1967年に発表された『百年の孤独』は世界中に、ラテンアメリカ文学ブームをもたらしました。文字による芸術の最高峰の作品「20世紀文学の最高傑作のひとつ」と高く評価されている作品です。
ある種の読みづらさはありますが、難解さはありません。「高尚なテーマを取り扱っている」と考える人いるようですが、本作の題材はいたって通俗的。
序盤から「ノストラダムスの大予言」が出てくる。登場人物はそれを真面目に信じている。読み終えるとその予言のカラクリに驚かされる。
性についても、序盤の男性主人公というべき初代アウレリャノは、こともあろうに9歳の童女に恋してしまい、婚約まで交わしてしまう。それをさえぎる法もなければ、モラルもない。一方で、近親婚は許されず、それがため一族のある者は不幸の中に生きることになる。
この『百年の孤独』のもっとも優れている点は、どのページ、つまりどの世代の物語にも読みどころがあるところだ。長編小説となると、ついつい中だるみしてしまったり、作者にとっては大切だが読者にとってはどうでもいい場面があったりするのだが、本作にはない。
「百年の孤独」映像化Netflixで配信。2019年
作品「百年の孤独」をスペイン語で映像化し配信すると発表した。
コロンビア出身の作家、故ガブリエル・ガルシア・マルケス氏の代表作「百年の孤独」をスペイン語で映像化し配信すると発表した。
1967年に発表された「百年の孤独」は数世代にわたる家族を描いた作品。世界各国で翻訳され、20世紀で最も大きな影響を与えた作品の一つに考えられている。
ネットフリックスのシリーズ作品では、マルケス氏の息子2人が製作責任を務める。撮影は主にコロンビアで行われる。息子2人は発表文書で、マルケス氏は「百年の孤独」の権利を売ることに長年消極的だったとした。映画には時間的制限があることや、スペイン語以外の言語での製作は同作の内容を十分に表現できないと考えていたことが理由だという。
しかし、現在ではテレビが新たな黄金時代を迎え、世界の視聴者が外国語の作品を受け入れていることから、「Netflixが提供する驚異的な規模の視聴者に脚色作品を発表するのに、これ以上適した時期はない」と説明した。
マルケス氏は2014年に87歳で死去した。「魔術的リアリズム」の旗手として多くの作家に影響を与え、1982年にノーベル文学賞を受賞した。
1967年にガブリエル・ガルシア=マルケスによって発表された『百年の孤独』。一族が発展して滅亡するまでの百年を描いた物語です。その間に巻き起こる幻想的なできごとは世界中の人々を魅了しました。
物語の始まりはコロンビアの小さなコミュニティ。
血縁同士の婚姻が横行しており、奇形児が生まれていたことがきっかけになっています。そこでホセ・アルカディオは妻とコミュニティを飛び出し、マコンドという村を形成するのでした。そこで近親同士の結婚を禁じる家訓を残しますが、長い年月の内にその家訓が破られることになるのです。
本書は幻想的世界観が魅力となっています。純粋なファンタジーではないのですが、ファンタジー小説のように何が起こっても不思議ではない話になっているからです。たとえばレメディオスという娘は発育障害のようにおつむの弱い存在として書かれていますが、村中の男性を虜にする魔力のようなものを秘めています。
その娘がまるで神の意思のように空へと昇天していくファンタジーのように不思議なシーンはその魅力を象徴するシーン。そのようなことがなんの前触れもなく起こってもまったく不思議のない世界観が、小説に独特な魅力を添えた幻想的な物語となっています。
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