カテゴリーキラー ベッドバス&ビヨンド倒産へ

社会考察

米国小売チェーン、ベッドバス&ビヨンド(Bed Bath & Beyond)が危機的状況に陥っている。かつて優良銘柄として知られ、かつて株式市場で注目を集める人気銘柄でした。1992年の新規上場から2014年にピークを迎えるまで、株価は70倍以上に拡大。アメリカンドリームを体現した企業の一つと言えます。2018年には1500店舗以上を誇っていましたが、転落するスピードがには衝撃です。

再建型の倒産法制である「米連邦破産法11条」リスト入りして、売却できれば残るかも知れませんが、小売はほぼ消滅する運命にあります。オンラインでブランド名だけ残るかも知れません。

かつて成功を謳歌した「カテゴリーキラー」ですが、成功体験やチェーン理論に固執しすぎると、いかに優良企業といえども追い込まれてしまう米国経済。

日本では馴染みのないお店ですが、米国を代表する”カテゴリーキラー”の一つでした。

カテゴリーキラーとは一般に、ある特定分野に集中し、品揃えや価格優位性を実現する「大型専門店」のこと。米国ではホームセンター首位「ホームデポ」のほか、玩具店として人気を博した「トイザラス」も代表例とされる。

「トイザラス」も2018年3月に米国内の店舗すべて閉めています。Tru Kids社がブランド買取り、体験型の店舗を実験的に、テキサスとニュージャージーに新店舗を営業していましたが、これも2021年に閉店。コロナ禍の中で、決断をした模様です。

一時期もてはやされた、カテゴリーキラーと呼ばれた小売形態は無理ゲーと言われます。「Eコマースの台頭に負けた」と当たり前の理由ですが、コロナの影響が残っている限り、リアル店舗は手足を縛られてもがくしかないのかも知れません。

オンラインに対応できなかった。それだけではない経営上の様々な失敗があった、といわれます。

ベッドバス&ビヨンドは、1971年に設立され、米国とカナダで地域雑貨小売店チェーンを展開している。ほとんどの商品は中級品だが、高品質の地域限定商品も扱っている(寝室、浴室、台所、そしてダイニングルーム用商品)。本社所在地はニュージャージー州ユニオン郡

2021年度 売上高:78億6778億ドル(14.8%減) 営業損益:赤字4億758億ドル

通年売上高は2018年度からマイナス成長に陥っており、過去最大の下げ幅は2020年度の17.3%減だが、今年の上半期はこれを上回る20%以上のマイナスを記録している。通年営業利益は2018年度から赤字となり、最大は2019年度の7億ドル。

営業利益は15年から対前年比でマイナスが続いており、問題はずっと前からくすぶっていました。

アナリストは、以前からに倒産するかまたは買収によって非上場になるだろうと予測していた。またトイザらスやJPペニーといった倒産した企業の財務リストラを請け負った専門企業を雇っており、すでに選択肢として倒産も視野に入っていることを示唆していた。

2021年6月2日に、前日の終値より62%高い終値をつけました。株価は乱高下を繰り返し、ボラ狙いの投資家から、ミーム株の代表格として扱われてします。

ミーム株とは、SNSなどで大きく注目が集まり、短期間で急激に株価が上昇した銘柄のことです。 一般的に企業の業績に関係はなく、ツイッターなどのSNSによって株価が上下します。 例えば、投資掲示板などに集まった投資家が一斉にその株を買うことによって株価が上昇し、一斉に売却することによって株価が下落します。個人が集まった仕手筋のようなもの。

ベッドバス&ビヨンドの場合、ゲーム販売大手のゲームストップの会長でベッドバス&ビヨンド株の約10%を保有するライアン・コーエン氏の買い増しが知られことをきっかけに、オンライン掲示板の投資家交流フォーラムを中心に個人投資家からの買い注文が殺到したことが急騰要因となっている。

超保守的で倹約がIT化DX化を遅らせ致命傷となってしまった。

テクノロジーには背を向けている会社として、アメリカのメディアは分析をしています。倹約意識が高く、ミスを許さない社風のようで、経営陣の保守的意識が変化を望まなかった。

ベッド・バス&ビヨンドの代名詞である縦型陳列。商品を天井近くまで縦筋に並べる陳列手法出、これが店を有名にした。この企業が始めたことではないが、通路島陳列の宝探しも有名で、他にないような面白い商品を並べ短期間に入れ替えることで集客に成功する。(ドン・キホーテも真似をしているかも知れません。)

サプライチェーン(製品の原材料・部品の調達から、製造、在庫管理、配送、販売、消費までの全体の一連の流れのこと)も古く、問題があります。

日本でいうと体質的に、百貨店やヨーカドーに少し似ている感じがします。変化に対応してい現場は色々してますけど、効果がある?検証や分析などせず、いつの間にかうやむや、たとえうまくいったとしても数店舗だけで、全体に波及しない。保守的社風なところは、してやって満足という感じかな。個人的に受けた感覚です。

