ライザップが買収した会社、その後どうなった?

社会考察

欲しがり病?なんでしょうか。野心と自信家なのは伺えます。

トレーニングジム「ライザップ」の成功体験から、自分たちなら短期間での立て直しにより利益を上げられると過剰な思い込みがあったかな?撃って出た行動力は評価に値するものですが、残念ながら、結果は出せなかったようです。

そもそも「ライザップ」も「吉川メソッド」の模倣といわれています。功績があるとすれば、三日坊主ビジネスをコミュニケーション能力の高いトレーナーが頑張ったにすぎません。他のスポーツジムはかなり確率で、退会してしまいます。優秀なキャバクラ嬢の営業と同じようなものです。

ライザップはM&Aに積極的な会社です。瀬戸社長のところには、金融機関や赤字会社から買収の話が引きも切らずに持ち込まれていたそうです。買収企業数は、短期間で最大で85社にまで達しました。

トレーニングジム「RIZAP」をはじめ、健康食品・美容・アパレル・出版などさまざまな分野の子会社を持つ持株会社です。もともとは健康食品の販売を行う企業「健康コーポレーション」から開始しましたが、積極的なM&Aによって会社を急速に拡大してきました。

合法的な粉飾決算を利用して、M&Aを拡大させてきた。

短期間で増えすぎた買収企業数はかえって経営を圧迫が問題となり、2020年6月現在の主要子会社は約30社ですが、今後も整理を計画していることから、さらに減少する可能性もあります。

ライザップの手法は、業績の悪い企業を割安で買収し、そこで発生した「負ののれん」(純資産額より買収金額が下回った場合の差額)を割安購入益として、利益に計上するというものです。

これは、IFRS(国際会計基準)で認められているため粉飾ではありませんが、見かけ上は営業利益のかさ上げになります。2018年3月期の営業利益136億円のうち、74億円が割安購入益でした。2018年3月期は前期比100%超の収益増加を実現しました。売上収益は6期続けて増収、営業利益は5期連続の増益です。

その背景には、もちろん本業である美容・健康事業の成長がありますが、このIFRSでの「割安購入益」が大きいとされています。単純に、純資産額10億円の企業を3億円で買収すれば、7億円の割安購入益が発生します。

瀬戸社長は、赤字企業など経営の悪化した企業を買収してきました。割安企業です。それが続くと、財務リスクは上昇することが考えられます。その懸念から、同社の買収戦略を「赤字企業の爆買い」と指摘する専門家も多くいました。割安購入益計上は一時的なもので、将来にわたり成長(リターン)を伸ばしていくことが大事となってきます。

地雷を踏んでしまった。赤字転落の原因「ワンダーコーポレーション買収」

RIZAPグループは、2017年5月に繊維商社・堀田丸正の買収を発表後は、悲願となっていた札幌証券取引所から東証1部への上場に向けた準備を水面下で進めていて、業績見通しを左右する大型の企業買収を手控えてきました。

その後、子会社でコンプライアンス問題が発覚し、早期の東証上場は難しいとわかった時点で、再び買収へとアクセルを踏み込んだ、その対象がワンダーコーポレーションだったのです。

ワンダーコーポレーションは、ゲームソフトや書籍を扱う「WonderGOO」CD・DVD販売の「新星堂」などを北関東中心に全国展開していて、年間売上は700億円超(ジム売上は300億円弱)の会社ですが、傘下の新星堂が、CD販売市場の急縮小という逆風にあえいでいるところでした。

これが誤算を招きます。

2018年度の業績見通しに織り込んでいた、利益の押し上げが見込めなくなったのです、前述の「割安購入益」が見込めなくなったのです。会社利益を「割安購入益」が大部分を占めていたことによります。

売上高と営業利益をかさ上げできる「負ののれん」を目当てに、M&A案件の評価が甘くなっていた面もあるという指摘もあります。2019年3月期が赤字転落のきっかけとなったワンダーコーポレーションの再建計画は、在庫の評価損を計上したものの、「音楽CDの不振は今に始まったことではなく当然予測できたはずだ」という厳しい指摘もあります。

