また、マーケットプレイス事業者の乱立化に加えて企業の広告予算抑制、ソーシャルメディア広告におけるTikTokの躍進といった現象もYouTubeにとっては向かい風になる。

ブランドの多くは、ソーシャルメディア施策を増やす構え。YouTubeは最近、SNSコミュニティやソーシャルハブの事業者というより、動画プラットフォームとして認識されている。と広告代理店は指摘する。

YouTube以外のプラットフォームへの出稿を検討するのではないか?広告予算が抑えられれば、企業は成長の機会を求めて効果の高いプラットフォームに費用を投入するはず。

YouTubeの広告収入は前四半期、前年同期比で1.9%減少した。これは、広告主の予算が緊縮傾向にあるマーケティング環境にも起因している。加えて、さらなる伸びが見込めるプラットフォームとしてマーケターや代理店に評価され、コンテンツ制作費が最小限ですむTikTokの影響も大きいだろう。

世界経済の先行き不透明感がYouTubeの広告事業収入の下振れ圧力となっているのは間違いない。

「YouTubeは過去数年間、ストリーミングサービス事業者や従来のTV局からマーケットシェアを奪うべく多大な努力を重ねてきたが、その間ブランド各社は、消費者の心をつかんだTikTokを試験的に利用して学習していた。YouTubeはやや準備不足で、対応が遅れたといえるかもしれない」。

米国で急成長を遂げるTikTokは、ほかソーシャルメディアを追い抜き、「動画コンテンツ視聴でもっとも人気のあるプラットフォーム」となった。

若年層、とくに広告主がアピールしたいZ世代に属する消費者に広く受け入れられている。FacebookもSnapchatも、以前に比べてZ世代に対する求心力がなくなってきたため、TikTok以外のソーシャルメディアを介してこの世代に働きかけるのは難しい。

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