韓国のカフェ文化 飽和状態だが世界3位の市場に

社会考察

韓国では街並みを見回すと、カフェの隣にカフェがあるというのが普通の光景で、異様な多さに驚かされます。

韓国国税庁の統計によると、2022年6月基準で韓国のコーヒー専門店は計9万463店舗で、前年比1万2920店舗増えている。10年で消費量が急激に上昇、売上ベースでは米国、中国につぐ世界3位となっている。

2018年の統計では、米国は261億㌦で圧倒的1位。中国も2007年は3億㌦から10年で7倍の51億㌦に拡大。3位の韓国も2007年は6億㌦から43億㌦に。人口から比較すると1人あたりのカフェ消費は米国を上回る。

韓国のチェーン店別では(2017年)、

韓国でも1位はスターバックス、26.8%のシェアを獲得している。1999年にできた梨大店が最初。外資系フランチャイズの進出が触発するかたちで、カフェブームが始まります。2013年~2014頃からはカフェ・ベンチャーブーム。

このカフェ・ベンチャーブームの担い手となっているのは、就職難で働き口が不足している20代、30代。少額の資本をもとに当ててやろうという若者が、カフェ業種に進出しはじめた。

2位はEdiya Coffee (イディヤ)10.4%。韓国に本拠を置くコーヒーハウスチェーン。

2019年の時点で、2001年に最初の店舗をオープン、韓国に3,000の小売店を展開しています。韓国内は飽和状態に陥り、海外市場に活路を見出すべく進出します。

2005年9月には中国の北京に支店をオープン、日本にも2015年に進出しましたが、2018年に撤退しています。中国市場でも国内勢との競争で苦戦を強いられています。低価格で人気のカフェですが、スタバの廉価版のような感じです。

Angel-in-us Coffee(エンジェル・イン・アス)

ロッテグループ傘下のコーヒーハウス・チェーン。前身は2000年に創業した「JAVA COFFEE」であったが、2006年に新たに「エンジェル・イン・アス」のブランドを立ち上げた。名称には、神様からの贈り物とも称されるコーヒーが、天使たちによってもたらされるだという含意が盛り込まれている。

店舗では、すべての家具や什器に無邪気な天使たちのシンボルが刻まれており、天国を思わせるような雰囲気というテーマ性が与えられている。

「ピュア・ロースト・システム (Pure Roasting System)」と称する、コーヒー豆の内部と外部を均等にローストし、コーヒーが豊かな香りとフレッシュな味をもつようにする焙煎を行なっている。アジア圏に進出しており、中国、インドネシア、ベトナムに進出。韓国国内では600店舗を展開している。

A Twosome Place

韓国に拠点を置くコーヒーハウスチェーン、2020年まで CJ グループの CJ Foodville が所有していました。2020年に Anchor Food Group が所有しています。アンカーフードは、ニュージーランドの乳製品を扱うグローバル企業だと思いますが、ちがうのかな。

韓国に1000店舗、海外45店舗を構えています。中国市場でのFC拡大がうまくいっており、30店舗を運営している。

デザートが評判になるカフェ。コーヒーや紅茶などの高級ドリンクや、ムース、ティラミス、クレームブリュレなどのデザートを幅広く取り揃えている。

韓国でカフェの売り上げが急増した理由は、嗜好食品であるコーヒー消費が、習慣化、日常化したことに付きます。平たくいえば豊かさが享受できないと成り立ちません。

くわえて、カゴン族(カフェで勉強をする人々)。カフェを利用して勉強や作業をする人たちが増加、コーヒー消費と結びつたことに要因がある。

日本でもブームになるとあちこちに、同じようなお店が出来ますが、韓国の急速な勢いで増殖し、急速に廃れる、スピードと飽和には驚かさられます。少し前まではチキンがブームだったかな。

脱サラでカフェを開く人も多いといいます。本格派を目指さないのであれば元手や技術は多く必要ないため、敷居は低く、初期投資も低く、低資本で開業できる。しかし、当然のことながら継続は難しい。

2021年には、14813店が開店、コロナ前と後では経営形態に変化がみられています。カフェスペースが殆どないテイクアウト、配達専門店が30%を占めている。

カフェは文化的側面もあるから、他のブームと違い廃れるリスクは少ないが、供給過多では淘汰は避けることはできない。3年間での新規店舗の廃業・撤退の割合は26.5%となっている。

もう少し高い割合かと思いましたが、需要が旺盛なのかも知れません。日本の人気業種・ラーメン店は、開業から1年以内に閉店するラーメン店は40%、開業から3年以内では70%が閉店している。生き残れるは30%とほぼ無理ゲーです。

スタバも日本とほぼ同じ店舗数ですが、人口比率化では2倍以上のお店があることになる。飽和状態の市場でシェアを圧倒しているのは、未成熟だったコーヒー文化が転換期と重なり、リーディング企業という側面も強い。お手本のようなものなんでしょう。

コーヒー好きに羨ましいかも。経営している人は大変かもしれませんが、気軽は入れて、少し長い時間いられるカフェはないかも。スタバは人目が気になるし、ドトールは激混み、サンマルクとタリーズくらいかな。コメダはカフェじゃないし。

社会考察
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました