ナッツ系の食品はがんに対する攻撃力がありますが、これは「がん予防」にはなりません。やたら喧伝されるので取り上げてみました。モデルや芸能人のステマはお金が絡んでいることも多いので、鵜呑みにしてはいけません。健康そうな食品であっても注意が必要です。どちらかというと、プラスが少なくマイナス要素の多い食材です。
ココナッツオイルは、健康や美容面で注目されている存在。ボディケア・ヘアケアアイテムにも多く含まれており、メディアでも取り上げられる機会が多くあります。その名のとおりココナッツから抽出される油脂のことで、バラエティショップのほか身近な場所で手に入るようになりました。
効果に関しては二極化した視点が論争を繰り広げています。
過去10年ほどの間にインターネット上に登場するウェルネスの“専門家”は、盛んにココナッツオイルが有益な効果について喧伝してきました。そんなスノッブな方たちは、「ココナッツは脂肪が豊富で、中でも中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)は髪や爪、さらには身体全体の健康にとってありとあらゆる素晴らしい効果を発揮してくれる」と主張してきたのです。さらには、「ココナッツオイルやMCTは、体重を減らすのにも効果がある」とまで主張しているのです。
栄養士の世界でも違うセクターでは「最悪の場合、人によって心臓発作を引き起こす可能性も生じさせるものなので、できれば避けたほうがいい食品のひとつ」として、ココナッツオイルを「悪」に近い存在として扱う人たちも存在しています。
またアメリカ心臓病学会では、「飽和脂肪の含有量が多い」ことを理由にココナッツオイルを避けるよう警告しています。さらに2018年には、ハーバード大学T・H・チャン公衆衛生大学院のカリン・ミシェルズ教授が「ココナッツオイルは実証された健康上の利点が何一つないばかりか、“人が口にする最悪の食品”のひとつである」と述べているのです。
ココナッツオイルには中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)という脂肪が含まれており、これらはほかのタイプの脂肪とは代謝のされ方が異なっています。ココナッツオイルは主として調理、とりわけ炒め物やポップコーン、あるいは焼き菓子など高温による調理に用いられており、これを飲み物の中に入れる人もいます。
ココナッツオイルが「体重を減らすのに役立つ」と信じている人たちもいる。
「脂肪の燃焼を促進して、身体と脳に素早くエネルギーを供給することは報告されています」。その根拠になっているのは専門誌『Lipids』に掲載された2009年の研究で、それによると、ココナッツオイルを2週間にわたって摂取した女性のグループは腹部の脂肪が減少しましたが、大豆オイルを摂取したほうのグループではそのような変化は見られなかったのです。とは言え、この研究は10年以上前のもので、女性を被験者とした研究結果が男性にも常にあてはまるとは限りません。なので注意が必要です。
しかしながらココナッツオイルにMCTが豊富に含まれているのは事実であり、このタイプの脂肪酸が素早く吸収されて身体の燃料に変換されることは確かと言えます。「2014年の研究では、長鎖脂肪酸に比べMCTは、空腹を抑えて人に満腹感を与えるホルモンを体内に増加させることが明かになっています」と。
これはつまり、ココナッツオイルは人に素早く満腹感を与える力を潜在的に持っているので、つい間食をしてしまうことが少なくなるということになります。
ココナッツオイルに対するハーバード大学ミシェルズ教授の議論の大部分は、ココナッツオイルに飽和脂肪が多く含まれている点に関するもので、「これの取り過ぎたときには、LDLつまり悪玉コレステロールの増加につながる」と言っています。しかし最近の研究では、長年言われてきた「飽和脂肪の危険性」に対して疑問も投げかけられています。その他の要素…それは例えば、「遺伝や喫煙歴といったもののほうが、心臓発作や心臓に関するその他の問題を引き起こすリスクを増す可能性が高い」というものです。
ココナッツオイルは、「適度に取る分なら、大きな問題はない」という見解は大多数です。その逆の、世間で言われているようなスーパーフードであるかどうかは? 「ほど遠いもの」という見解でもあるのです。「気軽に試してみる」が一番のようです。決して、魔法のような健康効果をもたらしてくれるなんてことは期待しないように…。
ココナッツオイルは認知症に効果がある?ありません。がん予防にもなりません。
「ココナッツオイルは認知症に効く」こういった文句は販売を拡大させたい企業側の戦略です。ちょっとかすったデータを声たからに宣伝する、誇大広告と言ってもいいでしょう。
ココナッツオイルについては、2016年4月に消費者庁が「認知症やがんを予防すると宣伝して食用ココナツオイルを販売したのは根拠が認められず、景品表示法違反(優良誤認)に当たる」として、ココナッツオイルを販売した食品会社に再発防止の処置命令を出しています。
テレビや雑誌でも「認知症に効く」という健康情報が溢れていた。大して医学的エビデンスもないまま、金銭的なやり取りがあっての、たちの悪いステルスマーケティングに過ぎません。
藁をも掴む状態の病人にとって、民間療法や代替医療は「すこしでも効果があるなら、やってみる選択をするのは必然です。弱った心につけ込む輩は昔から耐えません。標準医療が確率されてない病のときは、冷静に判断する必要があります。インチキならまだいいですが、悪化するおそれも多分にあります。
私は難治性のT細胞を患っていますが、標準治療はありません。「この漢方がよく効くはずです」「〇〇大学の研究では癌がなくりました」といった類の喧伝は、詐欺と思ったほうがいいでしょう。高いものほど売れると聞きます。どうかご注意を。
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