ディズニーの憂鬱 アップルの買収観測?

社会考察

アップルがディズニーの買収?

アップルに限らないことですが、ディズニーに対して買収観測というものが再び聞くようになりました。こういったものは株式市場の関係者が思惑とともにあるため聞き流していいレベルのことですが、ここ最近のディズニーのネガティブな話題が好転しない限り続くのかと。

フロリダ州では「賢いトランプ」とよばれる大統領候補・デサンティス知事と激しい対立が繰り広げられています。大統領選挙の結果次第では、追いつめられてどこかと合併買収はない話ではないかも。

動画配信サブスク・Disney+(ディズニープラス)の大幅減

加入者数が世界的に減少傾向が鮮明に。2023年四半期で400万人以上を失っている。全体の加入者数1億5780万人となっているため微減ですが、Netflixが巻き返しているため際立ちます。

Netflixの2億3075万人で圧倒的、ワーナーがてがけるNBO Maxには6390万人ですから、まだまだアドバンテージがあります。

Disney+は、外出が規制されたコロナ禍の恩恵をうけ、2020年には8680万人に増加、数年以内に王者・Netflixを逆転するのでは?とも期待されていました。

Netflixは、2022年に10年ぶりに加入者数が減少、株式市場にもショックを与える話題で、上昇トレンドが終わったことを意味しました。そでもNetflixは、業界では蔑まされた地位から、のし上がった企業です。宅配レンタル事業が祖業、映画会社からはゴミ作品を押し付けられたりと立場の違いは明らかでした。

ドライで体育会系実力主義とNetflixの表現している人もいましたが、対応の速さは流石です。すぐに低額広告プランなどで巻き返し、増加に転じています。対して、Disney+は減少に歯止めがかからない。2023年四半期、北米地域は30万人の減少となった。

北米地域では市場の限界、飽和状態に達していると思われ、さらにインフレや景気後退の気配からサブスクの選別が消費者は加速している。これからは成熟市場では、長期的に利用者をつなぎとめる作品の質と単価の上昇、未成熟な市場では開拓する他ないのだが、ディズニーは戦略を描けていないのかも知れません。

Netflixは、世界共通のシンプルなサービスを提供できるが、Disney+はちょっと複雑。

ディズニーは2019年、ルパード・マードック率いるニューズ・コーポレーションから分離していたエンターテイメント部門・21世紀フォックスを部分的買収を行います。買収できなかったのは、テレビ放送・FOXテレビ関連。

米国のテレビ業界は、NBC、ABC、CBS、FOXがBIG4と呼ばれていますが、ディズニーにはABCがすでに存在します。買収はコムキャストと競争になりますが、コムキャストもNBCがあり、どちらにしてもFOXテレビはルパードマードックのもとに残ることに。

「白人至上主義者のためのテレビ局」と揶揄され、君臨したのロジャー・エイルズ・CEOの人気キャスターセクハラ問題に発展します。ディズニーは関わることがなく幸でしたが、この買収により巨大化することの弊害をもたらします。

買収によりディズニーが手にした資産は、20世紀フォックスの映画及びテレビスタジオ、ナショナル ジオグラフィック・パートナーズの株式の73%、インドのテレビ局のスター・インディア、Huluの株式の30%など。

Disney+を支えていたのは、フォックス買収で得たインドのテレビ局スター・インディア。この曲が手掛ける動画配信サービスHotstar(ホットスター)が大きく貢献していました。現在はディズニー・スター名前を変更している。

人気のあったサービスでしたが、人気スポーツ「クリケット」や他社の映画をHotstar(ホットスター)から受け継いだプラットフォームでは維持できず、解約がDisney+の減少の大きな一因となっている。

米国ではDisney+とHulu、スポーツ専門チャンネルESPNのアプリ統合を行い、セット料金の割引も発表されています。が、日本では、Huluは日テレが運営しているためできない。色んなところで些細なちぐはぐが生じており、ディスカバリーチャンネルなど優良コンテンツ・チャンネルは、今のところ無駄になっている。

さらに最悪なのは、公開した作品は大ゴケばかり。

キャメロン監督の「アバター」の続編は興行的に成功を収めているようですが、実入は少ないといわれています。それ以外は惨憺たる状況です。

「ムーラン」2020年

コロナ禍の影響をうけ、劇場公開が出来なかった作品。Disney+を価値を高めましたが、劇場公開しない流れを作ってしまい AMC、シネマークなどの大手の映画館チェーンを敵に回すことに。

製作に5年の歲月と製作費は2億㌦もかけていますから、やむを得ない選択だったと思います。内容もフラットな気持ちで見れば、非常にいい作品で楽しめます。

が、コロナを広めたのは中国、米中の対立も始まっていましたし、嫌悪が広がる中での、中国人を目当てにした媚びた作品づくりは、致命的な間の悪さです。

Disney+の有料配信で賛否を呼びますが、中国人にみてもらいたい作品ですから、中国では劇場公開に踏み切りました。これが様々理由で興行的には失敗してしまいす。

前年の2019年、香港で民主派による逃亡犯条例案に反対するデモが激化します。このとき、ヒロインを演じたリウ・イーフェイ(劉亦菲)は、暴力的に弾圧する香港警察を支持する発言をしていた。

