ベオグラードにある中国大使館が米軍のB2ステルス爆撃機の「誤爆」で中国人3人が死亡、20人以上が負傷した。中国人民は激怒し、北京では直後から大規模な反米デモが起きた。

マデレーン・オルブライト米国務長官として米中関係の危機を処理した。当時のクリントン米政権は「事故」と謝罪したものの、中国国内には「故意の誤爆」との疑念が今もくすぶる。

コソボ紛争に介入したNATO軍は、主権侵害を理由に和平合意後のNATO主体の平和維持軍駐留を拒否するセルビアへの空爆に踏み切った。

この時、セルビアと同じスラブ系のロシアとベラルーシは国連安全保障理事会で武力行使の停止を求めたが、賛成3カ国、反対12カ国で退けられた。中国はロシアとともに賛成に回った。

「誤爆」は、陰でセルビアを支援していると疑われていた中国への嫌がらせと直感する人は少なくなかった。

コソボ紛争は、1990年代から発生した地域紛争です。セルビア人とアルバニア人の紛争です。

ユーゴスラビア連邦に対し、1998年にコソボ地域の独立を求めて活動を行う。これをテロリストとして、セルビア人勢力による民族浄化が始まります。アルバニア人勢力はコソボ解放軍として抵抗、内戦に突入。

セルビア人勢力にはロシア・中国が支援。アルメニア人勢力には西欧諸国・イスラム圏が支援する。

アメリカとNATO軍が軍事介入。空爆は73日に及び、ユーゴスラビアを攻撃します。アライド・フォース作戦といいます。軍施設を徹底的に爆撃をしますが、1999年5月中国の大使館を爆撃をしてしまいます。

全面戦争になりそうになりましたが、クリントン大統領が詫びを入れ、手打ちとなりました。中国では、アメリカ企業のマクドナルド10店が襲撃され破壊されます。

中国はユーゴ・セルビア人勢力を支援していました。またこの時、アメリカとは台湾をめぐり、ぎくしゃくしていました。この中国大使館誤爆事件は、アメリカは誤爆で押し通しましたが、裏があったと言われています。

アライド・フォース作戦中に、世界初のステルス戦闘機F117ナイトホークが撃墜される事件がありました。これは最先端の軍事技術が搭載された戦闘機です。

ユーゴを支援していた中国は、墜落した戦闘機の部品などを収集、大使館に保管し本国に送る準備をしていたといわれています。「最先端の軍事技術流出を阻止するため、大使館ごと吹き飛ばした」と思われます。

指揮をしたとされるCIAのエージェントは、誤爆の責任を取り、退職をしていますが、のちに不審死舌と噂されています。口封じの暗殺されたと思われます。

2009年4月、米誌・フォーリンポリシーは

元米中央情報局(CIA)中佐、ウィリアム・J・ベネット氏(54)が暗殺されたことを報じた。ベネット氏は1999年のユーゴ空爆に参加、中国大使館誤爆事件の責任者として解雇されていた。

2009年3月22日、ベネット氏は妻とともに公園を散歩していた。2人が公園に入ってからまもなく、窓のない白い不審車両が公園に入っていたという。

その後、激しい物音が聞こえたかと思うと車は走り去っていった。発見された時にはベネット氏はすでに死亡、妻も重傷を負っていたという。

この殺人事件をめぐり、ベネット氏の経歴が関係しているとの見方が浮上している。1999年、米国らNATO軍はユーゴを空爆したが、中国大使館を誤爆する事件が起きた。

中国各地ではデモが発生、米企業の店舗が破壊されるなどの騒ぎとなった。この時、誤って中国大使館を爆撃目標と指定したのがベネット氏だったという。その責任を問われ、同氏は2000年に解雇されている。

一方、米連邦捜査局(FBI)などベネット氏殺害事件を担当する捜査当局は、「事件と同氏の経歴を結びつける証拠は一切ない」と否定している。