グレープフルーツは、子どもときは、ちょっとお洒落で、珍しい果物でした。ピンクグレープフルーツが登場するまでは、酸味がきつく、砂糖ふりかけて食べていた記憶です。ギザギザの専用スプーンもあって、特別感のあるフルーツでしたが、近年の消費量は危険水域と言われるまで、減少しています。
理由は薬との相互関係で副作用が言われています。高齢化社会で何らかの薬を服用している人が多いため、よっぽど好きでない限り調べて、リスクを感じながらより、食べない選択に傾いてしまうのは仕方ありません。他の美味しい果物はたくさんありますからね。
居酒屋がある限り、なくなることはないと思いますが、取扱うスーパも減少するでしょうね。
「グレープフルーツ離れ」10年で消費6割減 2019年1月27日
今年も総務省の家計調査の発表があります。細かな数字の積み重ねを見ていると、肉食の進撃、魚食文化の衰退、卵食の関西……などなど食傾向や地域性の変化が伺える。
確かに近年、スーパーや青果店の店頭を見てもグレープフルーツの存在感は薄い。国内で販売されるグレープフルーツは多くがフロリダや南アフリカ産だとされるが、特に産地や名ブランドをPRするわけでもなく、積極的なプロモーションをかけている事業者や団体も思い当たらない。
実際、消費支出の推移を見てみると、2008年には全国平均で589円だったのが、2017年には231円しかグレープフルーツに支出されていない。
他の果物を見るとりんご4177円(2008年)→4252円(2017年)、みかん4124円→3757円。梨1686円→1525円、ぶどう1991円→2214円、いちご3072円→2629円、バナナ4218円→4022円。販売期間の長いメジャー果物は根強い人気を誇っている。
その他の嗜好性の強い果物も、柿967円→932円、桃1170円→984円、すいか1226円→1130円、メロン1260円→943円、キウイフルーツ810円→1340円と一部を除き、果物への支出は減少気味ではあるが、10年間で消費支出が半減以下の果物はない。年間支出が231円、さらにこの10年で60%以上も支出が減っているとなれば、項目の統合も致し方のないところか。
ちなみに10年前、2008年の数字を見ると、より危険水域に近かったのは実はオレンジの473円だったが、2017年には524円。なんとか持ちこたえている。
グレープフルーツと薬の禁忌
グレープフルーツの果肉に含まれるある種の成分(フラノクマリン)が、小腸上皮にある薬物代謝を阻害して、薬物の血中濃度を上昇させてしまう。結果として薬の効きすぎにより、血圧が下がったり、頭痛、めまいなどの症状を引き起こすことがある。
グレープフルーツ内の物質が医薬品の代謝を阻害し、想定よりも長い間医薬品が体に留まるため薬効が強く出てしまいます。
最近、酵素酵素とよく言われますが、酵素は鍵と鍵穴の様に相手が決まっています。グレープフルーツの中の成分が阻害する酵素はCYP3A4で、これは確かに生体異物を代謝する酵素です。
酵素自体は有毒か無毒か、人に有益か無益かなど判断しません。そこに生体異物があるから代謝するだけです。
実際、血圧を下げるカルシウム拮抗薬はグレープフルーツと相互作用を示すのですが、カルシウム拮抗薬自体は薬で人に有益な物ですが、グレープフルーツと一緒に飲むことで血中濃度が上がりすぎ、ある意味毒になるのです。
つまり、グレープフルーツが体に悪いなんてことは無く「グレープフルーツはカルシウム拮抗薬など一部の薬の薬効を強くしてしまうため、それらの薬を飲むときは食べては(ジュースを飲んでも)だめ」と言う事実のみです。
グレープフルーツには体に良い効果もあるでしょう、しかし、相互作用だけで無く、柑橘類はお腹を下しているときなどは悪影響ですし、車酔いなどにもよくありません。
「体にとって有害な物質の解毒」なんて事は残念ながらありません。解毒など、あっても蛇の毒に対する抗血清を用いた解毒なんて感じで、体内で起こる解毒はせいぜい代謝くらいです。人間に対して100%有用な物や、100%毒となるような物は存在しません。どんな物でも有用になったり、毒になったりします。
農薬の問題。輸入フルーツには防カビ剤が使用されています。
グレープフルーツは基本的にカリフォルニア産ですが、その前に南アフリカ産が出回ります。値段も安いですが、カリフォルニア産に比べると、皮が厚く酸味が強いのが特徴です。6月から12月に流通のピークで、輸入量の全体の50%をしめます、以前はカリフォルニア産が80%と架線していましたが、近年では南アフリカ産が逆転しています。
