月面に資源あったとしても輸送コストや色々あって現実的ではありません、中国が宇宙ステーションの独自開発や新型のロケットをガンガンに打ち上げており、焦り見せたアメリカが「アルテミス計画」を作成しました。
月に資源があるというのは理由付けかも知れません。米ソ冷戦は、アメリカはソ連の資金を使わせる目的で「スターウォーズ計画」と宇宙から飛んでくる核弾頭を積んだICBMを撃ち落とす計画をぶち上げました。米中の対立は、どういったブラフがあるか?まだわかりかねますが、中国が先行しているのは事実かも知れません。
2000兆トンもある超巨大な金属塊が月の裏側に眠っているという報告
NASAが測定した月の重力分布をベイラー大学の研究チームが分析したところ、月のクレーターの地下深くに異常な重力源があることが判明。さらに詳細な分析を行った結果、研究チームはクレーターの地下に少なくとも2000兆トン以上の質量をもつ超巨大な物体が存在する可能性が高いと発表しました。
2011年、月周回軌道上を飛ぶ探査機「GRAIL」2機によって月の重力分布を高精度で測定する計画がNASAによって遂行されました。ベイラー大学の研究チームがこの重力分布データを分析したところ、月の裏側にある「南極エイトケン盆地」というクレーターに異常な重力分布を発見したとのこと。
南極エイトケン盆地は月の南極付近にあり、直径約2500km・深さ約13kmと太陽系内でも最大級の大きさとなるクレーター。日本の月探査船「かぐや」のデータを元にマーキングされた以下の画像で、紫色で示されているクレーターが南極エイトケン盆地です。
今回、GRAILの重力分布から見えてきた南極エイトケン盆地の重力異常から重力源を推測したところ、地下およそ300kmという深さに、何百kmもの大きさの金属が埋まっている計算になったとのこと。また、その質量は正確にはわからないものの、少なくとも2.18×1018kg、およそ2180兆トンもあると見積もられました。ベイラー大学の惑星地球物理学教授のピーター・ジェイムズ博士は「ハワイ島(約1万400km2)の5倍の大きさをもつ金属塊を地中に埋めたようなものと想像してください」と例えています。
研究チームによると、この巨大な金属塊の正体は月内部にあるマグマが結晶化して酸化したものか、あるいは約40億年前に月へ衝突した小惑星の残骸かもしれないとのこと。実際にコンピューターで衝突をシミュレーションした結果、小惑星の鉄やニッケルでできた核が衝突して月の地下深くにめり込み、その後月のマントルに押し上げられて地殻近くまで浮き上がってきた可能性が高いとわかったそうです。
南極エイトケン盆地周辺で謎の物質の存在がほのめかされたのはこれが初めてではありません。2015年にかぐやによって南極エイトケン盆地周辺に強い磁気異常が検出され、JAXAは「南極エイトケン盆地の表層近くに磁気異常を招くような物質が分布していると推定される」と報告しています。
今回のベイラー大学の研究チームによる報告はあくまでも重力分布のデータに基づくものであり、実際に金属塊を目視で確認したわけではありません。しかし、NASAは「2024年までに有人月面探査を目指す」というアルテミス計画を発表するなど、これまで以上に月面探査に積極的な姿勢をみせていることから、今後のさらなる探査と研究によって、月に眠る謎の巨大金属の全貌が明らかになると期待できます。
アルテミス計画
アメリカ合衆国連邦政府が出資する有人宇宙飛行(月面着陸)計画である。当初計画では2024年までに「最初の女性を、次の男性を」月面(特に月の南極付近)に着陸させることを目標としている。計画名と計画の詳細は2019年5月に発表された。なお、アルテミスはギリシア神話に登場する月の女神で、アポロ計画の由来となった太陽神アポロンとは双子とされる。
中国は先行しています。
中国が持ち帰った月の岩から新種の鉱物…月に住む仙女にちなみ「嫦娥石」と命名
中国国家宇宙局などは、2020年12月に無人探査機「 嫦娥じょうが 5号」が月から持ち帰った土壌サンプルから、新種の鉱物が見つかったと発表した。中国が月から新種の鉱物を発見するのは初めてで、10月に共産党大会を控える 習近平シージンピン 政権にとって、科学技術の発展をアピールする機会になった。
発表によると、新種の鉱物は月から持ち帰った玄武岩の粒子の中から見つかった。人類が月で見つけた6種類目の新種の鉱物で、国際機関の認定を経て、月に住むとされる中国の伝説上の仙女にちなみ「嫦娥石」と名付けられた。新種の鉱物を発見したのは、米国と旧ソ連に続き中国が3か国目となった。
また、この日の記者会見では、研究グループの関係者が土壌サンプル中の「ヘリウム3」の量を初めて正確に測定したと明らかにした。ヘリウム3は未来の発電燃料として期待されている物質で、中国が将来起こりうる月の資源獲得競争を見据えている可能性がある。
月開発を巡り、中国はロシアなどと連携して月面に研究基地を建設する計画を発表しており、有人月探査「アルテミス計画」を進める米国との間で競争の激化が予想されている。2022/09/13
アメリカがアルテミス計画の策定を開始したのは、トランプ政権下の2017年12月。その背景の一つに、月面探査や独自の宇宙ステーションの構築に乗り出し成果を上げ始めた中国の存在があることは否めない。
中国は2013年12月に無人探査機「嫦娥(じょうが)3号」を月面に軟着陸させ、旧ソ連とアメリカに続く3カ国目の月面着陸を達成した国となった。
その後も、2019年1月に「嫦娥4号」による月面の「裏側」への着陸を世界で初めて成功。さらに2020年12月には「嫦娥5号」が月の試料を回収、地球に持ち帰ることに成功したことで、国際社会から高い評価を得た。
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