お正月は、Netflix三昧でした。あまりにもテレビがつまらなくて、本当に見なくなってしまいましたね。例年より映画も少なったような気がします。
昨年末より、Netflixが広告付きプラン提供をはじめました。アメリカので競争激化により会員数が減少に入ったための戦略だと思われますが、それにしてもスピードが早いです。
これまでは一番安いベーシックプランが990円でしたから「200円安くなる」という報道が多いのですが、一番大きなポイントは「安いプランでも画質がHDの高画質に」という点です。自宅の大画面テレビでNetflixの映画やドラマを楽しんでいたひとはこれまで1490円のスタンダードプランに入らなければならなかったのですが、これからは広告付きなら790円で見ることができるようになります。
ライバルとなるディズニープラス、ワーナー系のHBOも広告ブランを採用して、覇権争いを繰り広げています。他の配信と違ってNetflixの広告プランは苦戦をしているようです。しかし、この流れは止めることはないようです。
日本ではワーナー系のHBOは、U-NEXTという日本独自の配信サービスの独占となっていますが、近いうちに解消され本格的に参入してくる気配です。競争になる前に、ある程度かたちを作るのか?それとも参入時に新たな対応策をとるのか?
楽しみですね。
Netflix「広告付きプラン」が米で大苦戦!利用率たった「0.2%」
米ネットフリックスが新たに提供を開始した「広告付きプラン」について、11月末時点でアメリカでの利用者の割合はわずか0.2%だったと「ウォール・ストリート・ジャーナル」が報じた。加入者の減少を食い止めるために始めた新プランだが、かなりの苦戦を強いられていることが明らかとなり、株価も大幅に下落する事態となっている。
「調査を行ったアンテナ社のデータによると、広告付きプランに加入したのは別のプランからダウングレードした利用者が大半で、新規加入者でこのプランを選択したのは9%にとどまるなどアナリストが予想したものより少ない結果となっていたのです。
また、同プランがネットフリックスが保証した視聴率に到達できておらず、クライアント側は広告のキャンセルや広告費の払い戻しを請求することが可能になったとオンラインメディア『Digiday』も報じている。ネットフリックス側は調査会社の分析に異議を唱えているようですが、具体的な反論はありません。サービスを開始してまだ1カ月ですが、いずれにせよ現状ではかなり厳しい状況となっているようです。
ネットフリックスでは2022年の第2四半期(4〜6月)におよそ100万人の加入者が減少。じわじわと値上げされる料金プランを嫌ったZ世代の解約が相次いだことを受け、より安価で提供できる広告付きプランの導入に踏み切ったのだが、おカネを払ってまで広告を観たくないと考える人が多かったようだ。
日本では、この広告付きプランの導入でNHKが提供する動画にも広告が付けられたことで配信停止を求められていたことが明らかとなり、また民放各局からも事前の説明が十分でなかったことから怒りの声が相次ぐなど物議を醸しました。
そんな状況に加え、このプランへの加入者がほとんど増えていないわけですからね。日本のクライアントからも広告を控える動きが起こるかもしれません。
今年8月には、ネットフリックスが会員の解約防止で始めた無料のモバイルゲームの利用率が1%にも満たないことが明らかになり話題になった。広告付きプランも含め、加入者減少を食い止めるのは難しいのかもしれない。
アメリカの動画配信サービス
○ネットフリックス(Netflix)
○ウォルト・ディズニーの「Disney+」
傘下に「Hulu」「ESPN」映画・テレビの「21世紀フォックス」○アマゾンの「Prime Video」
22年3月に米映画製作大手メトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)買収完了○アップルの「Apple TV+」
22年3月に配信作品がアカデミー作品賞(動画配信サービスの映画で初授賞)○ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの「HBO Max」と「discovery+」
22年4月にAT&T傘下ワーナーメディアとディスカバリーが合併 傘下にワーナー・ブラザース○コムキャスト(米CATV最大手)傘下NBCユニバーサルの「Peacock」
傘下にユニバーサル・ピクチャーズ
アップルが流動的ですが、ソニー・ピクチャーズと組む可能性が噂されています。ディズニーも傘下「Hulu」は、日本では日テレの子会社として独自の路線を歩んでいます。これは変化はないかも知れませんが、アメリカでの合理化次第では消滅をもありえますね。ヤフーみたいに日本だけで生き残るのかな?
