彭宇(ペン・ユー)事件 中国・老人は助けるな

社会考察

中国の老人が助けた恩人からお金を要求したことから、困った人がいても助けてはいけないという文化。

2006年11月、中国・南京市でおきた出来事「彭宇(Peng Yu ペン・ユー)事件」。

彭宇(ペン・ユー)という26歳の若者が、バス停で転倒していた64歳の老婆を発見する。親切心から救助師病院まで送り届け、診療費まで建て替えた。

しかし、転倒した老婆がこの青年を訴えることになる。さらに裁判所は訴えを認めてしまい、親切な青年は賠償をすることになってしまった。賠償請求は13万元で、4万5876元を支払うように命じられてしまう。最終的には1万元で和解となった。

これがひどい裁判で「老人を助ける前に犯人を捕まえるはず」「突き飛ばした後ろめたさから病院に送り建て替えた」助けた青年が犯人と決めつけている。

自分で転倒した可能性が高い老婆も、大腿骨骨折による治療費を、助けてくれた青年に負担させることを目論んだと見られ訴訟を起こしていたと思われる。

この判決と類似事件の報道が、「困っている人を見ても、見て見ぬふりでかかわらないほうがいい」という風潮が中国全土に広まることになる。

2017年3月に中国政府は「自分の意思で緊急救助を実施して被救助者に損害を与えたとしても、救助者は民事責任を負うことはない」との規定を加えるが、「老人を助けたら賠償させる」という意識は簡単にはつく替えすることが出ません。

儒教的背景がある中国。

孔子が「人は老いるほど豊かになる」という思想、敬老精神を重視しています。そして、毛沢東などの政治家がスローガンとして「人助けは美徳」という利用していた。これは雷鋒(らいほう)という名の若くして亡くなった人民解放軍の軍人。

農場や工場で作業するなどの奉仕活動を続け、22歳の若さで事故でなくった。特質すべきことはなにもないが、模範兵士として無私の象徴として偶像に祭り上げられる。

この事件以降、モラルの崩壊と言われます。

中国は豊かになりつつありますが、年金制度や医療の問題で老人は貧困化しているといいます。上海あたりの都市部でも老人などに関わると痛い目にある可能性もあるため、気をつける必要があるのかと。

私の住む川崎にも路上で寝ている人が結構いますが、不用意に声を掛けるのは危険なので、警察が対応することが一般的です。

 

 

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