楽天のモバイル事業は5000億の赤字を計上し、苦境は明らかですが、これはいずれ撤退という形でKDDIに譲渡するのかな?
そんな流れの感じとは思いますが、楽天グループは他の事業は好調にも関わらず、モバイル通信事業が足かせにとなり株価は大幅に下落しています。結果、手を繋いでいた日本郵政が850億円の特別損失を計上となりました。
2021年3月、楽天との資本・業務提携を発表し、楽天に約1500億円を出資。取得時の株価は1株1145円だったが、6月末の終値は、499円と取得額の50%以下となっていた。
汗水流して荷物や手紙を配達し、ほとんど社員にもなれず、低賃金のままこき使われ、挙句の果ては過酷な営業ノルマや自爆営業。末端で働く人達にとってはご愁傷様です。
日本郵政は楽天と何をしたかったのか?
2020年に楽天のモバイル事業は1141億円の巨額赤字を計上、救済的色合いが強かった資本業務提携でした。楽天が実施する第三者割当増資約2400億円のうち約1500億円を日本郵政が引き受け、中国ネット大手のテンセントが約660億円、米小売り大手のウォルマートが約170億円を出資。
楽天は全国の郵便局約2万4000局を楽天モバイルの契約窓口や基地局の整備・拡大に利用できる。NTT、AU、SoftBankの店舗数は2000前後、郵便局窓口を利用すれば一気に逆転できる!この時代錯誤な思考には、ほとんどの人が首を傾げますが、おそらく楽天側ではないのかと。
救済される立場ですから、郵便局の空きスペースや窓口利用で契約が増える、なんて考えるのは親方日の丸の老人ならではかと。現在は、ほぼ撤収されています。
モバイル事業はともかくとして、楽天市場の物流の改善、自前の配送サービス「楽天エクスプレス」があるが、Amazonに後れを取っている。郵政の「ゆうパック」の物流網を使えば対抗できる。
中国のテンセント、米のウォルマートの参加は何だったのだろう?ウォルマートは西友絡みと思われるが、楽天は西友株を売却している。楽天は中国市場からは撤退しているし。
テンセントもウォルマートも反Amazon的な立ち位置のため緩やかな連合というところでしょうか。日本郵政としては、ヤマトや佐川急便に対して劣勢の「ゆうパック」が挽回することができる、それくらい。
今回は、2400億円使って半分以下、モバイル事業を諦めて株価が回復するのを待つしかありません。ただ、日本郵政はもっと酷い投資の失敗をしています。
語り継がれるであろう「6200億円で買った海外企業を7億円で売却」。2015年、オーストラリアの物流会社『トール・ホールディングス』を傘下に。2016年の連結決算で4000億円の減損処理、5年後の2021年、7億で売却。
半官半民企業ですから、投資なんてうまい訳ありません。2010年に日本通運の「ペリカン便」を吸収したいときも、大混乱に陥っています。2019年12月、日本郵政グループにおける、かんぽ生命保険の不適切販売問題を受けて長門正貢・社長は辞任しましたが、現在トップの増田寛也・社長。総務大臣、岩手県知事を歴任した人物。これくらいじゃ誰も責任は取らないのかな?
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