難解で謎めいた寓話『イニシェリン島の精霊』

映画

『スリー・ビルボード』のマーティン・マクドナー監督作品。

本土が内戦に揺れる1923年、アイルランドの孤島、イニシェリン島。島民全員が顔見知りのこの平和な小さい島で、気のいい男パードリックは長年友情を育んできたはずだった友人コルムに突然の絶縁を告げられる。急な出来事に動揺を隠せないパードリックだったが、理由はわからない。

賢明な妹シボーンや風変わりな隣人ドミニクの力も借りて事態を好転させようとするが、ついにコルムから「これ以上自分に関わると自分の指を切り落とす」と恐ろしい宣言をされる。美しい海と空に囲まれた穏やかなこの島に、死を知らせると言い伝えられる“精霊”が降り立つ。その先には誰もが想像しえなかった衝撃的な結末が待っていた…。

高い評価を受けている作品だったので、期待して鑑賞したのですが、ちょっとがっかりな感想です。川崎の映画館で鑑賞しましたが、客入りは半分くらい。老夫婦、中高年ばかりで若い人はいませんでした。

よくわからん。映像は素晴らしいけど、「イニシェリン島の精霊」?何が?って感じです。

おじさん2人の小規模な諍いの話です。派手な展開はなくて、ずっと不穏な空気が流れます。寓話であることは確かです。あり得ない大人の喧嘩話ですから。教訓めいていて、アイルランド内戦の比喩なんだろうけど、日本人には馴染みがない。誰も幸せにならないし、動物の残酷な場面があります。

疲れてしまう映画でした。

アイルランド内戦

1921年12月6日に締結された英愛条約とアイルランド自由国の建国を巡って、アイルランドで行われた内戦。アイルランド自由国はアイルランド共和国の前身である。反対者たちはアイルランド自由国がイギリス領内の自治国(ドミニオン)に留まっていること、そして北アイルランド6県が自由国に含まれていないことに反発していた。

内戦で取り上げられた問題は今日の北アイルランド問題の根幹をなしており、その傷はアイルランドの政治にも大きな影響を与えることになった。

映画
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