原田泳幸 マクドナルド「プロ経営者」

人物

日本ではマクドナルドは、最強のハンバーガーチェーンであることは間違いありません。コロナパンデミックでは、他が苦戦するなか一人勝ち状態に、コロナが開けようとしている現在も店は賑わっています。

少しおかしな時期もありました。

デフレ戦略で圧倒的な勝ち組になり、君臨していた藤田田・体制が崩壊したときには、業績が落ち込んだり、高校生たちの溜まり場とかして一般の人が敬遠するような自体に陥ったことも。24時間営業では、日払い仕事の人達が仮眠をとるための場所になったり・・・

米国本社主導になってからは、中国で加工しているチキンナゲットの衛生管理問題や日本人好みのメニューに対応できなかったり。とくに原田泳幸がCEOに招集されて時は、お客さんをそっちのけで、藤田体制の解体に励んでいたと思われます。

世界のマクドナルドは9割がFC(フランチャイズ)という形で運営会社が行っています。日本は7割が直営店で3割がフランチャイズでした。FCは元社員です。「一国一城の主」になれる人参をぶら下げて、過労死いとわず働かせる昭和の形態です。この3割のFCオーナーは藤田田を信仰している人たちです。

原田泳幸CEOは、アップルコンピュータ日本法人からヘッドハンティングされた人物でした。当時は「マックからマックへ」とマスコミがキャッチコピーをつけていました。後にベネッセの社長を務めた経験もある、いわゆる「プロ経営者」です。ミュージシャンの谷村有美を妻に持ち、暴力沙汰で逮捕もされています。

経営もおかしくなっていた時期ですので、藤田色を一掃しにかかります。

藤田田さんは「ユダヤの教え」を実践したといわれ、米国流経営でしたが、社員の扱いは日本企業以上に家族型日本経営でした。社員が将来、生活していけるように「独立支援制度」を取り入れます。社員はオーナーになれるし、店舗拡大もできます。

これを抵抗勢力とみなし、徹底的潰しにかかります。内部抗争に明け暮れた時代です。

世界的にみて日本のマクドナルドは直営店の割合が逆になっています。2007年3月、全国に3800店ある店舗の運営形態を見直し、直営店7割、FC店3割の比率を、5年後をメドに直営店3割、FC店7割に逆転させる方針を打ち出します。

本社で手厚く行っていた経費的なFCに押し付けます。人件費、出店コスト、固定資産税、ロイヤリティを上納させ、文句や意見は言わせません。コンビニに近いかもしれませんが、マクドナルドのFCはそれなりの体力のある企業が行っています。既存の直営店をFCとして転換させる、名乗り上げた企業に押し付ける。合理化と同時に自動的に利益が上がります。

利益が出たところで、藤田の時代にFCオーナーとなった人たちを切り捨てます。規模が小さいという理由ですが、歯向かう旧体制の人材を「負」として切り捨てです。

2004年にCEOに就任してからの7年間、直営店とFC店を合わせた全店売上高は1300億円増え、年間売上5000億円を突破します。その手法は“原田マジック”と持て囃されます。しかし、お客さんには関係がありません。内部抗争と数字的な小手先で黒字化したにすぎませんでした。顧客満足度は下がるだけで、次第に売上は減少します。

これで原田泳幸の役目は終わりで、米本社からカサノバCEOが派遣されます。実務経営が豊富のカサノバは、マーケットに合わせたメニューと次々に考案し成功を収めます。原田CEO時代に無くした、カウンターのメニュー表も復活させ、顧客に向き合っています。

私の子供ころは「ミミズ肉を使用」という都市伝説もありましたが、電通あたりが頑張った結果、日本では印象が悪くはありません、安くて美味しいマクドナルド。残念なことに本丸・米国では芳しいものではありません。むしろ嫌う人が多いかもしれません。

潜在的に嫌悪する人達がいる中で、利用していた中間所得層が没落傾向です。ファーストフードの代表格であるマクドナルドは日本のように高級志向のメニューにはシフトすることはできません。必然的に低所得者層を意識したメニューに対応しています。

ただでさえ民度の低い食べ物です。少し古い映画にもなりますが「スーパーサイズ・ミー」と言った批判的なドキュメンタリーの影響もあり、健康にいいと思っている人はいません。この映画ではマクドナルドを食べ続け、躁うつ病を発症して終わります。

健康志向の米国では受け入れることはできません。誰も安全な食品だと思っていませんし、中国での加工肉問題が起こるたびに、危険な添加物なども使われているじゃないかといった憶測が輪をかけて広がります。肥満社会の確信犯として扱われてしまいます。

現在、マクドナルドの株価は史上最高値に近い水準にあり、時価総額は2,000億㌦(約26兆円)を超えています。しかし、危険な兆候が見られるといいます。

2021年、FCが運営する店舗のうち、過去最高の13%が譲渡されました。ライバルのバーガーキングのFC店舗は6%の変化です。2019年から見ると28%の店舗が閉鎖・売却されています。

コロナパンデミックによる需要の低下もありますが、FCオーナーに店舗リニューアル費用を押し付けていることが、関係悪化を招いているといいます。

93%がFC店舗、40%が財務状況から不可能とおもわれます。すべてが離脱する可能性は少ないかもしれませんが、過去に大量にサブウェイやバーガーキングに変わったこと。オーナーを強権的、無理強いしたところでサービス低下、客離れを引き起こすのは目に見えています。

原田CEO時代に、FCは米国基準になりましたから、時間差をおいて日本に波及する可能性もないこともないとは思いますが、米国の経営不振になった場合違う問題が発生するかもしれません。

 

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