もはや勝負がついたと言える山口組の分裂抗争。
対立組織のトップの自宅に、ガソリンを撒いて火をつけたら大事ですが、着火せずに捕まるところが、もはや消化的な模様を呈しているようです。
貼り付け警戒しているの承知で、原付きで登場、少量のガソリンを撒いて捕まる。ライターを所持していたけど、素振りすら見せていないかも知れません。本当にガソリンか?とも。
かつてのヤクザは拳銃で発砲が警告を意味しましたが、そんなことしたら長期間の懲役が待っています。代替手段なんでしょうが、ノルマ的な感じすら漂っていて、滑稽な光景ですらあります。
1年前の2022年6月には、この自宅に10発の拳銃が打ち込まれています。このとき山口組主要組織・弘道会の組員でした。
警察が本気で取り締まれば、九州の暴力団・工藤会のように「殺害すると使用者責任が問われて死刑判決が出てしまう可能性がある」。神戸山口組・井上組長は74歳、健康状態は不明だが、亡くなるまで嫌がらせは続きそうです。
神戸市北区鈴蘭台東町にある自宅は、神戸市屈指の富裕層の街といわれます。
高級住宅街に、暴力団の豪邸があるというのは兵庫県・神戸の独特、他の地域にはみられない光景です。ヤクザが高級住宅街や富裕層エリアに普通に住まいを構えている、街に暴力団が馴染み、影響力を誇示し、支配をしていることを意味するのかと。
神戸市は日本で一番の人口転出数、逃げ出す人たちに歯止めをかけるには権力を行使する必要があるのかも知れません。私が住む神奈川県川崎市もヤクザが多い地域です、稲川会会長の自宅と思わる要塞のような豪邸もありますが、さすがに場所をわきまえています。
犯人は6代目山口組傘下の竹中組の組員でした。
竹中組?
かつて最大の抗争に至った山一抗争の主要組織で、竹中正久が初代として地元の姫路に創設した組織。数々の映画や書籍にもなっているため割愛しますが、いつの間にか復活していたようです。竹中正久が暗殺され、弟・武が跡を継ぎましたが、抗争終結に反対し山口組から離脱、途絶えていた形になっていたようです。
復活させたのは安東美樹、山口組系柴田会を改名、2代目竹中組を名乗っています。
竹中組の組員として一和会・山本広の邸宅に襲撃をかけ、懲役20年の刑を終えています。この事件はかなり衝撃的で、警備警戒中の警察官3人に米軍仕様のマシンガンを乱射、重症を負わせ、てき弾と呼ばれる自動小銃の先端につけ、発射できるロケット弾を使用。防護用ネットに引っかかり邸宅には届きませんでしたが、落下し爆発をしています。
今回の分裂抗争でも神戸山口組古川組の古川恵一組長を繁華街で、自動小銃のマシンガンで射殺しています。自宅の襲撃といい、本質的な過激さは変わっていないかもしれませんが、警察がブチギレる塩梅を心得ているのかもしれません。これで一般人や警察官が犠牲になったら、山口組といえども九州の工藤会のように壊滅作戦を発動されてしまいます。
山広邸襲撃事件では、実行犯だった安東美樹らを山口組は批判しています。当時の山口組若頭・渡辺芳則は、「こんなんは、実に非道なことですわ、往生してます」として、二代目山健組の組内に犯人がいないか調べさせた。
そして、犯人に対しては「シャブをうってやったとしか思われへん。判断力がちょっとでもあれば、こんなことせぇへん。プラスになること、一つもあらへんやないの。マイナスばっかりや。やった人間にしたら人から恨まれたうえ、懲役に行かなしゃあない。それも間違いなく最高刑をくらうやろうね」と。
これに対し竹中武・組長は反発。一和会の攻撃をやめなかったため、山口組から離脱、山竹抗争に発展してしまいます。2008年に竹中武・組長は病死しています。
竹中組の名跡復活には、
2015年に起こった山口組の分裂が影響していると言われ、どちらが正当な系譜かのプロパガンダ合戦が行われていました。その一環として神戸山口組が竹中組を復活させるために遺族と交渉していたため、6代目山口組側の安東美樹・組長が先手を打ったとも。竹中家は納得はしていないと言われます。
過去の恩讐が渦巻いているのは確かなようです。
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