Netflixの広告付き動画配信、まだ人気薄 新規加入者の増加と解約減少狙う低料金プラン比率9%にとどまる
Netflixが新たに始めた広告付き動画配信サービスの出足が鈍いと、米ウォール・ストリート・ジャーナルが12月20日に報じた。
Netflixは2022年11月、広告を付けて料金を抑えた新プラン「広告付きベーシック」の提供を米国や日本、韓国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリアなどで開始した。
米調査会社のアンテナによると、米国では11月の新規加入者数に占める「広告付きベーシック」の比率がわずか9%にとどまった。また、「広告付きベーシック」を選んだ人のうち、57%がネットフリックスに再加入した人、もしくは新規加入者だった。
一方で、43%が「スタンダード」や「プレミアム」などの上位プランから広告付きに乗り換えた。
米ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの動画配信「HBO Max」は21年6月に広告付きプランを始めたが、その初月の、新規加入者数に占める同プラン加入比率は15%に上った。上位プランからの乗り換え比率はわずか14%にとどまった。
「通常、低コストの広告付きプランを開始する際に目指すのは、可能な限り多くの新規加入者を獲得すると同時に、上位プランからの乗り換えを最小限に抑えることだが、Netflixはこれがうまくいっていないようだ」と、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。
DisneyやNBCUniversa、Warnerなど参入
Netflixの「広告付きベーシック」の米国料金は月6.99ドル(日本では790円)。広告なしプランは、「ベーシック」が月9.99ドル(日本は990円)、「スタンダード」が月15.49ドル(日本は1490円)、「プレミアム」が19.99ドル(日本は1980円)。
これらは利用可能な端末数や画質などに違いがある。これによって同社は収益源の多様化と加入者数の拡大を狙っている。
米ウォルト・ディズニーの「Disney+」も22年12月に米国で広告付きプランを導入した。Disney+の米国での料金はそれまで月7.99ドルだったが、22年12月8日に10.99ドルに値上げし、新たな広告付きプランを月7.99ドルとした。
米国では、ディズニーの「Disney+」と同社傘下の「Hulu」、米コムキャスト傘下NBCユニバーサルの「Peacock」、米パラマウント・グローバルの「Paramount+」、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの「HBO Max」、そして、Netflixなどが広告付きプランを提供しており、この分野での競争が激化している。
アンテナによると、Netflixの米国加入者数に占める広告付きプランの比率は22年11月末時点で0.2%。この比率は「HBO Max」で21%、「Hulu」で57%、「Peacock」では90%と、高い水準だ。
こうした状況について、Netflixのテッド・サランドス共同CEO(最高経営責任者)は、我々の広告事業は「crawl-walk-run(ハイハイ – 歩く – 走る)」を経て成長するが、現在は「crawl」の段階だと、説明している。広告付きプランによって新規加入者を増やしながら、解約件数の減少につなげたい考えだ。
Netflix広告付きプランで日本のTVはさらに苦境に立たされる。
日本でも広告付きプランを始めたNetflix。日本のテレビ業界に大きな衝撃を与えそう。
番組を見始めると、最初に60秒、コマーシャルが入る仕組みです。30分番組だと番組の途中でも2度ほど、同じようにコマーシャルが入ります。アフターコロナと値上げで加入者が減少し、苦境に陥ったネットフリックスが始めた広告付きプランです。
Amazon Prime Videoでは、最初にコマーシャルが流される場合があります、これはさして気になりませんが、途中で入るのは、若干いらつきます。慣れてしまえば気にならないのかも知れませんが、200円の差ですから、躊躇する人もわかります。
リード・ヘイスティングスCEOは創業当初から広告付きプランに否定的でした。もともとDVDレンタルから創業した起業家です。アカデミー賞を受賞するほどのオリジナルコンテンツをつぎつぎと制作し、地上波テレビよりも面白い番組を提供することで超巨大企業へと成長しました。
アメリカのIT業界ではグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンを意味するGAFAにネットフリックスを加え、FAANGと呼ぶばれるまでになりました。
コロナ禍による巣ごもり需要が一段落したことで、世界的にNetflixの加入者が増加から頭打ちに転じ、Netflixの株価が70%以上も大幅に下落したことで経営陣が広告付きプランの導入を検討したという経緯があります。さらにワーナー、ディズニーなどの競争が激化しています。
そこからわずか半年というほとんど準備期間がない中でのサービス開始へとこぎつけたのです。
スポンサーが集まらないのではないかという危惧がありましたが、サントリー、パナソニック、メルカリなど地上波のテレビでよく見かける広告がつぎつぎと配信されています。広告代理店が、既存のテレビ業界に配慮して、何らかの力が働く懸念が噂としてありましたが、それはないようです。
今のところ、広告付きプランがうまく回っていないため、危機感は薄いですが、本格的にNetflixに加入数が増えだし、他のディズニーやHBOが参入してくるとわからない状況になるかも知れません。
新聞からテレビ、テレビからネットに広告市場が変遷したように、地殻変動が起こる可能性があります。その時はテレビ業界の再編かな?
Netflixに番組を提供していた日本の地上波のコンテンツには、広告はついていません。契約の問題があるため、今のところ快適に見れますが、この先はどうなるか?不透明です。
Netflixの作品にはCMを入れる設定につくっていません。これはうまく行っているようです。YouTubeのように途中でぶった切る挿入は、今のところ見受けられません。この辺はうまいですね。
そして当たり前のことですが、加入者が増えれば増えるほど広告媒体としての力が増し、収益性が加速することがわかれば、広告嫌いのヘイスティングスCEOでも広告事業により大きな力を入れることになるはずです。
ただでさえ市場が縮小してオワコン化しているテレビ市場は?
日本のテレビ広告の市場は長年にわたって少しずつ縮小する傾向があって、それが制作現場のコスト削減につながり、ひいては「番組がつまらなくなる」という悪循環のサイクルを生み出してきました。
大衆(マス)にしかリーチできないテレビ広告と違い、ネット広告はターゲティングできるのが強みです。実際に高い効果を実感できることからネット広告市場は拡大が続きました。この事実がグーグルやフェイスブックといったアメリカの大手IT企業の成長を促したわけです。
テレビが1兆8393億円であるのに対してネット広告が2兆7052億円です。2018年に初めてネット広告市場がテレビを上回って以降、ネット広告がどんどん勢力を増やしています。広告業界は、2011年と比較して1.7倍の成長しています。
広告市場は成長していますので、既存のテレビ局と棲み分けができると思います。が、アメリカのテレビ業界のように、再編は免れません。ただ日本のテレビ局は、半分は国が絡んでいますから、難しいかもれません。ホリエモンも発言していますが「電波行政の利権」は恐ろしく闇が深い問題です。
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