ビクトリア・アロンソ MARVEL 突然の解雇

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マーベル・スタジオを初期から支え、数多くの作品で製作総指揮を務めてきたビクトリア・アロンソが、親会社のウォルト・ディズニーから突然解雇されました。興行的失敗、下請けいじめ、過酷労働、ディズニープラスではなくアマゾンプライムでの配信、など憶測を呼んでいます。

マーベル・スタジオはディズニーの傘下に入ってから、ケヴィン・ファイギの更迭の噂などいい話は出てきません。親会社となったディズニーは伝統的、ドロドロの派閥争い、出世争いがあることで知られています。

2005年にVFX担当上級副社長としてマーベル・スタジオに参加、2021年からはケヴィン・ファイギのもとで映像作品を統括する制作担当社長を務めている。

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のすべての作品でプロデューサーを務め、『アベンジャーズ』(2012)からは製作総指揮に名を連ねる。MCU全体の制作状況を監督する立場にあった。

企画から製作全体を統括するケビン・ファイギ、製作現場を担当するルイス・デスポジートとともにマーベルの黄金時代を築いてきた。解雇される前の肩書きは、物理製作・ポストプロダクション・VFX・アニメーションの社長だった。

アルゼンチン出身の非白人のラテン系。ハリウッドでもラテン系女性のスタジオ上級職が珍しかった頃から、マーベルの映像制作チームを率いてきた。同性愛(LGBTQ)を公言している、オーストラリア人女優のイメルダ・コーコランと結婚している。 娘がいる。多様性と包括性を象徴するリーダーとしてみられていた。

ディズニーの法務部門やマーベル・スタジオを統括するディズニー・エンタテインメントのアラン・バーグマン共同会長らが決定に関与したとされる。アロンソの盟友であるファイギは、この決定に介入しなかったという。

2021年から2022年までのあいだに17作品(映画7本、ストリーミングシリーズ8本、テレビスペシャル2本)をリリースし、その多くはディズニープラスの新作コンテンツとして配信されている。この驚異的なスケジュールにより、ポストプロダクションを行う下請け企業には厳しいスケジュールが課せられていた。

VFX業界で、マーベルは一番のお得意様であるものの、VFXのアーティストたちはRedditなどのSNSを通じて、スケジュールの厳しさや下請けに対するアロンソ氏の高圧的な態度を批判していた。

見せしめ的な解雇とも。役員による下請けいじめが問題化する前に、批判があって、矢面に立つ人物に詰め腹を切らしたようです。。VFX業界は簡単に育成はできない。職人に離反されることは事業リスクとなってしまう。まだ職人の方が立場が強いともいえる。

アルゼンチン出身である彼女の個人的、思い入れがある作品。『Argentina, 1985』

1970~80年代にかけてアルゼンチンで起こった国家による弾圧事件をめぐる物語。1976年から82年にかけてアルゼンチンを統治した軍事政権による通称「汚い戦争」。汚い戦争(白色テロ)とは、為政者や権力者、反革命側(君主制国家の為政者あるいは保守派)によって政治的敵対勢力に対して行われる弾圧や暴力的な直接行動のことである。 国家組織および権力を是認して行われる不当逮捕や言論統制などがある。

左翼ゲリラの取締を名目として、労働組合員、政治活動家、学生、ジャーナリストなどが逮捕、監禁、拷問され、3万人が死亡または行方不明となったとされる。1979年に「5月広場の母たちの運動」が結成され、行方不明者の調査と不法逮捕者の釈放を求める要望書に2万4000人の署名が集められた。

1985年のアルゼンチンであった軍事独裁政権の弾圧に対する裁判を映画化したリーガルサスペンス。フリオ・ストラセラ検事、ルイス・モレノ・オカンポ副検事、そして法を信じる若者たちが一丸となり、強大な相手との裁判に挑む姿を描いた。

1976年のクーデターによって樹立されたアルゼンチンの軍事独裁政権は、国民に過剰な弾圧を行っていた。政権崩壊後の1985年、弾圧の犠牲者たちに正義をもたらすため、フリオ・ストラセラ検事らは限られた準備時間のなか、脅しや困難にも屈せず、軍事独裁政権の幹部たちの責任を追及していく。

主演は「瞳の奥の秘密」などで国際的にも知られるアルゼンチンの名優リカルド・ダリン。監督は「サミット」などでもダリンとタッグを組んできたサンティアゴ・ミトレ。2022年・第79回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。Amazon Prime Videoで2022年10月21日から配信。

 
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