料理に添え物、引き立て役としてよく見ます。苦いので、つい残してしまいがちですが、抗がん作用が認められている食品です。ビタミン、ミネラルなどの豊富な栄養素を含み、さらに薬効を持つ健康ハーブの1つである。
乾燥したスパイスとしても売られています。ふりかけみたいに、手軽に身体に取り入れることができます。値段も安いです。難点は、プリン体が多く含まれるため、通風の原因となりかねません。食べ過ぎには注意が必要です。
パセリにはがん予防のビタミンACE(エース)が豊富に含まれています。パセリの香り成分はアピオールという精油成分で、胃液の分泌を促し、食欲を増進させて消化を助けます。また、鮮やかな緑色のもととなるクロロフィルには、血中のコレステロールの上昇を抑えたり、がんを予防する作用があります。
セロリとパセリはアピゲニンというフラボンを多く含み、ポリフェノールは強力な抗がん活性を持っています。これらは研究では乳がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんなど、がん細胞の多くの成長を妨げます。
精油成分は、抗発ガン作用の指標とされるグルタチオンS-トランスフェラーゼの酵素活性をマウス肝臓、小腸粘膜において向上させ、myristicinに特に強い活性が見られた。また、パセリ抽出物はオカダ酸(発ガンプロモーターの一つ)の酵素阻害に対し抑制作用を示した。さらに、パセリ抽出物は正常細胞に影響を与えず、ガン細胞の増殖を抑制することが報告されている。
乳がんに効果があると言われています。
ホルモン充填療法の成分であるプロゲスチンは、閉経後の女性における乳がんのリスクの増加に関与している。一般的に投与されるプロゲスチンであるメドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)は、腫瘍細胞において血管内皮増殖因子(VEGF)の生産を増加させ、結果、血管形成や癌細胞の増殖を誘導する。
パセリなどに含まれるフラボノイドであるアピゲニンは、In vitroでのヒト乳がん細胞においてプロゲスチン依存性VEGFの合成を阻害した。プロゲスチン依存性乳がんモデルにおいて乳がんの発症を遅らせ、発生率を低下させた。このことから、アピゲニンがプロゲスチンにより発症する乳がんの重要な化学予防特性を有していることが示唆された。
あくまでもマウスを使った実験です。研究は進められていますが、パセリに含まれるアピゲニン成分が、がんを阻害することは、はっきりしています。成長を遅らせる程度の効果はあるかと思われます。
パセリは、ギリシャ神話では英雄アルケモラスの血から生えた草とされ、死のシンボルとされている。古代ギリシャでは死と悲哀の象徴とし、葬礼や花輪や墓の飾りに用いられる。一方、剣闘などの競技勝者に花冠として使用された。古代エジプト、ギリシャ、ローマ時代から栽培され香味料やサラダとして食されてきた。
また、ワインの酔いを防ぐため、花輪にのうに首にかけたり、束にして宴会のテーブルに飾ったりして用いられたとも伝えられている。中世に入りパセリは薬草、香草として中部ヨーロッパから北ヨーロッパにまで広がり、16世紀にイギリスへ、17世紀にアメリカへ入り多くの改良品種が創られ、栽培されている。
日本には、オランダより17世紀に伝わったとされ、江戸時代中期に出版された「大和本草」にオランダセリとして紹介されている。明治時代以降、西洋野菜として広く栽培されるようになった。
パセリは、サラダや各種肉料理の飾りつけ、ブーケガルニ(フランス料理に使う香草の束)など、広く料理に用いられている。薬草としては、強い利尿作用が知られており、泌尿器の感染症や結石の治療や痛風にも良いとされている。また、通経作用が伝承されており女性薬としても用いられてきた。
さらに、リウマチ、貧血、皮膚の老化防止、捻挫の腫れの痛みの緩和にも効果があると言われている。パセリには、マラリア特効薬であるキニーネの代用とされるアピオール、骨粗鬆症予防に期待される女性ホルモン様作用を示すアピゲニン配糖体(アピイン)などが含まれている。
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