自動販売機のルーツは紀元前にさかのぼります。それは古代エジプトの聖水自販機で、コインを入れるとその重みで水が出てくるというものだと言われています。現在のような自動販売機が開発されたのは、イギリスの産業革命後の1800年代後半のことです。
日本では1962年頃から本格的に普及しました。50年以上経った現在、日本国内の自動販売機および自動サービス機の普及台数は494万台です。絶対数ではアメリカが世界一と言われていますが、人口や国土面積を勘案した普及率では、日本が世界一と推測されます。また、全体の年間売り上げは4兆7,360億円にものぼります(一般社団法人日本自動販売機工業会『自販機普及台数及び年間自販金額(2016年版)』より)
清涼飲料水の売上が最も大きく、1.7兆円にのぼります。次いで乗車券が1.4兆円です。近年、電子マネ―の導入により切符を購入する人が減少し、台数、売上ともに減少しています。乗車券の自販機はもはやなくなるのも時間の問題ですが、チャージ機能が必要なため、ある程度は残る必要があると思われます。
撤廃進む酒自販機 18万台→1万台に 90年代から激減
国税庁の集計によれば、今年4月1日時点の酒類自販機の設置台数は、全国で1万1,468台。統計のある96年3月末(18万5,800台)の約6%にまで減少したことが分かった。 自販機では年齢や健康状態を問わず、誰でも酒が購入できてしまう。全国小売酒販組合中央会では、20歳未満の飲酒防止やアルコール健康障害を予防する観点から適正な販売管理を徹底するため、いまだ残る酒類自販機について国税庁と連携しながら自主撤廃の取り組みを進めている。
2021年末時点の自動販売機台数。飲料水、各種サービス、たばこその他もろもろを合わせ、全部で400万3600台。
種類別では飲料自動販売機がもっとも多く6割近くの225.4万台、次いでコインロッカーや両替機、ビデオソフトやパチンコ玉貸し機などの自動サービス機が129.5万台。切手や乾電池、新聞などの日用品雑貨自動販売機の20.3万台が続く。グラフ上では細分化掲載していないが、飲料自動販売機内では清涼飲料がもっとも多く199.9万台、残りが牛乳やコーヒー・ココア(カップ式)、お酒やビールなどとなる。
直近年における前回年からの変移を見ると、たばこ自動販売機の減少が著しい。この動きは2011年分から継続している傾向だが、2011年は震災による物理的ダメージに加え、たばこそのものの出荷制限や品目数の減少なども影響を与え、採算性の問題や省エネの観点から撤去する事例も多く、大きく減少していた。しかし2012年以降は少なくとも震災や出荷制限による直接原因は無いにもかかわらず、相変わらず大きな減少を続けている。
これはたばこそのものの需要が減少しているのに加え、節電対策の矢面に立つ形で自動販売機そのものが一時停止させられたり照明を消されたりすることでアピール度が減り売上が落ち、採算が取れなくなる事例が増えていること、さらにはタスポ絡みや震災後の出荷制限などを経て、たばこを自販機で買う人そのものが少なくなっているのが要因(コンビニでの購入にシフトしつつある)。
その上、たばこの自動販売機を併設している「街のタバコ屋さん」的なたばこ販売店が、店主の高齢化によって閉店、それに合わせて自動販売機を撤去してしまう例も増えている。現在稼働中の自動販売機でもビジネス面で厳しい状態が続き、来年以降もさらに台数が減少するであろうことは容易に想像ができる。
そこでたばこ自販機の実情をより詳しく確認するため、情報が取得できる2005年分以降について、たばこ自販機の普及台数と自販金額(自動販売機で売買された金額)の推移をグラフ化したのが次の図。併せて前年比も計算し、グラフにしておく。ただし先の記事でも解説した通り、2017年分以降において自販金額は非公開となったため、その値および前年比は空白となっている。
↑ たばこ自動販売機普及状況
↑ たばこ自動販売機普及状況(前年比)
まず何より驚くのは、2005年時点ではたばこ自動販売機の自販金額が2兆円近い額だったこと。そしてたばこ離れの影響を受けて少しずつ額は減らしていたものの、2008年から2009年にかけて急落。これは複数のたばこ関連の記事で説明している通り、成人識別のためのカード「タスポ」の導入に伴い、技術的に対応できない機種が撤去されたことが主要因。直近の2021年分は非公開だが、まず間違いなく2000億円を割り込んでいるだろう。
他方、台数そのものは減少一方だが、自販金額は2010年にいくぶんの持ち直しが見られる。これは2010年10月におけるたばこ価格の大幅値上げによるもの。たとえばマイルドセブン(今のメビウス)が1箱300円から410円に引き上げられている。2021年12月17日
お金の投入口の違い
自動販売機のお金の投入口は縦型と横型、両方あります。何を優先するかによって縦型と横型に分かれているのです。
自動販売機には硬貨が本物であるかを識別するための装置が内蔵されており、縦型はコインを投入してから装置までに到達する時間が短いため、品物が早く出る仕組みになっています。そのため、電車の切符、馬券、食券など、行列が予想される販売機に採用されていることが多いです。
一方、横型はコインがゆっくり落ちる仕組みになっているため、識別装置やコイン収納を小型にすることができます。その分、余白の空間が多くなり、商品をたくさん収納できることから、清涼飲料水などの自動販売機に採用されていることが多いです。
副業としての自動販売機ビジネス
損益分岐点に到達するのがやっとみたいです。トントンということです。よほど立地が良いところでないと利益を出すのは至難の業のようです。なんでやっているんでしょうね?必要経費は発生するから、トントンの営業収支が必要な人かな。
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