カリフォルニア産が出るまでのつなぎ的商品でしたが、居酒屋を経営している人からは、人気があると聞きます。酸味がきついため「スクィーズ」など、お酒に割ると評判がいいといいます。
グレープフルーツはお酒との相性が良い、という研究がされています。成分であるフルクトースという果糖がアルコール代謝に有効です。また、果汁に含まれるイノシトールが肝臓の負担を軽くし、肝臓に脂肪がたまるのを予防します。お酒をたくさん飲んだ時はグレープフルーツ(ジュースでも可)を摂取するととても効果的です。
南アフリカ産が好まれる理由もあります。カリフォルニア産のグレープフルーツには危険な農薬防カビ剤が使用されています。
これは日米貿易摩擦を恐れた日本がアメリカに屈服したからです。1977年のグレープフルーツ輸出に伴って、アメリカは防カビ剤のOPPも日本に認めさせました。
OPPには発がん性、イマザリルは神経毒性の危険性がある物質です。危険だと知りつつも、日本は米国からの要求を飲むしかなかったのです。オーガニック果物がほとんど売られていない日本です。その代わりに危険な防カビ剤が使われている果物がそこらじゅうのスーパーで扱われているのです。
カリフォルニア産は発がん性たっぷりの食材ということは、隠すことができません。代わりに南アフリカさんが台頭してきましたが、残念ながら、こちらも農薬・防カビ剤がたっぷり使用されています。
長野県の国内流通品の検査で、南アフリカ産グレープフルーツから2回にかけて残留基準値を超えるイマザリル(防かび剤)の検出が確認された。グレープフルーツに対するイマザリルの残留基準値は5.0ppm(1キログラムあたり0.0050g)だが、今回の事例ではそれぞれ2回とも7.8ppm(1キログラムあたり0.0078g)のイマザリルを検出していた。
このため厚生労働省では平成14年10月24日付けで南アフリカ産グレープフルーツの全輸入届出に対して、食品衛生法第15条第3項に基づく検査命令の実施を決定。長野県も今回検出が確認されたグレープフルーツの販売者に対し回収を指示するとともに、輸入業者を管轄する東京都に食品衛生法違反の通報、詳細調査の依頼を行った。
もちろん、デメリットだけではありません。効能もあります。
フロリダ産グレープフルーツには癌・心臓病・出生時障害の危険を予防するという研究がアメリカで次々と発表され、テレビなどでも大々的に報じられました。
①癌予防-アメリカン・キャンサー・ソサエティー(ACS)発表。 癌を予防するには、ビタミンCやA、食物繊維を豊富に含み、低脂肪である食品をバランスよく摂取することが非常に効果的であるとし、グレープフルーツがそれら条件に最もあてはまる食物であるとしています。 また、グレープフルーツには、リモニンという癌予防効果に優れた成分が非常に多く含まれ、毎日2分の1個(又はグレープフルーツジュース1杯)で高い予防効果を期待できます。
②心臓病予防-アメリカン・ハート・アソシエーション(AHA)発表。 グレープフルーツにはコレステロールや脂肪、ナトリウムといった心臓病の要因となる成分をほとんど含まず、低脂肪・低カロリーで繊維質を豊富に含有しているため、心臓病を予防する上で日常的に摂取すると効果的であるとされています。
さらに、イノシトールというビタミン様物質の働きによってコレステロールの代謝を促進させ、肝臓の機能を正常に保ち、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞といった成人病を防ぐ役割を果たします。
③出生時障害の予防-マーチオブダイムス発表。 妊娠初期の新生児には、血液や細胞を作る上で大量の葉酸が必要となります。しかし最近では女性の葉酸不足が指摘されており、これがもとで、生まれてくる胎児に「神経管欠損症」などの出生時障害が数多く発生するようになりました。グレープフルーツには葉酸が豊富に含まれており、妊娠前および受精後1ヶ月の間に毎日食べると高い確率で「神経管欠損症」を予防できるとの研究結果が発表されました。
なるべく国産の果物を食べましょう。国産も農薬を使用していますが、しっかり洗えばリスクを下げられます。
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