民主化を求める人達からは怒りを買います。ボイコット運動が拡大することに。

ならば、圧倒的な数をしめる体制側の人達が支持するかと思えば、リウ・イーフェイ(劉亦菲)は中国人ではあるが、両親ともに米国籍を取得しています。この辺が中国らしい思考ですが、裏切り者と映るようです、しかも米国を象徴するディズニー作品。援軍は現れませんでした。

さらに、撮影場所が新疆ウイグル自治区だったことが暴かれます。英BBCは、エンドロールには治安機関に感謝のメッセージがあったと指摘。少数民族迫害を容認するディズニーに批判が上がります。

「ラーヤと龍の王国」劇場公開日は2021年3月5日、Disney+プレミアアクセスで同時公開した。

それまでは、劇場を運営する映画館チェーンとの協定で、公開後45日間は配信はしないという取り決めがあった。この作品を契機に取り決めは破られ、関係性は悪化してしまう。前作のムーランは劇場側も主要都市は閉鎖されていたため、それほど問題にはしなかった。

2021年6月4日までは有料のチケット購入で見ることができ、以降は加入していればオープンに。制作費は1億㌦以上かかったと思われるが、回収できたのは半分にも満たなかった。

「ミラベルと魔法だらけの家」2021年11月24日に米国で劇場公開。30日経過後にDisney+で配信される。4年振りの新作オリジナル・ミュージカル映画となり、長編アニメ映画60作品目となる。

この作品は成功を収め、北米で9610万㌦ その他の地域で1億6,040万㌦ 全世界で2億5,650万㌦の興行収入を記録。制作費が1億2000万㌦以上といわれ、黒字収支ラインは3億㌦ 少し足りませんが、配信を考慮するとギリギリ黒字でしょうか。

「バズ・ライトイヤー」2022年7月1日に劇場公開、ディズニーピクサーとしては2年部の新作で期待値も高く、人気作品のスピンオフ、確実に置きにいった作品でした。

日本では10億円の興行収入を記録し、コロナ禍でもヒット作に躍りでます。しかし、興行的に良かったのは日本だけで、重要視される北米での興行は振るわず、大コケとなってしまった。損失は1億㌦以上とも。

『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』日本と米国では2022年11月23日に公開。Disney+では1ヶ月後の12月23日に配信を開始。

LGBTQキャラクターが出演することから中国、中東などでは公開が見合わせた。

ゲイ&黒人の少年を主人公にした初のディズニー映画ということで話題を集めたものの、あまりの評判の悪さで、ディズニー史上記録を更新する赤字作品。

制作費は1億8000万㌦で、損益分岐点は3億6000万㌦と予想されており少なくとも1億㌦の損失が出る見込み。

「賢いトランプ」ディズニーがフロリダ州知事を提訴 性的少数者めぐる対立激化

大統領選挙にも立候補しているフロリダ州知事・ロン・ディオン・デサンティス。

ディズニー VS デサンティス知事の対立は、性的マイノリティーを廻る学校教育の場で制限する州法にディズニーが反対したことに始まります。

この法案に対して、ディズニーは性的マイノリティーの権利を重視する姿勢を示し反発。デサンティス知事は報復として、フロリダ州にあるディズニーワールドの優遇措置を取り消しに動く。ディズニーは訴訟で対抗しつつ、予定していたコーポレートキャンパスの建設を一時中止に。

コーポレートキャンパスとは、大学キャンパスのようなオフィス環境で郊外型と都市型がある。いずれも緑の植物を多用している。カリフォルニア州につくったアップル本社「アップルパーク」が先駆けで、ディズニーは10億㌦建設費を予定していた。

デサンティスは伝統的な価値観を重視する共和党の知事、リベラルな主張を「過激な左派」だと強烈に批判してきた。

性的マイノリティーの権利を重視するディズニーとの間で起きた対立は、大統領選を意識したデサンティスが仕掛けたといわれます。すでに1年以上、激しくやり合っていますが、巨大施設を抱え身動きができないディズニーは、応戦しながらも選挙戦などの動静を注視しながら、という感じのようです。

フロリダ州にあるディズニーワールドは1971年に開園します。

とりわけ強みのなかったフロリダ州には、誘致を引き換えに特別な優遇を与えます。ディズニーは要求ができる立場を利用して、あらゆる特権を固定化していきます。

巨大な敷地内、周辺のディズニーが関わる建物には、規制当局の介入を許さず、事前計画なども必要がない。時間と資金の大幅な節約となり、競合のテーマパークにはない恩恵を享受しています。

いずれ去る知事と対立したところで、他の場所に行くことはありません。別の場所に移ったところで、特別な自治権は与えられることはないでしょうし、新たなテーマパークを建設するとなると費用は天文学的な数字になります。

 

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