「アウトポスト」アフガン介入の失敗を描く作品

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Amazon Prime Videoで配信されています。プライム会員なら無料で見られます。2021年公開作品。

2006年、米陸軍は対ゲリラ作戦としてアフガニスタン北部に一連の前哨基地を築いた。目的は現地の人々と連携しパキスタンからのタリバン兵の流入を防ぐ事。

アフガニスタン、キーティング前哨基地。ロメシャ二等軍曹他数名はヘリで基地に降り立ち、山の谷間、低地に位置する基地を見て「最悪な場所」とつぶやきます。間もなくそびえ立つ崖の合間から銃が方々に撃たれ、兵士たちは応戦します。その後キーティング大尉は皆を集め、現地の人々との友好関係について話します。そして、現地の長老や若者が合議場を訪れキーティングは通訳を交えて忍耐強く話します。

「武器を捨てる者には、米国は補償を約束する。」しかしキーティングは任務中命を落としてしまい、その後も大尉が入れ替わるなか基地の閉鎖の話が持ち上がります。そして新大尉が着任前、閉鎖の数日前、基地は最悪の日を迎える。

原題の『The Outpost』は、前哨基地を指しています。元になったノンフィクションの題名は『The Outpost: An Untold Story of American Valor』ジェイク・タッパー著。

ロメシャ(劇中は“ロー”と呼ばれています)役は、スコット・イーストウッド。父親がクリント・イーストウッド。

この映画は“批評家支持率は92%”と、高い評価を得ている。ほぼ戦闘です。重苦しいですが、見ごたえのある戦闘シーンです。クレジット後、本人達のインタビュー映像があります。

アフガン戦争は20年に渡って続き、共和党の2人の大統領(ブッシュ、トランプ)と民主党の2人の大統領(オバマ、バイデン)が関わった特異な戦争です。はじめたブッシュ大統領による「最初の失敗」から戦略を間違え、敗北を指摘する声が多かった。テロを犯罪と捉えるか、それとも戦争か。戦争を政治利用し、それに保守勢力「ネオコン」の民主化すれば、テロ組織は生まれないという、国家論建設論が加わってしまう。

20年に及ぶアフガン戦争はアメリカの“不名誉な撤退”で終焉を迎えた。カブールから撤退するアメリカ軍の様子は、1975年にベトナム戦争で敗北し、サイゴンから撤退するときと同じである。空母にヘリが乗り切れず、高価なヘリを海に捨てる光景が象徴的な映像として、今でも使われる。

カブール撤退でも、カブール空港の周辺には脱出しようと多くのアフガン人が押し寄せ、大きな混乱が起きた。アメリカに協力的だったアフガン人が残ることは、遅かれ早かれ死を迎えるだろう。

ワールドトレードセンターのテロを発端として軍事介入しわけだが、圧倒的軍事力を持っているにも拘わらず、弱小なタリバンのゲリラに敗北を喫す。そのさまを忠実に描いている作品と言える。

 

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