許垚 SF作品「三体」起業家毒殺事件に死刑判決

人物

中国の作家・劉慈欣(リウ・ツーシン)のSF小説「三体」。

2019年時点で全世界累計発行部数は2900万部を記録しており、20か国以上の言語で翻訳されている。アジア圏の翻訳作品として2015年「SF界のノーベル賞」とも形容されるヒューゴー賞長篇部門にも。

映像化はTENCENT(テンセント)とNetflixがされており、

Netflix版「三体」の視聴者数は累計1100万人を超えたことを報じている。再生回数が93ヵ国・地域でトップ10入り、1話あたりの平均予算が2000万㌦(約30億円)、全8話で240億円で「Netflixにおいて史上最高額のプロジェクトの一つ」と謳っている。

さきにTENCENT版が制作されているが、こちらのほうが原作に忠実で、中国市場、権力層も含め意識して作られています。WOWOWで見ることができました。

この世界的ヒット作を巡って殺人事件やロンダリングの事件が起こっている。

このNetflix版と共同で製作する予定だった中国側のパートナー企業の創業者が毒殺される。2020年12月25日にこの世を去った。

この不可解な事件の背景にはヒットコンテツ「三体」を巡る確執が見え隠れし、さらには相続権を持つと主張する謎の遺族が登場する遺産争奪戦にも発展、大きなスキャンダルに。

毒殺されたのは、Yoozoo Game(ヨーズーゲーム)創業者・林奇(リン・チー)。

ゲーム開発企業。League of Angels(リーグオブエンジェル)が世界的ヒットし、4億5000万㌦の収益、2000人の従業を抱える供に成長した。

Yoozoo Gameはさらなる成長を試みため、「三体」の権利の獲得競争に成功する。この作品は内容的にゲーム企業との親和性があった。

容疑者は、許垚(シュー・ヤオ)という人物、40歳。映画部門のCEO。「三体」の映像化するに当たり作られた子会社の最高責任者となる。

林奇(リン・チー)

簡単にまとめると、

毒殺された林奇(リン・チー)は、許垚(シュー・ヤオ)の能力に疑問を抱きプライドを傷つけないように主要業務から外した。

中国はプライドが超重要。それに怒りが収まらなかった許垚(シュー・ヤオ)は、様々な偽装工作を立てて毒殺計画を実行する。捕まった場合にも備えていた。

大量の偽アカを作り、日本にペーパーカンパニーを開設。取引を装い製薬会社から調達。さらに上海青浦区に専門的な製造施設で精製。犬猫で実験をしていたという。

さらにダークウェブからも数百種類の毒薬を購入し、常時複数の毒薬を揃えていた。

サプリメントと偽り、服用をさせることに成功し、毒殺計画が完遂する。

中国は超監視社会、防犯カメラからの追跡、盗聴にいたるまで行なわれおり、すぐに犯行がばれることに。

許垚(シュー・ヤオ)

普段からアメリカのテレビドラマ「ブレイキング・バッド」に心酔していたという。末期がんの高校化学教師が市販の薬から麻薬を精製、麻薬王になる物語り。

1瓶30粒入りの毒サプリメントを送り、林奇(リン・チー)は秘書に促されてそれを服用。秘書も服用したという。

数日後に体調が悪化、急性テトロドトキシン中毒と診断、交換輸血と手術治療が施された。その後、容体はいったん安定するが、水銀中毒の症状があり、内臓の出血や心肺の衰弱が生じたために死亡する。

副総裁である趙驥龍(ジャオ・ジーロン)も服用している。趙驥龍(ジャオ・ジーロン)は容疑者とライバル、折り合いが悪く人間関係は悪化していたという。

サプリを飲んだ秘書と副総裁は水銀中毒に陥ったものの回復している。

趙驥龍(ジャオ・ジーロン)

犯人の許垚(シュー・ヤオ)は、大手コングロマリットの復星集団で法務業務に従事していた、しかし上司の個人的な問題などを告発したことなどが原因で離職することになる。

Yoozoo Gameには2017年に推薦を受けて働き始めた。「プロフェッショナル、控えめ、寡黙」という印象を持たれていた。

著作権問題をクリアするために雇われた形だが、3年を費やし法的問題が解決すると、林奇(リン・チー)は「法律問題には強いが、『三体』の製作業務を引き継ぐのに適しているのかわからない」と感じていた。

そのため、関連する多くの業務を副総裁である趙驥龍氏に託した。体裁は保たれたもの、完全に外されたことに対する怨念と嫉妬が動機と考えられる。

この作品については、小説を編集者として知られる姚海軍(58歳)を重大な規律違反と違法行為の疑いで調査していると発表されている。33億円が使途不明金ともいわれ、マネーロンダリングの容疑かかっているようです。

あらすじ

文化大革命の時代、物理学者が偶然にも地球外文明「三体人」と接触する。三体人は、地球から4光年ほど離れた恒星系「三体星」に住む知的生命体で、三体人のすむ星は3つの太陽の周りを不規則に公転しており、極端な環境変動に苦しんでいた。

この環境変動により文明が輪化してもリセットされる。新たな居住地として、地球を選び、侵略を開始する。地球の科学者たちは、秘密組織をつくり、地球防衛のための活動を始める。

科学、哲学、倫理、信仰、人間性について深く掘り下げられていく。

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