『500日のサマー』((500) Days of Summer)は、2009年のアメリカ映画。ミュージックビデオを多く手掛けてきたマーク・ウェブの長編デビュー作である。本作は、脚本のスコット・ノイスタッターのロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでの実際のロマンスに基づいて作られている。2009年のサンダンス映画祭で上映された。
『運命』を信じてるロマンチストな男と、『運命』なんて信じないリアリストの女の物語。
男女の恋愛観の違いやギャップを、ラブコメディとした描いている。唐突にミュージカル映画になったり、スプリット画面になったりなど、ユニークな演出が際立っていた。切ない結末の映画ではあるが、シニカルでユーモラスな結末を用意している。
グリーティングカード会社で働くトムは、新入りのサマーと出会い一目ぼれの(1)日目。お互いが好きなザ・スミスをきっかけに交際を目論むトムだったが、サマーは真剣な付き合いは望んでいなかった。そんな二人の(500)日を前後して描く。
現実的で真実の愛が信じられないサマーと運命の恋を信じるロマンチスト・トムのロマンティック・コメディ『(500)日のサマー』。空想と現実が入り混じる世界観と、思わず共感してしまう男女特有の価値観の相違が、魅力的に展開する本作では、主人公のトムが建築家志望ということもあり、L.A.ダウンタウンを象徴する歴史的建造物が多く登場します。
トムの視点で観ると小悪魔的な女の子な振り回されているように見える、女性側の視点で観ると、サマーはすごく現実的です。男と女の感覚の違いが、時間軸と一緒ににズレてしまっている。
サマーの可愛すぎるファッション。ずば抜けて可愛い外見ではない女の子が、清楚な着こなしにカチューシャやリボンをサラリとつける。自分のためにおしゃれ頑張っていると勘違いする男の子。
サマーを演じるズーイー・デシャネル。この作品で29歳。躍進を期待されましたが、あまりいい作品に恵まれませんでした。「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイと比較されましたが、ちょっと残念ですね。監督のマーク・ウェブも「アメージングスパイダーマン」で大作をまかされますが、以降はパッとしない作品が続いています。
構成が大胆で魅力的。「○日目」という時系列がバラバラにシャッフルされ、二人の恋の運命が行きつ戻りつして展開していく。「プラダを着た悪魔」が好きな方はいいかもしれません。合わない人には徹底的に合わない映画です。青のワンピースが印象的で、作品のアクセントになっているのかな。
ミュージックビデオを多く手掛けてきたマーク・ウェブの長編デビュー作らしく、唐突にミュージカルになります。
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