シャーデンフロイド 妬みのエスカートはうつ病に

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韓国を見下げて見ることに対して喜びを感じる。特におじさんには多いかもしれない。年をとると右翼的な思考になる。高齢の父が、若干そんな傾向を示してきたので調べまくっています。

脳科学者の中野信子先生の著書での説明では、脳の「オキシトシンホルモン」の分泌が影響しているといいます。病理現象「シャーデンフロイデ」と。他人を引きずり下ろしたときに生まれる官女のことです。ドイツ語がそのまま英語圏でも使用されている。

成功者の失敗を糾弾して、喜びに浸るとき、脳内では「オキシトシン」が爆発しているといいます。母子間での愛着形成するための脳内ホルモンです。やはり妬み僻みが強い人は、母からの愛情不足か?

不幸を喜ぶ。自分が手を下すことなく他者が不幸、悲しみ、苦しみ、失敗に見舞われたと見聞きした時に生じる、喜び、嬉しさといった快い感情。日本語だと「ざまあみろ」の感情である。

「他人の不幸は蜜の味」など。今に始まったことではない。ネット界隈だと2ちゃんから生まれた「メシウマ」とワードが使われてます。対義語「メシマズ」も派生した。

リチャード・H・スミス (Richard H. Smith) は、社会的比較によって生じるさまざまな感情について、他者に生じた出来事が自分と他者にもたらす結果という観点で、自分と他者の社会的優劣による上・下比較と、自分と他者の感情が類似していれば同化的、その逆なら対比的というパラメータに分け、4象限マトリクスで整理した。

スミスの分析では、シャーデンフロイデは対象を自分より劣った者と見なす下方比較によって生じる感情であり、不幸によって悲しむ他者の状況に自分は喜んでいる点で対比的といえる。

他者に対してあらかじめ抱いていた感情がシャーデンフロイデを促すという仮説がある。

妬みはシャーデンフロイデと表裏一体の感情と捉えられている。妬みとは自分には無いものを持つ他者を見て、自分が劣った存在であると自覚する自己意識である。上記のマトリクスで言えば上方比較となり、妬みとシャーデンフロイデは対極的位置にある。

架空の人物による仮想場面を用いた実証実験によって、妬みがシャーデンフロイデを促すこと、異性より同性に対してその傾向が強くなること、妬みがシャーデンフロイデに変化する脳内プロセスが明らかにされている。

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読みやすい良書です。少し訳に難があるかな?専門書としての高いクオリティを維持しつつ、身近なトピックを導入や具体例としてとりあげている。「プレデターをやっつけろ」「ザ・シンプソンズ」「アメリカンアイドル」米国では馴染みテレビ番組かもしれないが、みたことがないためちょっと乖離があるかも。「ナチス」「リンカーン」など、歴史上の出来事も触れられています。

2020年10月2日、「Schadenfreude(シャーデンフロイデ)」という単語の検索数が普段より3万500%増加し、最も検索された単語の1つになったとMerriam-Webster.comが報告しました。ドナルド・トランプ大統領とメリッサ夫人の新型コロナウイルスの陽性が公表された日となります。

トランプ大統領が不幸になったことで反応した形です。

人として備わっている感情ですが、いじわるな喜びを味わったあとで、罪悪感を感じたことがあるという人も、少なくはない。「自尊心の低さや自信のなさに苦しむ」人たちが抱きやすい感情で、うらやみや嫉妬から生じている可能性があるとも。

人が持っている感情なんでしょうけど、妬みがエスカレートするとうつ病の入口になるということでしょう。

こちらも良書です。脳科学者らしく脳内の愛情に関するホルモンが命令している。というものですが、ちょっと例に出している実験が?フィリップ・ジンバルドの「スタンフォード監獄実験」やスタンレー・ミルグラムの「電気ショック実験」。神風特攻、イスラム原理主義のも。ちょっと結論ありきのよっている感じもしますが、面白い本です。

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哲学者ニーチェはシャーデンフロイデに対して、

悪人が報いを受けた時、道徳的に正当な反応ではないと。道徳的な正しさや、道徳の高さの証しではないと言っています。人の恨みの感情の証しであり、人の弱さや虚無感の証しなのだと。

ニーチェは、欲求不満と恨みを抱いている人だけが、他人をこき下ろしたり、他人の失敗に満足を見出すことで、自分を優位な場所に置こうとするのだと考えていました。

ニーチェにとって、真に優れた人物とは、達成や成功をゼロサムゲームとは見なさず、「ほかの誰かが敗者になることで、自分が勝者になれる(あるいはその逆)」とは考えない人物なのだと。

 

 

 

 

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