米国はコロナによる原因の死者が、全体の3位と相変わらず高いにも関わらず、もはや対策を後退させている状況です。中国全土で感染爆発していも関係がないようです。むしろ高齢者、基礎疾患を持っている人は、社会にいらないということまで・・・さすが自由主義の国です。
がんによる予防・早期医療は進んでいるようで、死亡率は減少しています。が、やはり膵臓がん、肝臓がんなどの難治性のがんに関しては、生存率はあまり変わっていません。子宮頸がんなどワクチンで対応できるがんは改善が見られ、数字を下げている。
本末転倒な話ですが、末期がん患者の緩和に使われる鎮痛剤が巷に氾濫し、死者が10万人を超えています。中国やメキシコの犯罪組織が、コカインやヘロインなどの薬物からシフトしていると言われ、大量に流入していると報告されています。
米国における2022年の公衆衛生にまつわる最大の話題は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ではない。RSウイルスでもインフルエンザでもないし、がんでも糖尿病でも心血管疾患でもない。これらの病気をすべて包括し、米国の平均寿命が低下を続けている。
2021年の米国平均寿命は、26年ぶりの短さになった。
その原因を新型コロナウイルス感染症だけに押しつけるのは間違っている。米国の平均寿命は、2020年に急落したのに続いて2021年も低下したが、それ以前の2012年~2019年にも、まったく伸びていなかった。
さらにそれ以前について言えば、1990年頃からは、他の先進諸国と比べて、伸び率が鈍化していた。米国は平均寿命の大きな問題を抱えており、もっと真剣に取り組む必要があるのだ。
これは、医療費支出そのものに関する問題ではない。米国の「1人当たり医療費」は、他のどの裕福な大国よりも多いにもかかわらず、米国民はそれらの国と比較して、少なくとも平均4歳は若く命を落としている。
そしてその差は、数十年にわたって拡大し続けている。この忌々しい統計値は、「国民や政策立案者には全く浸透していないようだ」。
公衆衛生の問題に関しては、システムが断片的であることに加え、政府の怠慢がある。たとえば、連邦政府の視野の狭さが、合理的なアプローチの邪魔をしている。
新型コロナウイルス感染症は、2022年も死因の第3位であり続けている。それにもかかわらず米国政府は、中国全土で大規模な感染の急増が進行しているなかで、新型コロナウイルス感染症への備えを大幅に縮小することを決定した。
その影響は、国境を越えて広範囲におよぶ可能性がある。最近可決された米国議会のオムニバス法案には、新型コロナワクチン、検査、治療に対する新しい資金が盛り込まれていない。
米国の公衆衛生で軽視されている分野をまとめると、長いリストができあがる。以下は、米国の公衆衛生でうまくいっていない問題のほんの一部を列挙したものだ。
肥満は、この国の公衆衛生上の危機であり、その程度は、他の国々では見られないひどさだ。肥満と多くの病気との相関関係はよく知られている。糖尿病、心血管疾患、脳卒中、高血圧、がんなどはその例だ。ウェゴビー(セマグルチド)などの新しい減量剤は役に立つだろう。
しかし、どれも万能薬ではない。肥満予防はとても重要だ。肥満には遺伝的素因があるが、食事と運動でその傾向を打ち消すことができる。
米国は、世界の先進国の中で唯一、妊産婦の死亡が増加している。そして高所得国の中で、米国の妊産婦死亡率は最も高い。にもかかわらず、理解しがたいことに、17の州がメディケイドで産後ケアをカバーすることを拒否している。
銃乱射は、米国の公衆衛生上の問題。しかし、純粋に政治的な理由から、議会で正面から取り上げられることはない。銃による大量殺人は、2022年には660件以上発生しており、そのたびに「思いと祈り」が空しく響く。銃関連の死に対して議会の多くの人々がすることは、「思いと祈り」を捧げることくらいだ。
米国では「過少保険」が、公衆衛生上の問題になっている。加入している健康保険では十分な医療を受けられないという問題。
違法で乱用されるフェンタニル(鎮痛剤として使われる強力な合成オピオイド)は現在、米国の公衆衛生上の最大の問題だ。しかし、連邦政府や州政府の対応は、ずっと不十分であり続けている。
平均寿命低下の流れを米国が食い止めようとするならば、公衆衛生に関わる問題の優先順位を変えなければならないだろう。現時点では、これは非現実的なことのように見える。
米国人のがん死亡率、30年で33%減少 早期発見、治療、喫煙減少が奏功
米国人のがん死亡率が過去30年にわたって減り続けているという報告書を、米国がん協会が学術誌に発表した。
それによると、米国のがん死亡率は1991年以来、33%減少した。推定380万人が死亡を免れた計算になる。がんによる死亡率は減少傾向が続いており、直近のデータが入手できる2019~20年にかけては1.5%減少した。
着実な進展の理由として、報告書ではがん治療の進歩や喫煙の減少、早期発見を挙げている。
米国がん協会は、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンと、がんによる死亡減少との関係も指摘した。HPVに感染すると子宮頸がんなどのがんを引き起こすことがあり、ワクチン接種と子宮頸がんの新規症例数の減少との関係が指摘されている。
20代前半の女性では、2012~2019年にかけて子宮頸がんの割合が65%減少した。「これはHPVワクチンが使用されるようになった後の時期と完全に一致する」とがん協会の専門家は指摘する。
米国人が一生のうちに浸潤がんと診断される確率は、男性が推定40.9%、女性が39.1%だった。2023年については米国内のがんの新規の症例数は推定約200万例、がんによる死者は60万人超と予想している。
全てのがんを合わせた5年生存率は、1970年代半ばに診断された患者の49%から、2012~2018年に診断された患者は68%に増えていた。
生存率が高いがんは、甲状腺(98%)、前立腺(97%)、精巣(95%)、メラノーマ(94%)の順。生存率が最も低いのは膵臓がんの12%だった。
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