積極的にM&Aを行ってきた2018年3月期の有利子負債は768億円、自己資本比率は16.3%でした。

財務面での脆弱さは明らかで、買収した企業の再建が進まず、収益を上げられなければ、株価の下落や資金繰りの悪化につながりかねない状況にあったとされています。買収した企業を再建できなければ、「負の資産」は「負」のままで、本業収益をもむしばんでいくことは明らかでした。

ライザップのグループ企業

ジーンズメイトの買収

2017年2月、ジーンズを中心に衣料品を販売するアパレル大手「ジーンズメイト」は、M&Aによる買収でライザップグループに加わりました。ジーンズメイトは長らく競合他社との競争で後れを取っていましたが、プライベートブランド・新型店舗の開店によって2018年4月〜12月期には黒字化を果たしています。

24時間営業とかバカみたいな営業をしていたお店です。1900年代に急成長したベンチャーでしたが、もはや死に体です。ライザップが買収していかかったら間違いなく、倒産もしくは消滅していたでしょうね。

創業者の西脇健司ジーンズメイト相談役をはじめ、創業家一族の株式(所有割合は計52.62%)について公開買い付け(TOB)をした後、第三者割当増資の全株式を引き受け、ジーンズメイトの親会社になった。RIZAPグループの所有割合は63.99%となる。

5年間で75社をM&A。月に1社以上を買収してきた。「負ののれん」という手法で、急拡大をしてきましたが、どうにもならない音楽CDをメインに扱う新星堂で破綻します。

そこで外部から、松本晃氏を招集します。いわゆる「プロ経営者」ですが、1年で退任してしまいます。

松本氏は、ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長を務めた後、経営手腕をカルビー首脳に見込まれて、2009年に会長兼CEOに就任しました。コスト管理を徹底しつつも、ドライフルーツが豊富に入ったシリアル「フルグラ」を大ヒットさせ、業績をV字回復させた実績があります。

松本氏は、創業者の松尾一族が、経営へ口出ししないというコーポレート・ガバナンス体制を整える条件でカルビーにやってきて、11年間交渉してきた世界最大急の食品・スナック菓子メーカーのペプシコとの提携を成し遂げ、創業者悲願の上場まで果たしました

松本氏は2018年6月、ライザップの瀬戸健社長の要請を受け、2人目の代表取締役としてCOO(最高執行責任者)に就いた。しかし、同グループが買収を重ねた赤字企業の経営再建に手間どり、グループ全体が193億円の大幅な赤字に転落するなど、同社の経営陣は混乱が続き、松本氏は1年でライザップの経営から離れることとなった。今後は、同社の特別顧問となる。

1978年、北九州市でパン屋を営む両親の次男に生まれた瀬戸健(せと たけし)社長。24歳で結婚と同時期にライザップの前身「健康コーポレーション」を創業します。

「豆乳クッキーダイエット」「どろあわわ」などのヒット商品を生み出し、創業3年目、2006年の売上は24億円、4年目に100億円を超えました。その後ブームが去って業績が急降下し、高校時代の元カノを思い出し、徹底的に寄り添うことに特化したダイエットとして、2012年にRIZAP事業を開始したそうです。

最近、ライザップは新しいジム形態のちょこざっぷ(chocoZAP)をはじめました。24時間営業の無人ジムでは後発ですが、コスパ面ではかなり魅力的な設定となっています。これがヒットするか、少し疑問があるところですが、原点回帰は喜ばしいことです。

金融機関にそそのかされて、コングロマリット化を計画していたかも知れませんが、今のうち諦めて、本業で挽回してほしいものです。

ライザップが作ったコンビニジム chocozap(ちょこざっぷ)過去に小型スーパー「SHOP99」や老舗スーパーの「長崎屋」を傘下に収めていた「キョウデン」という会社がありました。

プリント基板の設計・製造などを手掛ける会社であり、キョウデングループの統括会社です。畑違いの流通業界を中心に経営破綻した企業の再生を引き受けていた。再生成功後に売却する投資再生事業が事実上の主業務となった時期がありましたが、今では本業に戻っています。

この会社は、橋本ひろし氏という個性的な方が。創業・経営していました。現在も株式を保有しながら、ラーメン屋さんや音楽活動をしているようです。この人のときも、銀行が暗躍したと噂されています。

 

 

 

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