ドイツ企業は決断が早い、撤退するときも躊躇せず行動を起こすのですが、今回は問題が発生してから、対応が遅れたようです。
Black Lives Matter(ブラック・ライブズ・マター、BLMと略される)批判、ユダヤ陰謀論を公然と解き、ヒットラーへの憧れまで言い出した、米ラッパーのカニエ・ウェストのヘイトスピーチがアディタスの経営を圧迫している。アディタスはドイツの巨大グローバル企業ですが、アパレルは水物には代わりがありません。ユダヤ差別を繰り広げるラッパーが与えた被害は、流れ次第では再編が起こる可能性も秘めてるかも知れません。
ナチス政権下で台頭し企業です。創業者兄弟、ふたりともナチ党員です。兄ルドルフは、ナチス活動に傾倒していましたが、弟アドルフは、ナチスに距離を置いていました。仲違いの末、兄がプーマ、弟がアディタスを起こします。
カニエ・ウェストは、39歳の時、双極性障害と診断されている。当時セイント・パブロ・ツアーを行なっていたカニエは、周囲を心配させる言動を繰り返し、精神科に非任意入院させられた。当時、妻だったキム・カーダシアンの母クリス・ジェンナーはカニエの状態について「疲労がたまっているだけ」としていたが、精神科に長期入院していたことをのちにカニエ自身が認めた。
双極性障害は、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す病気。日本では100人に1人が双極性障害と共に生きているとされている。双極性障害の兆候として、幻覚、妄想、気分の急速な高揚や苛立ち、予測不能な行動、異常に危険な判断などを挙げられており、躁状態の人は、ほとんどの場合、自分の行動がもたらす負の影響に気づかない。
アディダスが窮地に…YEEZYとの契約解消により最大で約1000億円の営業赤字が発生か
アディダスが今、経済面で危機的状況に陥っている。
「YEEZY(イージー)」とのパートナーシップ解消による副作用。YEEZYは、世界的知名度を誇るラッパーのカニエ・ウェストがアディダスとともに立ち上げたブランドである。常識にとらわれない前衛的なデザインはファッション層を中心にファンを虜にし、2010年代後半のストリートウェアおよびスニーカーシーンに圧倒的なインパクトと話題性をもたらした。
後期はバスケットボールのカテゴリーにも進出し、シューズを開発。2020年のオールスターウィークエンドでは、ザック・ラビーンやブランドン・イングラムが着用したことも話題となり、ヒート時代のアンドレ・イグダーラはYEEZYのシューズを公式戦で着用した最初の選手であることが報じられていた。
ドイツのスポーツブランド最大手は、2023年の業績の見通しを公開。そのなかで投資家が目を背けずにいられなかったのは、同社が説明した
しかし、21度のグラミー受賞アーティストは度々“奇行”に出ることでも周知され、昨年はSNS上でのアディダスに対する誹謗中傷や、反ユダヤ主義的発言、多様性や公正性に背くヘイトスピーチが続出。こうした危険な思想を世間は許すはずがなく、アディダスもウェストおよびYEEZYとの契約終了に至っている。
そして、ブランド史上最も成功したコラボレーションに終止符を打ったことによるダメージは決して小さくなかった。2022年12月のレポートによれば、アディダスは現在、5億ドル(約660億円)超のYEEZY製品の在庫を抱えているという。
また、ブランドの財務ガイダンスによると、既存の在庫を転用して売却しなかった場合、今年の収益は約12億ユーロ(約1690億円)、営業利益は5億ユーロ(約705億円)も減少する見込みのようで、会社が保有する全YEEZY製品の償却を決断した場合、2023年末までに7億4600万ドル(約986億円)という莫大な営業赤字が発生するという。
さらに、アディダスは頼みの「IVY PARK(アイビー パーク)」とのコラボレーションラインも不振に喘いでいる模様。ビヨンセが主宰するアスレジャーブランドは、発売当初こそ話題を攫ったものの、『Wall Street Journal』によれば、同ラインの収益は2022年に50パーセント以上の減少を記録。アディダスは2022年にIVY PARKとのビジネスで2億5000万ドル(約330億円)の売上を見込んでいたが、実際のセールスは4000万ドル(約53億円)に止まったようだ。
アディダスのCEOを務めるビョルン・ガルデンは、トップタレントをパートナーに迎えたビジネス失敗からの挽回に全身全霊を尽くすことを約束している。
