暴落仮想通貨「テラ」創業者 クォン・ドヒョン

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テラフォームラボ代表のクォン・ドヒョン

暗号資産テラ・ルナ暴落事件の被疑者であるテラフォームラボ代表のクォン・ドヒョン容疑者がモンテネグロの首都ポドゴリツァで逮捕された。

2022年5月、仮想通貨のテラ・ルナ大暴落事件。わずか数日間で500億㌦以上が蒸発してしまった仮想通貨市場で起きた一番の暴落事件である。テラは、世界の暗号資産上位10位に入っていた。

投資家が保有していた「テラUSD」や「ルナ(LUNA)」コインを投げ売りしたために1週間あまりで99%以上も暴落した。しかし、コインの開発者クォン・ドヒョンは暴落前にコインを売却し、海外逃亡した。

韓国の被害者は推定28万人、被害額も50兆ウォン(5兆円)以上と言われ「韓国のイーロン・マスク」と呼ばれもてはやされていた。

1991年生まれ、韓国の有名進学校であるデウォン外国語高校を卒業後、米スタンフォード大学でコンピューター工学を専攻し、シリコンバレーで就職。アップルやマイクロソフトを経て、仮想通貨を運営するスタートアップを立ち上げた。

2019年4月にテラUSDとLUNAを発行し、同年フォーブスが選定した「フォーブスが選んだ30人・30歳以下のアジア人(Forbes 30 Under 30 Asia)」の金融・ベンチャーキャピタル(Finance & Venture Capital)部門に選ばれた。

2021年3月にはテラフォーム・ラボがテラを預けると、20%ほどの収益を返却するという「アンカープロトコル」を始めた。

自己顕示欲も強く、ツイッターを使って投資家と商談したり、様々な海外のメディアに出て自分をアピールした。ただし、韓国のメディアにはあまり出なかった。韓国では「暗号資産界のイーロン・マスク」と称賛している。

価格変動のないステーブル・コイン(Stable coin)であった。

価値を維持させるため、ルナも流通させた。

ルナとテラは供給量を連動させるアルゴリズムを通じて価値を維持させると宣伝した。ステーブルコインの価値を維持するために、リスクヘッジ手段として、100億㌦規模のビットコインを予備金として購入すると宣言し、2022年1月から15億㌦分のビットコインを買い集めている。

テラの価格が1㌦以下になると、ルナを売ってテラを買い戻し、反対の場合はテラでルナを買って価値を落とす方法で価格を防御すると説明。これによって、テラUSDはイーサリアムに次いで2番目に大きなDeFi(Decentralized Finance=分散型金融)プラットフォームに浮上。DeFiは、銀行など中央の金融仲介者に依存せず、ブロックチェーン基盤の契約を活用する金融形態。

そして、テラUSDと連動しているルナの価格は急騰。2021年の初めまでは1000ウォンにもならなかったルナは、2022年4月は韓国のコイン取引所で15万ウォンを超えていた。

米国が急激な金利引き上げ策がはじまると、ドルが急騰し、ペッグ(連動)崩壊が始まります。

無価値になった投資家らがパニックになって売却し、上場廃止になる。

米証券取引委員会(SEC)の調査では、クォン・ドヒョンはテラ・ルナが暴落する前からすでにビットコインに取り換えていたと疑っている。さらに暴落の1年前から相場を操っていたということが含まれている。

この大暴落によって、大規模なパニック売りが発生し、仮想通貨ヘッジファンドであるキャピタル3AC、コインの仲介業であるボイジャーデジタル、仮想通貨取引所であるFTXが連鎖的に破産した。

韓国、シンガポール、セルビア、ドバイに行くモンテネグロの飛行場で身柄拘束された、米国と韓国どちらで裁かれるのか不明だが、韓国には仮想通貨に関する法制度が完成されておらず、MAXで15年の懲役と言われています。米国なら終身刑もあります。

韓国に残っていた共同経営者シン・ヒョンソンにも逮捕状が出されていたが、、ソウル南部地方裁判所は逃亡リスクや証拠を破壊する可能性が低いことを理由に、請求を却下した。

韓国の若者は仮想通貨に熱狂する。不動産や株式に投資できる経済的余裕がない若者にとって、仮想通貨は「デバック(大儲け)」が実現できる、そして既存世帯との格差を縮める最後のチャンスと考えているのかも知れない。

 

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