俳優ケビン・スペイシーが復活しそうです。
クロアチア初代大統領に選出された、フラニョ・トゥジマンを描く作品にキャステングとニューヨーク・タイムズが嫌味を含めて伝えています。「バルカン半島地域の独裁者の映画に対する興味を高めるための処方として、ケビン・スペイシーがキャスティングされた」と。
2021年にフランコ・ネロ監督によるイタリア映画「L’uomo che disegno Dio(原題)」に出演したのをきっかけに俳優としての活動を再開。「Peter Five Eight(原題)」と「Gateway to the West(原題)」という2本の主演作も決まり、ハリウッドへの本格復帰を図っていたが、2022年6月、英国検察が正式に訴追。英国だけで5件の性的暴行容疑で裁判を受ける予定だが、最近7件の容疑が追加された。
スキャンダルが発覚したのが2017年10月、すぐに刑事告発されたが、被害を訴えた男性が証拠を隠滅したため、告訴を取り下げている。今回は英国の裁判となるが、どうなるか不透明なのは否めない。
映画『アメリカン・ビューティー』『ユージュアル・サスペクツ』、政治ドラマ『ハウス・オブ・カード野望の階段』などで有名な演技派俳優だが、2018年、セクハラ疑惑に巻き込まれてハリウッドからはは追放されてしまった。
しかし、奈落に落ちたスペイシーは最近、映画の一部に声優として機会をつかむなど、復活の兆しを見せている。トゥジマン元大統領役で主演を務めるのは、彼の本格的なスクリーン復帰になる見通しだ。
フラニョ・トゥジマンという人物は論争的だ。1922年生まれの彼はクロアチア分離独立に赫々たる功績を立て、1991年にその功労でクロアチア初代大統領に選出された。クロアチア国際空港の名前も彼にちなんで「フラニョ・トゥジマン国際空港」であるほどだ。
しかし、「クロアチア建国の父」として崇められていた彼は権力の座に就いた後、独裁者の道を歩む。マスコミを統制し、野党を弾圧し、独裁を越えて王権に近い権力を振るっているという批判を国内外から浴びた。辛うじて1997年の再選に成功したが、翌年がんで病死した。
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