BYD小型EVバス 発がん性物質使用問題

社会考察
日野自動車が発売を凍結した「ポンチョ Z EV」

日野自動車はBYDから供給を受けて3月までに発売予定だった小型EVバス「ポンチョZ EV」の計画を凍結。ポンチョZ EVは、日野が2020年4月23日にパートナーシップ契約の締結を発表した中国の電気自動車メーカー「BYD」からOEM供給を受けて発売する予定だった小型EVバスです。

原因は、発ガン性物質が使用されていたことが判明したため。それもアスベストと並ぶ危険な六価クロムが使用されていました。

この六価クロムは非常に危険な発ガン性物質です。国際がん研究機関は「発がん性の十分な証拠がある」物質として分類されるグループ1に指定しています。

BYDは日本国内にSUV乗用車を投入して、勢いのある企業です。健康に影響がないという、リリース情報を額面通り受け止めるのは危険です、中国企業が誠実なわけがありません。自己防衛をする意味でも、極力避けたほうがいいかも知れません。

六価クロムがセメントと土を混ぜるときに発生する恐れがあります。 発生メカニズムはいまだ解明されていません。 この六価クロムは発生すると地下水を流れ周辺の自然環境にも悪影響を及ぼします。

今回問題となっているBYD製電気自動車(EV)バスには、ボルトに防腐剤として使用していました。六価クロムは法律で規制されていないものの、自体や環境に影響を当たるため日本の自動車工業会では2008年から自主規制で使用されていません。(2008年以前は使用していた?)

すでに相当数が走っています。京都府内を走るバス会社が2015年に、BYD社製の大型バスを取り入れて以降、そのコスパの良さから導入を決定する事業者が相次ぎ、主に小型バスが全国で走っている。

日本でのEVバスの納車台数が23年2月に100台を超え、国内シェアの過半を握る。海外で7万台以上を納車した実績を武器に日本でのシェアを伸ばし、30年までに4000台を販売する方針。トップ企業が六価クロムを使用していたことで、業界に影響が広がっている。

  • 六価クロムとは、かつて重大な社会問題となったアスベストと並んで二大発ガン性物質として国際がん研究機関(IARC)及び アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)によりリストアップされている非常に危険な物質です。

    人体影響としては慢性障害でアレルギー性皮膚炎、肺がん、急逝障害で皮膚の火傷、壊死、下痢、嘔吐などです。

BYDは六価クロムの使用について「通常の車両運用においては乗員・乗客、整備メンテナンス担当者への影響はない」と説明。加えて「廃車時は指定するリサイクル事業者を通じて当該物質の無害化処理をして処分するので環境への影響もない」とする。

BYDはEVメーカーとしては世界最強のレベルです。将来的にはトヨタやフォルクワーゲンも太刀打ち出来ないくらいのグローバルで圧倒的シェアをとると予想されています。電池製造として出発しているため、EVを内製化することができ、テスラのように外注に頼らず、製造することができます。

早い段階から投資家ウォーレン・バフェットが多額の投資をしており、注目を集めていました。中国企業のため米国との政治的リスクがありますが、有望企業ではあります。

2023年末に納車を開始する小型EVバスの「J6」と大型EVバスの「K8」。

エネルギー密度を高めつつ安全性、安定性を確保したBYDの新型リン酸鉄リチウムイオン電池(LFP)「ブレードバッテリー」を採用し、航続可能距離を改善した。J6、K8ともに従来比20㌔㍍延長し、それぞれ220㌔㍍、270㌔㍍となる。

電池搭載位置を車両後方から床下に変更したことで、J6は最大定員を同5人増の36人としたほか、K8は量産型EVバスとして初めてフルフラット化するなど、居住性を改善した。保証期間も従来の5年または40万㌔㍍から、8年または40万㌔㍍に延長する。

おおよそだがバス路線は、近郊線乗務なら140km程、郊外線乗務なら150〜160km程、長距離郊外線なら230km程と言われます。満充電1日もちます。

新型BYD J6 これには発ガン性物質は使われないようです。デザインは日本にはない洗練されたものとなるようです。バスで使用されているわけですから、最近発売された乗用車にも使われていると見たほうがいいです。

現行で使用されているBYD J6

中国BYDはEV「ATTO3(アットスリー)」を、2023年1月31日より日本発売した。本格的参入として各メディアに大きく取り上げられた。価格は440万円。

デザインはヴォルフガング・エッガー(Wolfgang Egger)が手掛ける。ドイツ、オーベルストドルフ出身のカーデザイナー。アルファロメオ、セアト、アウディグループなどを経て、BYDオートのチーフデザイナーを務める。

代表作・2013年にアウディからイタルデザイン・ジウジアーロに移籍していることからジウジアーロ的なデザインが特徴。

BYDは1995年に王伝福氏により中国・深圳市でバッテリーメーカーとして創立された企業。正式名称は比亜迪股份有限公司(略称:比亜迪またはBYD)。実際に電動車を製造・販売しているのはBYDの子会社、比亜迪汽車(BYD Auto)である。

日本市場に投入する「ATTO3」は、ミドルサイズのSUVで、2022年2月に「元プラス」の車名で中国で発売されたもの。EV専用プラットフォーム「e-Platform3.0」にBYD独自開発の「ブレードバッテリー」を搭載、モーターの最高出力は150kW、最大トルクは310Nm。

日本向けモデルのバッテリー容量は58.56kWh。航続距離はWLTC基準で485kmと発表されているが、筆者はEPA基準換算で大体340km程度と推定している。

BYDの強みはバッテリーを内製化できること。リン酸鉄リチウムイオン(LFP)系の電池を使っている。LFP電池は安価で安全性が高いのが特長だが、単位重量当たりの蓄電容量が小さいという弱点があり、他のEVメーカーは積極的に採用しなかった。

しかし、最近の急速な技術の進歩により、3元系(NMC)電池と変わらない蓄電容量を実現できるようになる。特に画期的だったのが「ブレードバッテリー」。薄く長い形状によりパックへの装填密度を高くできる。そのため、単位容積当たりの蓄電容量が大幅にアップし、性能が向上する。

EVバッテリーは中国が45%を占有している。韓国が22%で追いかける。日本勢はパナソニックが検討しているが、かつては東芝などの総合家電もランキングされていたが、競争に敗れてしまった。

【図表】EV用バッテリー世界シェア(2022年)1~11月

 

日産が小型のEV「サクラ」で巻き返しを図るが、440万の価格設定。通常の補助金は満額で85万円、東京都などはさらに45万上乗せされて、130万円が適用される。310万円+諸費用。これは魅力的な価格設定となる。軽自動車タイプEVの日産サクラは、補助金利用で200万前後(自治体による)ですから、カテゴリーが違うと言え、驚異的な競争相手となる。

日本の自動車業界も、家電業界のように崩壊してしまうのかな?巻き返してほしいものです。

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