中国の大富豪で、飲料水メーカー「農夫山泉(ノンフー・スプリング)」の創業者である鍾睒睒(チョン・サンサン)は、2021年から2024年まで4年連続で中国の長者番付で首位を維持している。
中国の混乱した文化大革命の最中に小学校を中退したという経歴をもつ叩き上げ。
推定資産は623億㌦(約9兆6000億円)で、前年の2023年の680億㌦(約10兆5000億円)から減少。世界ランクでは、15位から24位にランクダウンした。
これには中国の病的なネット右翼による活動も関係している。
不買運動の引き金は、「農夫山泉」にとって最大のライバル企業の一つである「娃哈哈(ワハハ)」グループの創業者、宗慶後(ソウケイコウ) が、2024年2月25日に死去したことだった。
国家主義者として尊敬を集めたは宗慶後(ソウケイコウ)。
2007年に、仏ダノングループとビジネス訴訟を争い、勝利したことで知られる。
この愛国者的経営者と比較される形で批判がネット上で噴出した。敬意を欠いた行為があったといわれるが、定かではない。「一匹狼」とマスコミからは表現され、莫大な富を得て、中国一の富豪にもかかわらず、存在感は薄い。
反日的思想と組み合わせ、事実無根の言いがかりが不買運動に発展することに。
商品パッケージが日本の「鯉のぼり」や「富士山」「靖国神社の社殿」を思わせるデザインを使用している、日本視察に訪れ、福岡ナンバーに車に乗る姿をさらし、愛国心がないと意味不明な批判。
会社を引き継ぐであろう宗慶後(ソウケイコウ)の息子が米国籍を所有していること。
「大金持ちの息子が米国籍を(パスポートを持っていただけの可能性も)」というのが一番最初にくる集団的嫉妬なんでしょうけど、それだと、あまりにも卑しいため日本を無理やりひっぱリだした感はいなめない。
「親日の逆賊」といレッテルを貼られてしまう。
「農夫山泉(ノンフー・スプリング)」の主要な株主もやり玉に。バンガードやブラックロックといった米投資ファンドが名を連ねているのは確か。
影響は大きく、香港市場の株価は5%下落。時価総額で30億㌦が吹き飛んだといわれる。資産は目減りしたものの依然として中国一の富豪は維持している。
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