米カリフォルニア州を中心に万引による犯罪が、重罪にとわれなくなったためとんでもないことになっている。と受け取られがちですが、犯罪自体は意外になことに減少傾向だといいます。
?という疑問が生まれます。万引のような軽犯罪で警察を動員すると果てしない経費かかり、刑務所も入りきれい状況、そもそも生活苦が要因と思われ罰するより更正を、という思考からスタートしたと思いますが、こうなってくると小売業者が、暴力的な行動に移す可能性がある低所得者の社会保障を行っているような感じ?小売業者にとって溜まったものじゃありません。が、強盗などでなんの落ち度もない人が犠牲になる事件が減少しているのであれば、法律を撤回する必要はないのか。
人種の問題もあり、日本とは一概に比較はできませんが、なんとも不思議な状況のようです。
カリフォルニア州の州法でしたが、他の州でも緩和をする形で波及しているようです。カルフォルニア州は950㌦がラインだが、他の州で1000㌦以上の緩和しているところもある。
2014年に住民投票で承認された「Proposition47」。「950㌦未満の万引きや窃盗を重罪に問わない」というもので、たとえ捕まっても後日、警察に来るようにというチケット渡されるだけです。駐車違反より軽く、警察も見ているだけ。
10万円以下なら捕まっても放免、と報じられたため、日中に堂々と大きなバッグに商品を詰め込み、店員は関わるのを避けて盗み放題。耐えられなくなったドラッグストアやディスカウントストア、スーパーが次々に閉店している。
カリフォルニアの州法 Proposition 47が施行された2014年。2015年かけて激増、その後、緩やかに下り、2019年にパンデミックによる影響で激減する。政府が給付金を大胆にばらまいていたため金銭面での不安が解消されたためと思われますが、犯罪件数は今のところ以前の水準より低く推移している。
違和感を覚えるざるを得ないのは、生活に困窮が要因ではない、転売が目的になっているということ。
カリフォルニア州サンフランシスコような都市では、ディスカウントストア、ドラッグストア、スーパーでは店舗を閉鎖に追い込むほど万引きが増えている。共通するのは、店の大きさに対して少数の店員、棚に商品を山積みしていて、大量の商品を一気に持ち去れること、セキュリティタグなんて意味をなさない。
米小売大手ターゲットは、2023年の万引による損失は5億㌦と見込んでいる。セキュリティスタッフの増員や盗難防止用ディスプレイなどの対応策を強化すると。購買機会を奪うやり方ですが、背に腹は変えられない状況のようです。
ドラッグストアチェーン・ウォルグリーンは、サンフランシスコ市内からほとんど撤退閉店してしまった。2022年1月段階で53店舗が16店舗に減った。
スーパー・ホールフーズの旗艦店は、オープンから1年で万引が原因で閉店することなってしまう。従業員の安全が確保できないという理由ですが、武装した万引集団と薬物の過剰摂取による死亡事故が相次いでいた。開店13ヶ月で警察の緊急通報は数百件、2022年9月にはフェンタニルとメタンフェタミンの過剰摂取で男性が死亡したという。この店舗周辺では薬物の取引、使用場所になっていたようです。
この店舗はサンフランシスコの中でも特に賑わっているマーケット・ストリートにあった。マーケット・ストリートは、ニューヨークの5番街やブロードウェイ、パリのシャンゼリゼ通りなどと比較される。
コロナ・パンデミック以降、オフィスで働いていた人たちが在宅勤務をするようになり、寂れてた街は治安が悪化、薬物使用者が増え、店舗では万引や従業員が脅される、大変なことが起こる前に閉店。という流れですが、大げさ、騒ぎ過ぎという反論もちらほら。
ドラッグストアチェーン・ウォルグリーンは2021年に、万引きを理由にサンフランシスコの一部店舗を閉める決断をしたが、同社の幹部は、2023年1月「大げさに騒ぎ過ぎた」と発言している。
万引を捕まえようとして追跡、警察に通報した従業員が解雇されることも。
ジョージア州の出来事ですが、スポーツウェア専門店ルルレモン、万引きに介入しようとした従業員2人が解雇されます。他の従業員やお客さんが危険に晒されたということが問題のようです。
2023年4月4月下旬、フードをかぶったマスク姿の男2人が店に押し入り、入り口近くにあった商品を大量に盗んで逃走する。この様子はスマホカメラで撮影されていた。
女性店員は、何度も「出て行け」と叫んでいた。
この店では盗難が起きた場合、従業員や他の客を優先するため、黙認するように訓練をしていました。商品より生命の安全を優先させるということですが、たしかに銃社会、薬物が蔓延した社会です。このポリシーを知っていた上で、店の外まで追いかけるなどをしたための解雇。
さすがに解雇は非難が上がります。が、店側は、危害が及びかねない状況で関わり合いを持つことは一切容認しないと。他の小売店(ウォルマート)で万引を咎めようとした従業員と警備員が殺害された例を挙げ、大量に盗まれたとしても従業員を危険に晒す価値はないと。
日本でも川崎八丁畷駅近くの古本屋さんで、万引きした中学生が隙を見て逃走、京浜急行の快速にはねられて死亡する事件が起きたことがありました。このときも「たかが万引で」という意見が大半で書店は閉店に追い込まれます。
「ノーランディング」景気後退しないで再加速?そんなことできるのか。
米国経済はIT関連の人員整理が話題になりましたが、数字的には景気後退にならない様相です。利上げも落ち着いたようですし。ただ、実態とはかけ離れているのではないか?とも。
インフレを抑え込むために米連邦準備理事会(FRB)が積極的な利上げを行っている影響で「今年の米国経済は景気後退入りする」と予測されていたが、新たなプランがあるようです。
「ノーランディング・シナリオ」経済が後退せずにむしろ、再加速する?というもの。根拠は個人消費が予想以上に強いことにあるようです。
FRBの急激な利上げにも関わらず、消費物価指数は上昇、底堅い。牽引しているのは外食ですが、昔から米国人はお財布にお金がなくても飲食、食費を減らさないといいます。インフレで価格が上昇してもスナック菓子、アルコール飲料市場は成長し続けている。
どうにもならない低所得者を万引で小売に押し付けて、結果的に犯罪が減り、リセッセッション無しで成長軌道に乗せたとしたら、バイデン、イエレンさんは大したものですけど。うまくいくかしら。
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