がんリスクは赤身肉。鶏肉にはありません。

癌予防

「食の欧米化」が大腸がんのリスクを増加させていると言われています。しかし、アメリカで大腸がんの患者さんが増えているのかというと、実際は罹患率も死亡率も減少しています。なぜならアメリカでは、がん検診の受診率が非常に高いからです。つまり、牛肉や豚肉、加工肉を食べていても、きちんと検診を受けているので、早期に発見することができているのです。

ガンとの相関関係が指摘されているのは、赤身肉です。

肉食によって大腸がんのリスクが高まるって本当? 発がん性の理由を消化器の専門医に聞く

肉食と大腸がんのリスクには相関関係があることが示されています。国立がん研究センターが過去に行った研究によると、「赤肉の摂取量が多いグループで女性の結腸がんのリスクが高くなった」「肉類全体の摂取量が多いグループで男性の結腸がんリスクが高くなった」という結論が得られています。

※国立研究開発法人国立がん研究センター「赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて」

赤肉とは、一般的に牛肉、豚肉、羊肉のように見た目が赤い肉のことを言います。赤肉には亜鉛とヘム鉄が多く含まれており、亜鉛は大腸がんのリスクを軽減する働きをしますが、反対にヘム鉄は大腸がんリスクを上げてしまうことがわかっています。

ハムやベーコン、ソーセージなどを加工する過程で、硝酸塩や亜硝酸塩などの添加物が使用されます。これらは、加工肉の鮮度維持や防腐を目的として使用されるのですが、これらに発がん性があるため、大腸がんのリスクを上げるとされているのです。これは大腸がんだけに限らず、がん全体のリスクが上がります。

2007年に改訂された「世界がん研究基金(WCRF)」と「米国がん研究協会(AICR)」による報告書では、赤肉の摂取量は週に500g未満にすることを推奨しています。硝酸塩や亜硝酸塩を含まない無添加の加工肉も販売されていますから、そういったものを選び、食生活を見直すことが必要です。

鶏肉は赤身肉(牛肉・豚肉)や加工肉(ハム・ソーセージ)と比べて大腸がん発症のリスクが低い。

鶏肉は赤肉ではない。赤肉や加工肉に比べて、大腸がんの発症リスクが低い理由となっています。これまでの研究により、鶏肉には大腸がんのリスクが赤肉に比べて低いだろうとされています。かつて、国立がん研究センターが行った研究によれば、牛肉、豚肉、加工肉は結腸がんのリスク上昇と関連性が認められたのに対し、鶏肉は優位な関連は認められなかったということです。

鶏肉は赤肉に比べて低カロリーで、脂肪が少なく、良質なタンパク質を多く含みます。「脂肪が多い肉を食べると大腸がんや乳がんのリスクを上げる」ということも、これまでさまざまな研究で明らかになっており、その点、低脂肪でヘルシーな鶏肉は、がんのリスクを上昇させることがないだろうと言われています。

揚げた鶏肉ばかり食べていては脂肪分が高いので注意が必要です。鶏肉は高タンパク低脂肪でとても優秀な食材です。ただ栄養面では、少し劣ります。牛肉や豚肉、羊肉などの赤肉には鉄分やビタミン類などが豊富に含まれています。

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