中国の美的集団、スウェーデンの老舗エレクトロラックスに買収を打診というニュース。
エレクトロラックスは提案を拒否の模様とあります。エレクトロラックスに関して中国の他の企業も関心を示しており、いずれ買収される可能性が高いとされています。が、米国が対中強行姿勢のため、少し微妙な観測です。
中国の家電メーカー美的集団(ミデア・グループ)は、東芝の家電部門を買収したことで有名ですが、世界的にはドイツの世界4大産業用ロボットメーカー・クーカを買収したことが驚きを持って伝えられました。スイスのABB、日本のファナック、安川電機についでのシェアでBIG4とされています。
東芝の白物家電事業は、お荷物といわれ慢性的な赤字体質でしたが、美的に買収されてからは好調を維持しています。東芝は総合家電の看板をおろし、医療分野はキャノン、ノートパソコンはシャープ、テレビ事業は中国ハイセンス、メモリ事業は分社化されてキオクシア。ほぼ増収増益し順調に推移しています。
無能経営者の元を離れ、硬直的な組織から開放されると生き返る良い例ですが、特に中国企業は経営判断のスピードが早いといいます。東芝は中核事業をすべて手放しましたが、空調、エレベーター、証明と半導体のキオクシア、売上3兆3898億円。分割案で揉めていますが、ちゃんと解体したほうがいいかもしれません。
美的はエレクトロラックスの友好的買収を提案しているようです。今回は観測のようなものかもしれませんが、ちょっとした経営の下向きで一気に進むかもしれません。スェーデン企業では、自動車のボルボが乗用車部門が中国企業の買収され、堅調に推移しています。
エレクトロラックスも東芝と提携して「Electrolux by TOSHIBA」を2006年まで展開していました。
1910年にエレクトロメカニスカとしてスウェーデンで発足し、1919年にラックスと合併してエレクトロラックスが誕生します。家庭用電気掃除機(1912年)ノンフロン冷凍冷蔵庫(1993年)を世界で初めて発売した企業です。
デザイン性の優れた老舗白物家電企業ですが、M&Aにも積極的です。
2015年 GEの家電事業の買収を発表(その後断念)
2016年 ワインセラー大手のVintecを買収
2017年 飲料ディスペンサー機器製造のグラインドマスター・セシルウェアを買収
2017年 米国の調理家電メーカーであるAnova Applied Electronicsを買収
2019年 業務用エスプレッソマシンメーカーの仏UNICを買収
2020年 業務用家電事業をElectrolux Professionalとして分社化
2021年 家電修理会社の仏La Compagnie du SAVを買収
スウェーデンを代表するウォーレンバーグ家が大株主に連ねています。売上高1兆5000億の規模ですから、中国企業の標的にされやすいかもしれません。
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