トゥキュディデスの罠 グレアム・アリソン

人物

先日、NHKの番組でインタビューに答えていた米国の政治学者グレアム・アリソン。その中で「トゥキュディデスの罠」とワード、学生時代に聞いた覚えがあったので、調べてみました。

この言葉は、グレアム・アリソンによる造語です。古代アテナイの歴史家トゥキュディデスにちなむ言葉で、従来の覇権国家と台頭する新興国家が、戦争が不可避な状態にまで衝突する現象を指します。

トゥキュディデス(紀元前460年頃 – 紀元前395年)、古代アテナイの歴史家。

紀元前5世紀、アテナイとスパルタの同盟国を巻き込んだ、古代ギリシア世界全域を巻き込んだ戦争。この戦争を実証的立場から著した『戦史(ペロポネソス戦争の歴史)』 である。

アテナイの将軍として戦争に参加、紀元前422年のトラキア・アンフィポリス近郊での失敗により失脚、20年の追放刑に処された。敵国スパルタの支配地域にも滞在しており、双方を客観的に見ることできる。

スパルタとアテナイによる構造的な緊張関係に言及したと伝えられる。

戦争を不可避なものにした原因は、アテネの台頭が、スパルタの恐怖心を引き起こす。海上交易をおさえる経済大国としてアテナイが台頭し、陸上における軍事的覇権を事実上握るスパルタとの間で対立が生じ、長年にわたる戦争(ペロポネソス戦争)が勃発。

理由は不明だが、トゥキュディデス『戦史』の記述は紀元前411年の記述で止まっている。ソクラテスの弟子クセノポンが中断部分から完成させている。死による中断ではなく、何らの理由があると思われるが、わからない。

米国と中国、米国とソ連の関係性を表している。

急速に台頭する大国が既成の支配的な大国とライバル関係に発展する際、それぞれの立場を巡って摩擦が起こり、お互いに望まない直接的な抗争に及ぶ様子を表現した言葉。

国際社会のトップにいる米国、その地位を守るため現状維持を望み、台頭する中国はトップにいる国に潰されることを懸念し、既存の国際ルールを自分に都合が良いように変えようとするパワー・ゲームが発生し、軍事的な争いに発展しがちな現象を指している。

ソ連との軍事衝突は間接的で終焉したが、中国との軍事的衝突は台湾なら直接、朝鮮半島なら冷戦と同じように形となると懸念されている。どちらにしても地理的近い日本は、無傷ではいられない。

グレアム・アリソン(Graham T. Allison)

アメリカ合衆国の政治学者 (1940-)
ハーバード大学ケネディ行政大学院の初代院長。現在は同大学ベルファー科学・国際問題研究センター所長。ダグラス・ディロン記念講座教授も務める。第一期クリントン政権の政策担当国防次官補として、対ロシア(旧ソビエト)政策を担当した。専門は、対外政策論、核戦略論。

ノースカロライナ州生まれ。ハーバード大学卒業後、オックスフォード大学で修士号、ハーヴァード大学で博士号取得。1972年から現職。クリントン政権期に国防総省スタッフとして、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの核兵器廃棄政策にも携わった。

「合理的アクター・モデル」「組織過程(組織行動)モデル」「政府内(官僚)政治モデル」の3つのモデルでキューバ危機を分析した『決定の本質』は対外政策決定論の必読文献として有名であり、大きな反響を呼んだ。

2015年、オバマ大統領がアメリカで開催した米中二国間の首脳会談において、南シナ海などで急速な軍拡を進める中国の習近平国家主席との話で用いた。「一線を越えてしまった場合はもはや後戻りをすることは困難になる」という牽制の意味合い。

ハーバード大学のベルファー・センターの研究によると、20世紀に日本が台頭した際の日露戦争、太平洋戦争などもこれにあたるとしている。

アリソンの著書『米中戦争前夜―新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオ』では、過去500年間の覇権争い16事例のうち12は戦争に発展した、20世紀初頭の英米関係や冷戦など4事例では、新旧大国の譲歩により戦争を回避したとしている。

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