これも米中対立の影響?
利上げの影響が大きいと言われる倒産ですが、SVBは中国と深い関係にあった銀行です。特にベンチャーキャピタル(VC)にとっては、外資系銀行として、主な取引先でありました。利上げ?対立の夜は?意図的に狙い撃ち?かつて日本経済も金融で大きく締め付けられたことがありました。
ロイター通信によると
2023年3月14日、中国のスタートアップ企業や企業家、ベンチャーキャピタルにとって、米シリコンバレー銀行(SVB)は外資系銀行として主な取引先だったため、同行の突然の破綻はこの業界に衝撃を走らせた。
中国のスタートアップ企業や企業家、ベンチャーキャピタルにとって、米シリコンバレー銀行(SVB)は外資系銀行として主な取引先だったため、同行の突然の破綻はこの業界に衝撃を走らせた。米当局が預金の全額保護を打ち出したにもかかわらず、これらの企業はSVBに代わる銀行探しに奔走している。
より大きな米銀に目を向ける企業がある一方で、招商銀行や中国工商銀行など中国の一部銀行が早速SVBの後釜に入ろうと動き始めた。
これらの銀行はかねてよりSVBと同様の口座サービスを提供してきたが、その牙城を崩すのに苦心していた。SVBは20年以上前から中国で事業を展開し、中国企業との合弁企業もあり、アーリーステージ(起業直後の段階)の中国スタートアップ企業の間で支配的な地位を確立している。
杭州市の銀行プラットフォーム・スタートアップ企業、QBITのウー・ユージュン最高経営責任者(CEO)はこの3日間、口座開設の問い合わせが通常の6倍に増えたと明かした。大半はSVBの顧客企業からの問い合わせだった。
米国に本社があり、主にアジア中小企業と取引するCBインターナショナル・バンクは、SVBから引き出した資金を早急に預けたいという問い合わせを多く受けていると説明した。
一部の中国ベンチャーキャピタルからは困惑の声が聞かれる。SVBはアーリーステージ企業に特に優しいといった強みがあるからだ。
SVBに預金があるベンチャーキャピタルの幹部は「安全に口座を開いてくれる銀行をまだ探している最中だ。ベンチャーキャピタルに優しい銀行は多くない」と語った。
中国投資銀行大手の幹部は「資金を引き出すのが最も簡単な選択肢だが、米国でSVBに匹敵する水準のサービスを提供してくれる銀行は他に見当たらない」と打ち明けた。
だが上海のスタートアップ企業創業者、スティーブン・チェン氏は「SVBが空けた穴は次の銀行が埋めるだろう。これはチャンスだ」と語った。
華僑系の銀行は、ベンチャーキャピタルのようなスタートアップには融資が厳しいといいます。
米国と対立している以上、市場による混乱は、政治体制である専制体制のゆらぎに直結します。中国が推し進めてきた社会主義市場経済という矛盾だらけのシステム。市場経済の都合のいいところだけを採用して、社会主義経済に取り入れていく。
鄧小平からはじまった市場経済への移行(1978年 – 1992年)、それまでの毛沢東の文化大革命で、疲弊した経済を立て直すためのものでした。先富論(せんぷろん)を掲げていた。
「我々の政策は、先に豊かになれる者たちを富ませ、落伍した者たちを助けること、富裕層が貧困層を援助することを一つの義務にすることである。」
中国のいいとこ取りの経済政策を表現する時、「チェリーピック」「フリーランチ」という経済ワードがよく使われます。
チェリーピック:母集団の中から自分に必要な一部のみを選択することをいう。 M&Aにおいては、買収対象となる会社・事業の中から自社にとって必要な会社・事業のみの買収を行うことをいう。
フリーランチ:『フリーランチはない』という経済用語。『おいしい話はこの世にない』という意味。『無料で何かを手に入れることはできない』。
SF作家・ハインラインの小説『月は無慈悲な夜の女王』で”There ain’t no such thing as a free lunch.”という格言に由来します。かつて酒場で「飲みに来た客には昼食を無料で振る舞う」という宣伝が行われたが「無料の昼食」の代金は酒代に含まれていて実際には「無料の昼食」なんてものはある訳がないだろう。から引用された。
ハイラインは「宇宙の戦士」は、ガンダムの元ネタといわれ、著名なSF作家です。
日本も韓国も経済発展には、フリーランチが存在が強い側面がある。西側についたことによる米国の秩序によるものである。中国も技術の獲得、市場形成とともに西側の余剰資本が、対中投資に向かって2005年あたりからの爆発的成長を成し遂げる。
コメント