【お酒】下戸体質の人 食道がんのリスク。

癌予防

私が学生から、会社員になったばかりの1990年代は「男は酒が飲めて当たり前」みたいな価値観でした。

一滴も飲めない下戸ですから、「誘われるたびに肩身の狭い思い」を通り越して、地獄でしたね。先輩面で「鍛えてやる」みたいなこと言われると、殺意すらいだきます。

酒は飲める人には、美味しいものなんでしょうが、人体にとっては異物であり、良い影響は限定的だと言われています。

非常に嬉しいことに「アルハラ」という言葉もある程度、認知してきています。以前よりも「私は酒が飲めない体質です」と言うことにいちいち異議申し立てが来ない時代になりました。

飲酒量が多い人ほど食道がん、肝臓がん、咽頭がん、大腸がん、乳がんなどのリスクが高くなる。ビール1杯で顔が赤くなる人は要注意です。少量のお酒で顔が赤くなる体質の人は、酒量を多く飲めても、肝臓の代謝が悪く解毒力が弱まっています。解毒ができないと、毒素が代謝されないので、がんになるリスクは高くなります。

訓練すれば飲める?

お酒に弱い人は訓練することで飲めるようにはなりますが、実はこの人たちがお酒を飲み続けると重篤な肝障害(脂肪肝、脂肪性肝炎や肝硬変)を引き起こす危険性が増します。

更に、下戸の方が飲み続けると「ガン」にかかりやすくなる。下戸の方が飲み続けていると、最悪の病気とされているガンになる可能性が増してしまいます。

酒を無理に飲まなければガンになる可能性がぐっと下がるということを考えると、「飲む」という行為に疑問を感じることでしょう。下戸の人が無理に飲むという日々を続けていると、がんを高率に発症する傾向があるので要注意です。

上戸は酒を多く飲む人、下戸は酒が飲めぬ人をいう。いずれも平安時代には使われていた語です。「下戸」は、日本の律令制時代の階級「大戸/上戸/中戸/下戸」の最下級。課税階級としても使用されていた。

祝儀席での酒の量が「大戸は八瓶」「下戸は二瓶」と定められていたため、「酒を少ししか飲めない人」を「下戸」と呼ぶようになった。

日本人の約45%が下戸だといわれています。日本人などモンゴロイド系だけが下戸の遺伝子を持っています。世界的には珍しいと言われます。

下戸の人が、無理に飲まない方がいい

肩身の狭さに耐えかねてお酒を飲んでしまってはいけません。下戸の原因は努力でどうなるものではありません。アルコールの毒性を分解することが出来にくい体の作りとなっています。

アルコールは肝臓の働きでアセトアルデヒドに変わります。さらに、アセトアルデヒドはALDH2という酵素の働きで無害な酢酸に変わります。このALDH2には3つの型があり、酵素の活性が強い人と弱い人、そして活性がまったくない人がいます

全くない方が下戸ということになります。アセトアルデヒド脱水素酵素の型は遺伝子で決まっているので、お酒を飲めない人はどんなに訓練してもアセトアルデヒド酵素は増えません。

下戸の人はいくら訓練しても体は変わりません。しかし、鍛えると脳の感受性が低下することと、薬を分解する酵素がアルコールを分解するようになるので多少は飲めるようになります。自分がどの型を持っているかは親から受け継ぐ遺伝子の組み合わせによって決定され、後天的に変わることはありません。

食道がんのリスク。下戸の人がアルコールを摂取してはいけない理由。

日本人の約45%はこの分解スピードが遅く、少量の飲酒でも顔が赤くなったり吐き気がしたりする“お酒に弱い”体質です。これに該当する分解酵素の働きが弱い人は、アセトアルデヒドが食道がんの原因となるとされています。

WHOは2007年に「飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と、女性の乳房のがんの原因となる」と指摘しています。さらに、国立がん研究センターのがん予防・検診研究センターの「日本人のためのがん予防法」によると、日本人男性を対象とした研究の結果、1日あたりの平均アルコール摂取量(純エタノール量)が46g以上の飲酒で40%程度、69g以上で60%程度、がん全体のリスクが上昇することが示されました。

日本酒なら2合、ビールなら大瓶2本、焼酎・泡盛なら1合と1/3、ウイスキーならダブル2杯、ワインならボトル2/3を超えると、がんリスクが高まることになります。

部位別では、肝臓・大腸・食道のがんにおいて飲酒の影響が「確実である」とされています。例えば大腸がんでは、1日あたりの平均アルコール摂取量が23~45.9g、46~68.9g、69~91.9gと増すにつれて、リスクも1.4、2.0、2.2倍と上昇しています。

飲酒ががんのリスク因子となることは以前から知られていましたが、東京大学らの研究グループが2019年12月に、少量の飲酒であってもがんの罹患リスクが高まることを発表しました。

東京大学大学院医学系研究科公衆衛生学教室の財津 將嘉(ざいつ まさよし)助教らは、全国 33 カ所の労災病院の入院患者さんを対象とした調査を実施。新たにがんと診断された 6万3,232 症例と、同数のがんでない患者さんの飲酒習慣などを聞き取り、日本人に関する研究が少ない「低~中程度の飲酒ががん罹患に与える影響」を調べました。

その結果、がん全体の罹患リスクがもっとも低いのは飲酒をしない人でした。一方、飲酒量が多いほどリスクが高く、たとえ少量の飲酒であってもリスク上昇に影響を与えることも分かりました。

例えば1日1杯のお酒を飲む生活を10年続けると、がん全体の罹患リスクは5%上昇します。部位別でみると、最も上昇率が高いのは食道で45%、続いて喉頭が22%です。日本人に多いがんの部位では、大腸・乳房が8%、胃が6%となっています。

急性アルコール中毒

発症すると、命を奪われる危険性があります。下戸の可能性がある方は絶対に一気飲みなどをしないようにしましょう。日本人は遺伝的に下戸(アルコールの解毒能力が弱く、急性アルコール中毒に陥りやすい人)が多いという傾向にあります。

下戸の方は中毒になりやすいとされています。一度にたくさん飲ませれば、急性アルコール中毒で救急車を呼ぶことになります。たくさん飲ませれば、飲ませた人は傷害罪となります。

下戸の人に無理やり飲ませてはなりません。2型アルデヒド脱水素酵素が低活性タイプの人(飲酒すると顔が赤くなりやすい人)はアルコール代謝速度も遅く、中毒が重症化しやすい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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