ダイアン・レインの素晴らしさを見る映画ですが、悪役のウィレム・デフォーがいい味を出していて、ふたりとも息の長い役者として、キャリアを積み上げています。古い映画ですが、他の80年代の映画と比べて、映像のくすぶり感にいい味が出ていています。
青春劇の王道を行くストーリーとスピーディーな展開です。派手なアクション描写の数々、そして全編を覆うロックで包み込んでいます。ストーリーなんてないようなものです、音楽映画ですね。
1984年製作。西部劇の形式を踏襲したロック、アクション映画である。劇中で死者が出ない映画でもある。『キネマ旬報』において、1984年度の「読者選出」外国映画ベスト・テンの「第1位」に選ばれます。ダン・ハートマンの「アイ・キャン・ドリーム・アバウト・ユー」がビルボード・ホット100でヒットした。劇中では黒人4人のボーカルグループが歌っています。高架と路地裏の町リッチモンドが舞台(ロケ地は主にシカゴ)だった。
〈STORY〉
人気ロック歌手、エレン・エイムが地元での凱旋ライブ中にストリートギャング“ボンバーズ”に拉致される。彼女の大ファンのリーヴァは弟トムに助けを求め、エレンのマネージャー、ビリーがトムを雇うと申し出る。トムは偶然出会った陸軍あがりの女兵士マッコイを相棒にボンバーズのアジトを急襲し、エレンを救い出す。
トムとエレンはかつて恋仲だったが、エレンが歌手を目指すために心ならずも別れていた。今回の救出をきっかけに再び心が揺れるが、トムが金のために自分を救出したとエレンが誤解し仲違いする。しかし、トムがビリーから謝礼を受けとらなかったと知り、二人の間にふたたび愛の炎が燃え上がる。
その一方、面目を潰されたボンバーズのボス、レイヴェンはボンバーズを率いて街を襲撃しようとしていた。その前に立ちはだかるトム。レイヴェンはトムに一騎討ちを申し出、トムも受けて立つ。一対一の壮絶な対決の末、トムが勝利する。ボスの敗北、住民の決起の姿をみてボンバーズは引き上げ、街に平和が訪れる。
エレンはトムに復縁を申し出るが、トムは「俺は君の付き人になる男じゃねぇ」と言い、二人は再びそれぞれの道を歩むこととなる。ステージで歌う彼女の姿を見守りつつ、トムはマッコイと共に街を去って行く。
〈Soundtrack〉
ダイアン・レイン本人は歌に意欲を見せてはいたのだが、冒頭と終盤の劇中バンド「ファイヤー・インク 」のコンサート・シーンでエレン・エイムが歌う2曲「ノーホエア・ファースト」「今夜は青春」は、作者ジム・スタインマンのお気に入りローリー・サージェント(バンド Face to Face のボーカル)とホリー・シャーウッドとによる吹き替えとなった。
スタインマンのアルバム『バッド・フォー・グッド』にも参加したプロデューサーのジミー・アイオヴィンが音楽スーパーヴァイザーを担当した(後に『アメリカン・アイドル』でメンターとして出場者の指導も担当した)。ダイアン・レインがステージで歌う2曲に関しては、絶対的に一人の音量ではボーカルの厚みが薄くなるので、2、3人のボーカリストがユニゾンで歌ったものを電子的に合成して作ったと「Inside ‘Streets of Fire’」の映像インタビューでジミーが述べている。
劇中に登場する黒人4人組ドゥーワップバンド、ザ・ソレルズの歌は、ウィンストン・フォードによる吹き替えである。ただし、サントラ・アルバムには、他の歌手が歌っているバージョンが収録されている。その中で最大のヒット曲「あなたを夢みて(I Can Dream About You)」は、作曲者である元エドガー・ウィンター・グループの ダン・ハートマン自らによるバージョン。
劇の約半分は夜の場面だが、本作は夜間に撮影されておらず、ほぼ全てが日中に撮影されている。夜間撮影は日中撮影よりも人件費がかさむため。夜のシーンを日中に撮影するため、20メートル間隔に配置した85本の柱でセットを囲み、自動制御の防水カバーで覆うことでセットの上に巨大な暗幕を広げて「人工の夜」を作り出して撮影された。
ストリート・ギャング集団”ボンバーズ”のボス。
人気歌手エレン・エイムの美貌に惚れ、リッチモンドの凱旋コンサートに乱入して彼女を拉致、アジトに監禁した。アジトに潜入したトムにエレンを奪われ、なおかつアジトを滅茶苦茶に攻撃されると怒りが爆発。「エレンは必ず取り戻す」と豪語し、トムとの一騎打ちを申し出る。
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