEから始まり、ネオサンプーン(避妊薬)、チョコラシリーズ等を手がけていった。この“チョコラ”とは、チョコレートとコーラをもじったもので、チョコレートやコーラのようによく売れますようにと、願って考えたネーミングであると、2代目社長の内藤祐次(晴夫の父にあたり、2代目社長:故人)の著書にある。

内藤晴夫CEOが、父の跡をつぎ祖父が創業したエーザイの社長になったのは1988年4月、41歳の若さで社長に就任した。会社をついだ時、会社の売上はわずか1600億円。

1998年にアルツハイマー病の治療薬「アリセプト」でグローバルのマーケットで存在感を示し、業績は急上昇した。2020年3月期連結:7562億。国内6位

売上高に占める研究開発費の割合を見ると、医薬品産業は9.68%と、全産業の平均4.41%の2倍強だが、エーザイは、売上の約20%を研究開発費にまわしている。僧形から創薬にこだわった企業なので、開発力は高いが、総合的な部分でやや劣る企業である。

最初のアルツハイマー治療薬「アリセプト」が化合したとき、日本の製薬会社は独自のグローバル展開は無理でした。治療法のない新薬を武器に、欧米のメジャーと渡り合うことができます。

エーザイは2000年代に、危機的な低迷する。「特許の崖」と呼ばれる「2010年問題」が発生、エーザイに限らず、医療業界は価値以上に株価が低迷、混乱をします。

  • 2010年問題

    2010年に発生する、ないしはその前後に深刻化すると予想されていた社会問題であり、特定の年に起こる年問題の一種である。別個の分野における複数のものがある。

    医薬品の特許切れ
    製薬業界において2010年前後に大型医薬品(ブロックバスター)の特許が一斉に切れ、各医薬メーカーの収益に重大な影響をもたらすと懸念されている問題である。

    医薬品は特許制度によって保護されており、各社が特許申請し、認められた範囲の構造の化合物は、一定期間(通常20年)の間他社が勝手に製造・販売してはならないとされている。

    しかしこの期間が経過した後は、他社が同じ構造の薬を販売することが許されるようになる。こうした後発医薬品(ジェネリック医薬品)は、臨床試験の巨大なコストの負担がないため、先発品に比べて安く販売できる。1990年前後は大型医薬品が多く開発され、これらが医薬品メーカーの収益を支えてきた。

    しかしこれらの大型医薬品が2010年前後に特許切れして後発医薬品に置き換われば、開発企業の収益が激減する。

2000年代、エーザイは10年以上どの分野からも新薬できず、収益的に苦しい状況に置かれる。そしてアリセプトの特許が切れると売上が減少する。

2009年の8032億円が、2012年には3割減の5737億円となる。2014年にリストラを行い、埼玉県にある美里工場を武州製薬株式会社に譲渡した。一時期は、売り上げが低迷したが、抗がん剤「レンビマ」、抗てんかん薬「フィコンパ」などで、2017年度には、売り上げを6000億円台に回帰させた。

 

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