「数字が物語っています。現在の我々は、本来あるべきパフォーマンスを発揮できていません。2023年は再び成長し、収益性の高い企業になるための基盤整備を行う変革の年となります。我々は消費者、アスリート、小売パートナー、そしてアディダス従業員に全力を注ぎます。共にブランドの熱気を高め、製品エンジンとディストリビューションを改善し、アディダスが素晴らしく、楽しい職場であることを保証します。アディダスには成功に必要な要素が全て揃っています。優れたブランド、人々、パートナー、そして他に類を見ないグローバル・インフラストラクチャー。我々は再びピースを組み合わせなければなりませんが、時の経過と共にアディダスが再び輝けるようになると確信しています。しかし、我々は時間が必要なのです」
『Sneaker News』によると、レポートが公開された直後、アディダスの株価は12.6パーセントも下落。これは紛れもなく、投資家の企業へ対する経済不信の表れである。
世界2位のスポーツブランド。兄弟喧嘩の末、弟が作った会社です。兄がプーマを設立。
1920年に兄ルドルフ・弟アドルフのダスラー兄弟が靴製造の会社「ダスラー兄弟商会」を設立、主にルドルフが販売、アドルフが生産を担当した。
弟のアドルフは、寡黙な職人肌。靴の製作に興味はあったが、それを売るのはあまり得意ではない。兄のルドルフはプレゼンテーション上手。巧みな話術で販路を拡大していく。
1948年兄弟の意見対立により「ダスラー兄弟商会」を解消、アドルフはアディダス社を設立した。社名の「アディダス」はアドルフの愛称「アディ」と「ダスラー」をつなげたもの。
兄ルドルフはアウラハ川の対岸にRUDA社を設立。これが翌年、プーマ社となった。川を挟んで両社は地域を含めた競争に発展、親がどちらに勤めているかで入学する小学校が決まり、サッカーの試合ではそれぞれの靴を履いて対戦した。
アディタスの3本線(スリーストライプ)はオリジナルではなく、1951年フィンランドのスポーツブランド・カルフよりの登録商標の権利譲渡を受けたもの。
ナチス政権下、拡大する事業
第1次世界大戦後、ドイツの経済政策は失敗続きだった、苦しむ国民を騙して台頭したのがアドルフ・ヒトラーと彼の率いる国家社会主義ドイツ労働者党、通称ナチスである。
世界に対して強いドイツを発信するため、ナチスは「スポーツ」に目をつけた。スポーツ選手の育成や、国民の生活にスポーツを取り入れることを精力的に進めた。競技に勝つことで世界に対してアピールできると踏んだのだ。そうした国家政策の追い風を一身に受け、兄弟のスポーツシューズ事業はピークを迎える。
とくに栄華を極めたのは、1936年のベルリンオリンピック。スポーツ振興のため、ヒトラーはベルリンで開催されるオリンピックに多額の予算をかけた。当初、米国や英国などがボイコットを宣言するかに思われたものの、一時的に人種差別政策を緩めたこともあり、49の国と地域が参加するそれまでにない規模のオリンピックとなった。
ダスラー兄弟商会にとって、オリンピックというイベントはドイツ国内で圧倒的なシェアを誇るスポーツシューズを海外に発信する見本市として機能した。兄ルドルフの尽力もあり、ドイツ人以外の選手がシューズを採用し、その活躍が売り上げ向上に直結することになった。その代表例が、ベルリンオリンピックで4つの金メダルを獲得した米国の陸上選手、ジェシー・オーエンス。
兄弟絶縁
製造部門と販売部門の対立はよくあるが、戦時下という特殊環境だった。ナチスの関わり方が引き金となったと言われます。兄のルドルフはナチスの活動に熱心、国家主義者。弟アドルフは興味をあまり持たなかった。と云われますが、弟のほうが世渡りをうまかったとも。戦後兄ルドルフがSSの疑いがかけられたが、弟アドルフの情報提供とも言われます。
兄ルドルフは、「ダスラー兄弟商会消滅」を計画します。弟アドルフの工場を閉鎖させるために、様々な働きかけをしている。
アディダス苦境、トップ交代 中国で低迷、スキャンダルも 2022年11月
新型コロナウイルス感染症を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策の影響で頼みの中国市場が低迷。提携していた米ラップ歌手のスキャンダルにも見舞われた。ライバルのプーマから経営トップを招き、難局を乗り切る考えだ。
2022年1~9月期決算は、純利益が41.3%減の11億ユーロ(約1600億円)となった。欧米での販売は伸びたが、中国市場の売上高が25.3%減と低迷。ロシア事業の停止も響いた。業績不振で株価はこの1年で半値以下に下落した。
カニエ・ウェストのコラボだけでも5億€の在庫。破棄するのか?名前を変えて販売するのか?批判を無視してカニエ・ウェストと再契約?これはないか。破棄するのも批判が上がるだろうし、名前を少し変えて、再販売かな。
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