経営悪化が表面化して、ヘッドハントでマーク・トリットンがCEOに

2019年ターゲットからマーチャンダイジング(MD)のプロを招集します。MDとは流通業に特化したマーケティング用語で、自社の商品やサービスを消費者に販売するにあたり、その販売方法や価格設定を戦略的に設定するための活動や計画、管理のことです。

ターゲットは大型ディスカウントスーパー。 国内の50州すべてにお店がありその数は1800店以上。 「TARGET」の文字の前にある大きな赤い二重丸が目印です。 ディスカウントスーパーですが、おしゃれな雰囲気で人気のスーパーです。

プロを招集したものの、コロナのパンデミックが始まってしまいます。街はロックダウンされますから、店舗も営業停止に追い込まれます。ここでIT化してこなかったつけが一気に吹き出します。ECにシフトはもちろんできません。

ヘッドハントできたCEOですから、いくつかのプライベートブランドを構築しますが、どれも成果を残すことができません。そうすると立て直しで雇われたCEOはやることは、人員削減と経費削減をやります。

倹約企業ですから、人員を減らしましたが、それもで黒字化を達成できないと思ったのか、在庫も減らします。数字的に改善されますが、お店の魅力は失ってしまい、客が見放す時間も早い。

ターゲットの戦略手法を持ち込んでいたが再建が果たせず、2022年6月解任されています。彼に責任はありません、2019年5月までのCEO・スティーブ・タマレス氏の拡大路線が致命傷でした。チェーン理論を信仰し、絶好調のときは、利益率40%の超優良企業ともてはやされます。成功体験は捨てることができません。もう少し早くCEOを替えていれば?縮小は避けられませんが、なんとかなったかも知れません。

ベッド・バス&ビヨンドのCFOが自殺、株価急落

  • 2022年9月5日 生活雑貨小売りチェーンで経営不振に陥っているベッドバス&ビヨンドの株価が6日、急落した。同社をめぐってはグスタボ・アーナル最高財務責任者(CFO)が転落死したことが週末に明らかになっていた。ニューヨーク市当局は自殺と断定している。

    6日の米株式市場でベッド・バス・アンド・ビヨンドの株価は先週末比18%あまり下げた。

    同社や警察によると、アーナルは2日にニューヨーク市のトライベッカ地区にある高層ビルから転落死。5日、ニューヨーク市検視局が自殺との検視結果を公表していた。

    ベッド・バス・アンド・ビヨンドは在庫面の問題や売り上げの落ち込みに直面しており、8月末に150店舗の閉鎖や20%の人員削減でコストをおよそ2億5000万ドル(約360億円)削減する計画を公表したばかり。また最近、既存債務の返済や手元資金の積み増しのため、JPモルガン・チェースやシックスス・ストリート・パートナーズから5億ドルあまりを新たに調達していた。

    ベッド・バス・アンド・ビヨンドの株式は今年、乱高下している。同社株はSNSの情報をもとに個人投資家が好んで取引する「ミーム株」のひとつとして知られ、8月にもネット掲示板「レディット」のコミュニティー「ウォールストリート・ベッツ」に集う個人投資家によって株価が押し上げられたあと、同社株を10%近く保有していたアクティビスト(物言う株主)でゲームストップ会長のライアン・コーエンが全株を売却したことで急落している。

    その後も荒い値動きが続いており、年初からは50%超下落している。

    アーナルはコーエンらとともに、ベッド・バス・アンド・ビヨンドの株価を人為的につり上げたとして8月に起こされた集団訴訟で被告になっていた。原告側の主張では、コーエンは同社の株価を短期的に押し上げて、ふたりが利益を得られるようにする計画をアーナルに持ちかけたとされる。

日本でいうと無印良品、ニトリかな?生活雑貨だけで巨大に展開しているお店はないかも知れません。ニトリは家具の側面も強く、無印良品はアパレルから食材、家具まで多岐にわたります。デジタル化の遅れているところや、問題を先送りする社風など日本企業に似てると思います。

実際、お店はハワイの店舗を一度訪れただけですし、日本にないために推測でしかありません。米国にいる友人にも聞きましたが「ここ数年利用してない」とか、物価が上がっているため「リネンは買い替えてないし、キッチン用品は100均を利用している」と。

米国は、1ドルショップ「ダラーストア」があります。粗悪品・ガラクタ・三流品といわれてましたが、日本のダイソーが高級ダラーストアとして評価を高い評価を受けているようです。80店舗以上、展開しています。

魅力満載の売場でも、見てオンラインで買う人が増えている時代では、お店には違う付加価値が求められてます。体験とかワードもコロナ後では、意味を失っています。

 

 

 

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